2005年飯能市議選の争点と政策
2005年2月15日
日本共産党飯能市選対
市議選の意義と争点-市議選で問われているものは何か-
<市民に負担増強いる「オール与党」市政>
飯能市議会議員選挙は4月17日告示、24日投票でたたかわれます。この選挙は名栗村との合併後最初の選挙であり、開発優先の街づくり計画が破たんし、市民が主人公の新しい街づくり方向が模索されていること、国や市の生活破壊の増税・負担増に有権者の怒りが強まっていることなど、市政を変える画期となる可能性をひめた歴史的な選挙です。
この市議選では何が問われているのでしょうか。市はこの4年間だけでも、下水道料金(30%)、国民健康保険税の大幅な引き上げ、敬老年金の減額、奨学金の7年連続の貸付枠の削減など市民に負担増を押しつけてきました。その一方で大型開発に200億円(美杉台関連の学校用地、施設150億円、県水受水施設28億円、下水処理場用地費38億円)以上もの税金をつぎこみ、必要もない県水導入で毎年一億円ものムダ使いを続けているのです。これでは市民が必要としている教育や福祉に予算がまわせないのは当然ではないでしょうか。昨年12月市議会では沢辺市長は「公立保育所の民営化」を表明してより一層の教育、福祉の切り捨てをすすめる姿勢を明らかにしました。小泉自・公政権が7兆円もの負担増と大増税計画を押しつけている時に、「住民の暮らしと福祉を守る」という自治体本来の仕事を放棄して、市民にさらなる負担増をおしつけようとしているのか「オール与党」市政です。こんどの選挙では開発優先で市民に負担増を強いる「オール与党」市政に厳しい審判をくださなければなりません。
<国いいなり、開発優先で二重の悪政を推進>
街づくりではどうでしょうか。公団大河原開発から公団が撤退したのに続いて、西武が天覧山、多峯主山周辺の開発を断念しました。自然を守る市民の運動のすばらしい成果です。同時にこれはこれまで飯能市が進めてきた公団・西武などの大型開発を追認した街づくり計画の破たんを示すものです。「オール与党」市政は日本共産党の計画を見直せとの提案を無視し、大型開発による人口増を見込んで多額の税金を上下水道施設等の基盤整備につぎ込んできました。今それが過剰投資(上水道の稼働率は65.0%、県下39市中37位)となって市民を苦しめています。今年の4月から下水道料金が30%も大幅に引き上げられます。99年の40%引き上げに続くもので、県下でもトップクラスの高い下水道料金になっています。これは過剰投資の施設、用地の経費まで料金に算入しているところに大きな原因があります。また必要のない県水導入で市民は1億円から2億円もの負担を毎年強いられています。この普通では考えられないムダ使いは、市が国、県いいなりで人口15万人を想定した「飯能・青梅丘陵開発計画」の水需要を満たすために県水導入を決めたことにより生まれたものです。県は幹部職員(現在の副知事)を市に派遣してまでこの計画の推進したものでその責任は極めて大きなものがあります。国、県、市合作の無謀な大型開発のツケを市民に転化するなどというこは絶対に許されるものではありません。「オール与党」市政は国いいなりで負担増を押しつけ、開発優先の失政のツケを市民に押しつけるという二重の悪政で市民を苦しめているのです。
<合併問題でも各党・会派の姿勢が問われている>
今度の選挙は合併後最初の選挙です。合併問題で日本共産党は住民こそ主人公の立場にたって情報の公開を要求するとともに、その問題点を明らかにし、合併の是非は住民自身が決めるべきとの態度で奮闘してきました。合併はしたものの「オール与党」市政は「合併してやったのだから」と名栗には飯能の低い行政水準(国民健康保険税、水道料金の引き上げ、公共施設使用料の有料化)を押しつけ、その一方で「合併で飯能の財政が大変になった」と、合併を教育、福祉の予算を切り捨てる口実につかい、合併特例債(170億円)の使い道をめぐって新たな利権をもくろんでいるのです。こんなひどい話があるでしょうか。また「オール与党」は今度の市議選は現行定数で行うという合併の約束もホゴにして多数の力で定数削減を強行しました。定数削減は合併の合意事項であるだけでなく、住民の願いをより広く市政に反映させるという地方自治の理念を否定し、議会を形骸化させ、より一層の自治体リストラに道を開くものです。定数削減は「オール与党」勢力の一貫した戦略になっており、議員定数削減が市民の市政参画の機会を奪い、市民に負担増を強いる悪政の体制づくりにあることを具体的な事実(「オール与党」勢力は議員定数削減で経費節減をいいながら、実際にはムダ使いを容認し、市民に負担増を押しつけている)にもとづいて明らかにしてゆく必要があります。
<増税、9条改憲許さない市民の代表を>
国会の論戦で民主党が改憲と「自衛軍」の明記を要求、小泉首相が賛意を表明するなど「二大政党制づくり」が9条改憲と消費税大増税の体制づくりであることが明白になっています。消費税大増税と9条改憲の道は、教育や福祉の切り捨て、平和を脅かす戦争への道であり、地方自治体にとっても死活的な問題です。自民党や公明党、民主党もこの二大悪政推進の手のひらにのっており、市民の願いにこたえられない政党であることを徹底して明らかにする必要があります。
日本共産党市議団のかけがえのない実績と役割
<市民の願い届ける日本共産党、願いに背をむける「オール与党」>
5名の日本共産党市議団は市民の身近な相談相手として市民の願いを実現するために全力で奮闘してきました。子どもの医療費無料化を小学校入学前まで拡大したり、昨年12月から窓口払いを無くすことができたのも、新婦人などのねばり強い運動と市議会での党議員団の長年の追求が実ったものです。窓口払いが無しになっているのは県内で11市だけで快挙というのにふさわしい実績です。
党議員団が他団体とも協力してこの4年間で6回開催してきた「なんでも相談会」にはのべ150人以上が相談に訪れています。この相談会をきっかけにして飯能民主商工会に多重債務の問題解決のための「清流道場」ができたり、深刻な生活上の問題を解決する糸口になったりと、この「相談会」はすっかり市民の間に定着してきています。
高すぎる「国民健康保険税」や近隣でも最も高い「都市計画税」を引き下げて欲しいという市民の願いを実現するために党議員団は独自に議案提出権を活用して「減税条例」を市議会に提出してきました。市民の願いに背をむけた「オール与党」の反対で「減税条例」は実現にいたっていませんが、市民の生活を守る条例を市議会に独自に提案できる実力と実行力があるのは日本共産党議員団だけです。
<国、西武にもキッパリ日本共産党、国、大企業いいなりの「オール与党」>
大型開発優先の街づくり計画の破たんは、この計画が深刻な自然破壊と財政破たんをもたらすものとして、一貫して計画の見直を求めてきた日本共産党の指摘の正しさと先見性をうらづけるものとなっています。日本共産党が大企業本位の開発計画を批判し、市民の利益を守る立場にたって奮闘することができたのは、日本共産党が大企業から一円も政治献金をもらっていない、政党助成金の受け取りも拒否している清潔で、民主主義を貫く党だからです。だからこそ市議会で日本共産党だけが市民と力をあわせて西武の開発をやめさせる大きな役割をはたすことができたのです。国、大企業にものがいえない「オール与党」がいくら増えても市民の利益を守ることができないのは明らかです。
<不正、ムダづかいノーの日本共産党、悪政推進の「オール与党」>
庁用バス不正入札問題で敗訴した小山前市長はその責任を問われ飯能市に292万円を支払いました。この問題を市民とともにいっかんして追及してきたのも日本共産党です。議員の海外視察のムダ使いをやめさせ、その復活を許さないのも党議員団の奮闘です。入札問題では談合や不正の温床になっている指名競争入札ではなく、一般競争入札を取り入れるよう提案、富士見小学校、原市場小学校の大規模改修工事で、一般競争入札を採用させ、工事費を大幅に節減させることができました。これも他党のまねのできない党議員団の大きな実績です。
必要のない県水問題でもこれを推進してきた市や「オール与党」にはこれを解決する資格も能力もありません。日本共産党議員団は独自に県と交渉を行い県水導入問題を解決するために全力をあげています。国に対しても大企業にも市民の利益を守る立場にたって発言できる党議員団の役割は極めて大きなものがあります。
今こそくらし、福祉最優先の市政を日本共産党の政策と提案
<街づくりを開発優先から福祉優先に>
これからの飯能市のすすむ方向をどうするのかが今度の選挙では問われています。市が推進してきた西武などの大企業の開発を基本にすえた街づくり計画は日本共産党が指摘してきたように深刻な自然破壊と財政破綻をもたらしました。しかし悪政を推進してきた「オール与党」勢力は、もっぱら福祉や教育、地域の環境整備の予算を削り、財政破綻のツケを市民に転嫁する計画を押しすすめています。入間、狭山の合併は住民の意志で否定されましたが、飯能では名栗との合併、「三位一体の改革」をテコにさらに合併を推進することによって、新たな大型開発、自治体の開発会社化をねらう動きも強まっています。
日本共産党はこれからの街づくりの基本はあくまでも市民が主人公の立場で、市民参加で合意を形勢することを基本にします。特に市が市民の暮らしと福祉を向上させるという自治体本来の仕事をすすめるために全力をつくします。
- ・第4次総合振興計画は市民参加で合意を形成し、開発優先から暮らし・福祉優先の街づくりをすすめます。
- ・公団大河原の開発予定地は公団に無償壌渡を要求し、自然の回復を基調とした有効な活用を検討します。
- ・大型開発に頼らない魅力あるつりあいのとれた街づくりをすすめます。
- ・県に対して県水導入契約を破棄するよう求め必要のない県水導入を中止します。
- ・区画整理事業全体を見直し、下水道など生活環境整備を優先した街づくりをすすめます
- ・未給水地域の解消に年次計画でとりくみます。
- ・市民の意向を無視した市町村合併の押しつけには反対します。
- ・合併特例債(170億円)は切実な市民要求最優先で活用をはかります。
- ・平岡レース跡地を活用し市立図書館等の建設をすすめます。
- ・市民の合意をもとに幹線道路の建設を促進します。
- ・無公害、地元雇用促進型の企業誘致をはかります。
<くらし・福祉を守り、医療を充実させます>
高齢者を対象にした緊急通報システム「命のペンダント」は万が一の時すぐに連絡がとれるシステムとして頼りにされてきましたが、市は04年6月から有料化を強行しました。百万円前後の予算で高齢者の命と安全が守れるというのに「行政改革」の名のもとに必要な高齢者福祉の予算まで削りとっているのです。さらに市は地方自治体の役割を放棄して「公立保育所の民営化」「学校・保育所給食の民間委託」「一般ゴミの有料化」「敬老年金の廃止」など福祉、教育、市民サービスの切り捨てを本格的にすすめようとしています。こんなことを許してはなりません。日本共産党は都市計画税の税率引き下げ(西部11市の中で制限税率を課しているのは飯能と所沢だけ)に全力をつくします。市民の約半数の世帯が加入している国民健康保険は税の滞納額が10億円を超え、500世帯に短期保険証が発行されるなど深刻な事態になっています。市は「国保健全化計画」で滞納者が病院窓口で医療費を全額払わなければならない資格証明書の発行や、一般会計からの繰入金を大幅に削減して市民の税負担をさらに増やそうとしています。日本共産党は「社会保障及び国民保健の向上に寄与する」という国保の目的にも反する「国保健全化計画」を見直し、一般会計の繰入も他市並に増やし誰もが安心して医療をうけられるようにします。
- 福祉と市民サービス切り捨ての「行政改革大綱」を見直します。
- 公立保育所の民営化はやめさせます。乳児の受け入れ枠を増やし待機児をなくします。
- 学校・保育所給食の民間委託はやめさせます。保育所の完全給食を実施します(1施設8万円程度、全体でも100万円程度の予算でできる)
- 少子化対策として保育料保護者負担の軽減をはかります。
- 子どもの医療費無料化を小学生まで拡大します。
- 24時間緊急医療対策など小児医療を充実させます。
- 学童保育の施設の充実、保育料の軽減、指導員の処遇改善をはかります。
- 国民健康保険税の大増税につながる「国保健全化計画」を見直します。
- 国民健康保険税を引き下げ、国保税の減免、医療費の減免制度をつくります。
- 都市計画税の税率を他市並に0.3から0.2に引き下げます(3億円)。
- 一般ゴミの有料化はやめさせます。
- 介護保険料、利用料の軽減をはかります。
- 敬老年金の削減に反対します。
<教育基本法を守り豊かな教育をすすめます>
教育基本法を変え、子どもたちに「愛国心」を強制する動きが強まっています。このままでいいのだろうかと多くの人々が心を痛めています。学校予算も貧弱で父母負担も増大しています。くらしが大変で学校給食費を滞納する世帯、就学援助を受ける世帯も急増しています。教育費の国庫負担削減をやめさせ教育予算を増額することは焦眉の課題になっています。また社会環境の悪化から子どもたちの安全を守る仕事も自治体の大切な仕事になっています。
- どの子にも行き届いた教育を保障するために少人数学級を実現します。
- 不登校児対策を充実させます。
- 教育基本法の改悪に反対し、平和と自由を愛する人格を育む学校教育を推進します。
- 教育予算を増やし、父母負担を軽減します。
- 校舎の耐震化をすすめます。
- 地域ぐるみで社会環境の悪化から子どもたちを守ります。
- 地産、地消の安全で豊かな学校給食をすすめます。
- 奨学金の貸付枠を増やし、希望者全員に貸与できるようにします。
<活気のある商店街づくり、中小業者を応援します>
街の中に空き地が増え、その多くが駐車場化しています。これでいいのでしょうか。活気のある商店街づくり、中小業者を応援することは地方自治体の大事な仕事です。
- 商業地域の固定資産税、都市計画税を引き下げ、市政の柱として商業の振興をはかります。
- 消費者のニーズにあった魅力的な商店街づくりをすすめます。
- 無担保・無保証人融資制度を利用しやすくします。
- 小規模工事登録制度を整備し活用をはかります。
- 住宅リフォーム助成制度を充実させ、林業の振興と地元業者の仕事を確保します。
- 地産・地消をすすめ都市近郊農業の発展をすすめます。
- 住宅の耐震診断助成制度をつくります。
<ムダをなくし、適正な予算の執行で財源を生み出します>
財源はどうしたら生み出すことができるでしょうか。日本共産党は企業に対する不均一課税の適用や一般競争入札の実施で新たな財源を確保し、支出を大幅に削減するなどの実績をあげてきました。ムダな支出をやめさせることは市民要求実現の一歩になるものです。
- 必要のない県水の導入を中止し、ムダな負担をなくします。
- 魅力ある街づくりをすすめ税収を確保します。
- 一千万円以上の請負契約は原則として一般競争入札として支出をおさえ、財源を確保します。(16年度決算では1千万以上の契約は29件で8億円、一般競争入札を実施すれば1億2千万円程度の節約に。一般競争入札が下請けや、労働者いじめにならないように最低制限価格の設定など効果的な対策を検討する)
- 議員の海外視察などムダな経費の復活は許しません。
<日本共産党の役割を大いに語り、日本共産党の前進を必ず>
今度の市議選は定数削減のもとでかつてなく厳しいたたかいになっています。23議席をめぐって熾烈な党派間闘争が展開されています。開発優先の市政をくらし・福祉優先の市政に転換させるためには「オール与党」市政で唯一の野党である日本共産党の4議席確保がどうしても必要です。市民が主人公の政策実現のために全力をつくしてたたかいぬき必ず勝利しましょう。