新飯能1640
人間ドッグ助成
75歳以上の高齢者になぜ実施しない
今年4月から始まった「後期高齢者医療制度」は、これまで扶養になっていた家族も高額の保険料を支払い、保険料は年金天引き、医療の中身は75才を境に差をつけるというまさに高齢者への差別医療で、日本医師会をはじめ地方議会からも廃止・見直しの声があがり、国民的な批判にさらされています。
共産党飯能市議団が毎週行っている飯能駅頭宣伝にも、「もう社会からお払い箱といわれているようです」「無我夢中で生きてきた。今やっと一息つけるかと思っていたのにひどい仕打ちだ。自公をこらしめなくては」と、次々に声をかけられます。
高齢者の人間ドック打ち切り
このような中で、75才以上の方が人間ドッグへの助成が受けられないという事態が起こっています。これは、これまで飯能市国民健康保険の健診事業として国保加入者を対象に、人間ドッグの費用36750円に対して13000円が本人負担、23750円を国保会計で助成してきました。ところが、「後期高齢者医療制度」の創設によって、こうした事業は、埼玉県後期高齢者医療広域連合の判断で実施することになっており、肝心の広域連合では、当面平成20年、21年の2年間については実施しないとしているため、75才以上の方の人間ドッグへの助成が宙に浮いた状態になってしまいました。
こうした事態を受け、自治体が直接助成をして事業をつなげていこうという市町村が増えてきました。飯能市でも早急に実施することが求められます。
多くの自治体で 独自に補助
9月議会では、金子敏江市議が6月議会に続いてこの問題を取り上げました。
実施状況は、9月5日の県の調査では、県内17市10町が人間ドッグへの市独自の助成を実施。特に近隣では、入間市は4月から実施。狭山市は人間ドックを廃止した分、特定健診を手厚くして4月から実施。所沢市、日高市が10月から実施を決定。近隣市では飯能市だけが実施していないという状況です。
190万円程度で実施可能
「実施するには総合振興計画の実施計画に位置づける必要があり、検討を要する」としている執行部に対して、金子市議は、この間の利用状況から、具体的な費用を示して実施をせまりました。
具体的には、飯能市の75歳以上の高齢者は約7500人。そのうち国保加入者が約6000人、社会保険などその他が約1500人です。人間ドッグ利用者は、H19年440人で、内75才以上の方は61人。国保以外の人が利用するとしてもだいたい80人と見て、費用は190万円。さらに保養所一泊大人2000円の助成についても、H19年で75才以上の方の利用が国保だけで209人。その他の人が増えたとしても45人とみて、だいたい50万円もあれば実施できます。合わせてこれにかかる費用は250万円程度で、すぐにでも実施できるものです。
後期高齢者医療制度 請願
保守・公明の反対で不採択に
飯能市社会保障をよくする会(野尻一夫会長)は9月議会に、県後期高齢者医療広域連合議会あてに①資格証明書の発行をやめること②人間ドッグを実施することを求めた請願を提出しました。
資格証明書については、国も一定の基準を設けて各都道府県広域連合で決めることが望ましいとしていること、人間ドックについても実施する市町村が増える中で、各自治体が広域連合に意見を上げていくことが必要です。 16日の厚生文教常任委員会で審議されましたが、日本共産党以外の保守(武藤、椙田、鳥居)・公明(石田)が反対し、不採択となりました。
開発指導要綱の精神は開発から住民を守るもの
山田とし子市議の一般質問
山田市議は一般質問で、セレモニーホール建設問題やこどもの医療費年齢拡大、歩道整備問題などを取りあげました。
山田 現在、本町の元高橋ストアー跡地にセレモニー施設の建設が計画されていますが、地域住民の間で大きな問題になっている。飯能市の開発指導要綱は、乱開発によって住民や市が不利益をこうむるような事にならないためにつくられたもので、以前は同意事項がありました。改正により「周知」だけになっていますが、「紛争がおきないように」というのが開発指導要綱の精神です。
周辺住民への説明(6条の3)は「開発行為が影響を及ぼす恐れのある周辺住民」となっています。この恐れという点では、今回の建物については十分考慮されなければならなかったのではないか、市はどういう指導をしたのか。
建設部長 自治会と説明の範囲を話し合っていただきたいということで指導した。
山田 市には住民を守る責任がある。書類がそろっているから法に触れないからということでなく、住民の立場で指導要綱の目的にそって、トラブルを生じないための要綱にしなければならない。また、トラブルがある以上、開発審査会にかけてはならないと思うがいかがか。
建設部長 事業者と市民の皆様と両者の話し合いで、よりよい解決をしていただくようご理解いただきたい。
こどもの医療費無料化の対象年齢の拡大
山田 小さい子どもを持つ世帯は、親の年齢も比較的若く、経済的余裕がない中で必死に子育てをしています。昨年12月議会で小学校卒業まで無料化の請願が採択されて子育て世帯は非常に喜んでいます。早急に予算化すべきと考えますが。
健康推進部長 やる場合は総合振興計画にきちっと位置づけてやっていく。
市長 相対的な判断の中でしていく。市全体の財政状況が影響している。
歩行者・自転車が安心できる道路に
山田 日本共産党が行ったアンケートに、歩道であるのに宅地や店舗への出入り口の傾斜がきつく斜め歩道。東銀座通りが狭く危険。などの要望が寄せられている。歩行者・自転車が安心して通行できるよう、歩道の段差解消と東銀座通りは電柱や標識の移設で道路拡幅を、自転車専用道路の計画的整備を求めるが。
建設部参事 段差解消については「交通弱者の立場に立って進めていく。
道路拡幅については「電柱の移設等、県・飯能県土事務所に協議を申し入れていきたい。
市民生活部長 自転車通行帯は1・5~2M必要で、自・歩道の中に線を引いて通行するにはなかなか難しい。交通ルールについては周知を図っていく。
地球温暖化防止、市の取り組みは
滝沢おさむ市議の一般質問
世界の科学者の知見を結集した国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球温暖化を、「1750年の産業革命以降の人間活動」資本主義の経済活動が原因だと断定しました。また、イギリス政府が発表した「気候変動の経済学」には、「気候変動は、いまだかつて見られなかった、非常に深刻で広範囲におよぶ市場の失敗である」と書かれています。日本の取り組みは先進国のなかでも決定的に立ち遅れています。京都議定書で、温室効果ガスについて90年比で6%削減する目標を掲げながら、逆に6、2%も増えています。飯能市の取組みについて質しました。
滝沢 飯能市では環境基本条例が7月1日から施工されました。環境基本計画も改定され、地球環境も視野に入れ、市、市民、事業者、滞在者の責務が位置づけられました。
温室効果ガスの発生源は経済活動、産業活動による、発生がその多くを占め、事業者の規制が大きく問われます。川越市では事業者の責任を明確にしました。飯能市ではどの様に考えていますか。
環境部長 温暖化ガス排出の4割近を占める産業部門の削減が求められています。埼玉県では、彩の国環境エコアップ宣言事業を展開しています。本市では5事業所が参加しています。自治体レベルでも地球温暖化対策条例や温暖化対策地域推進計画を作る動きがあり、目前に迫った、京都議定書の削減目標を達成し、更に2050年に全世界の排出量50%削減のシステムのもとで国と地方の連携が大切と考えています。
地域推進計画の策定が必要
滝沢 地球温暖化対策地域推進計画を市独自に制定している所も出てきているが飯能市の考えは。
環境部長 本年は京都議定書約束期間の初年度であり、洞爺湖サミットも開催され、カーボンオフセットについても08年度中に実施やルールの検討結果も公表されると聞いています。市でも市民、事業所、オフィス、それぞれが温暖化ガス削減に向けて指針となる温暖化対策地域推進計画をしかる時期に策定する必要があると考えています。
滝沢 私は、秩父市上吉田の木質バイオマス発電所を視察してきました。間伐材のチップによる発電は「上吉田元気村」施設内の電力を賄い、燃焼により発生する熱は館内のお風呂などに利用するシステムになっています。また、川越市は公共施設で太陽光発電を積極的に取り入れています。飯能市においても、基本計画の中「地球にやさしいまちをつくる未利用エネルギーの利用促進」として事業を進める事になっているが、具体的な取り組みは。
環境部長 太陽光発電については県内で11市が補助要綱を持っています。現在、国として普及に力を入れていく方針が示されました。市としては国の動向を見据えながら、太陽光発電など新エネルギーシステムの普及を考えて行きたい。
波紋(コラム)
茗荷の葉が雨にぬれて光っている、いや茗荷の葉が雨を光らせている、どっちなんだろうなどとたわいもないことを考えながら雨の音を聞いているのもいいものです。でもいつまでもそんな気分にひたっているわけにはいきません▼テレビは自殺者まで出た汚染米事件の広がりをつたえています。「心配でお米を食べる気がしない」と主婦がインタビューに答えていました。風評被害で関係のない焼酎もぱったり注文がこなくなったといいます。出色は「人体に影響がないことは自信をもっていえる。だからあんまりじたばた騒いでいない」という大田農水相の発言。無責任の極みです▼汚染米事件は必要のない米輸入を続けるために事故米に甘い態度をとってきた政府とそれにむらがって巨額の益をあげてきた企業の犯罪といっていいものです。そんな時に政権を投げ出し、総選挙目当ての総裁選にうつつをぬかしている自民党とは、いったいどういう政党なのだろうかと考えてしまいます。自民党は本当に壊れてしまったのかもしれません。