新飯能1753
ムダな道路より市民生活に
後期計画策定で党議員団が申し入れ
日本共産党飯能市議団は9日、第4次総合振興計画後期計画(平成23~27年まで)策定にあたって、3つの転換と7つ重点要望としてまとめ、沢辺市長あてに提案しました。
日本共産党飯能市議団は、5年前の第4次総合振興計画基本計画にあたっても、見解と提言を出し、「これまでの総合振興計画ですすめてきた公団や西武に振り回された大規模住宅開発への反省と総括や庁舎別館建設などムダ使いをやめて市民本位の行財政運営を」と求めてきました。
企業誘致に過度な期待で大規模な先行投資に
12万人都市計画破たんの反省もないまま、今度はUR都市機構が造成している飯能大河原に企業を誘致していくという名目でクリーンセンター方面から一ー四号線(西中通り)までの道路を建設したり、中心市街地活性化の名のもとに、銀座通り一方通行出口から飯能郵便局までの約350mを4mの歩道(両側)のついた16m道路を建設しようとしています。
日本共産党は、「全国で呼び込み型の団地開発が破たんしているもとで、企業誘致に過度な期待を抱いて、莫大な予算をつぎ込むことはリスクが高く、自治体のやるべき仕事ではない」また、「市街地に広い歩道の付いた道路ができてもそれで市街地が活性化するものではない」と批判。
「市民生活と営業が大変なときに、国保税増税や下水道料金値上げを押しつけ、一方でバブル期を思わせるようなハード整備は抜本的に見直すべきだ」と求めました。
対応した本橋副市長は、「認識がかなり違う。将来にあたっての安定的な基盤をつくることが重要だ。行政は将来を見据えて行かなくてはならない。来年度からの実施計画に具体的な事業として位置付けていく」などと答えました。
これまで12万人都市構想のもとに、人口増を期待して、過大な先行投資したことが、市民に負担を押しつけてきました。そのことに何の反省もないようです。
水道料金値上げ
「これで平等になり真の合併が成立した」と大久保市議が賛成討論
12月議会に名栗簡易水道の料金値上げが、飯能市の水道料金に「統一」するという形で提案されています。 旧名栗村は、飯能市との合併で負担は高い方へ、サービスは低い方へ統一するという合併の典型的な形が押しつけられ、住民の負担が増え続けてきました。 名栗の水道加入世帯は1031軒で、その内1000軒は、口径20㎜・2ヶ月で35立方使用していて、2ヶ月で630円、年間3780円の値上げとなるものです。
この問題も、両市の「合併協議会」のなかで、「当分の間」両市村の料金体系を維持するとしてきましたが、平成17年から5年経ったことから提案されたものです。
金子敏江議員は、「統一と言っても、名栗の人達にとっては値上げになるわけで暮らしがきびしいこの時期にどうしてもというものではない」と反対しました。名栗在住の大久保勝議員は、「合併から5年が経過し、福祉、税、国保等が同一の金額になってきたが最後のくい違いが水道料金だった。これですべて「平等」となり真の合併がなされたと考える。住民に反対の声がなく、水道料金値上げはやむを得ないと納得しているので賛成である」と賛成討論を行いました。名栗の人達の本音が聞きたいものです。
民間委託でいいことはない
新井たくみ市議の一般質問
新井市議は今議会でも給食の民間委託問題を取りあげ、「民間委託しても、これまで同様、給食調理業務作業基準(市の学校給食安全マニュアル)について、栄養士がしっかり指導していけると思うか」と質しました。
教育委員会次長は、「契約の仕様書や指示書にマニュアルの内容を定めて栄養士が指示ができるようにしていく」などと答弁しました。
これに対して、新井市議は、「鳩ヶ谷市では、栄養士が細かいことまで注意し、指導することが偽装請負になると指摘された。県労働局から指導を受けたのは、受注者がつまり、『市が請負業務の作業工程に関して、仕事の順序、方法等の指示を行ったり、することは偽装請負にあたる』とされた。更に、厚労省職業安定局長告示37号は、『口頭に限らず、文書等で詳細に示している場合も、発注者によって管理を負わせていると判断される』という内容だ。つまり、安全で、豊かな給食を守ることと委託は矛盾する」と指摘しました。
委託しても安くならない
新井市議は、「19年に教育委員会内部の検討委員会がまとめた報告書のポイントは、飯能第一小学校850食、委託コストを比較したが直営では1460万円だが委託では1647万円と民間委託の方が高くつくというのが結論だった。マネジメントコストを1割とみても直営の方が安い。なぜ、委託しようとするのか」と質しました。
給食の質が下がる
民間委託した場合、調理に手間がかかる食材や調理方法は敬遠され、手作りなどは極端に少なくなる。東京では、業者からのクレームがあって、委託契約ガイドラインを作成して献立を制限しているという。また、福岡県久留米市では、5年間で69の調理員中、31人が入れ替わった。6人全員の調理員が入れ替わった小学校もあると地元紙が報じていることを紹介。「給食時間に間に合わない」とか、「衛生管理が不十分で、食中毒が起きるなど問題が全国で起こっている」と委託の問題点を指摘しました。
4総・後期計画に交通政策の位置付けを
新井市議は、このほかに、第4次総合振興計画後期計画策定にあたっての問題と課題を取りあげ、後期計画に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく、地域公共交通会議の設置と「地域公共交通活性化・再生総合連携計画」の作成を求めました。
山田 政府は後期高齢者医療制度の見直しを検討する中で連動して進めているのが、国民健康保険の都道府県単位の「広域化」の方針。来年の通常国会に提出する意向を示している。厚労省の示す「広域化」は「県下の国保税を「均一化」するために、市町村の一般会計繰り入れはなくして、保険税値上げに転嫁せよ」というものである。さらに「滞納繰越分も自治体で何とかしなさい」というもの。これについては全市町村長に9月から11月に賛成反対も含めてのアンケートをとったそうだが、市長は賛成されたのか。広域化に対する見解は?。
国保の広域化で保険税は上がる
山田とし子市議の一般質問
「広域化はやむを得ない」と市長
市長 医療の高度化、医療費の伸びが市町村単独の国保事業の財政を圧迫していることから、国保財政の安定化、県内標準化による国保税の負担の公平化を図る上で広域化はやむを得ない。市町村が集まっただけの組織では財政の安定化にはつながらない、県が主体的に国保事業を担ってもらいたい。広域化が行われると国保税の税率の引き上げが容易になされるのではないかという懸念もある。現在でも重量感のある被保険者の不満につながることを恐れている。
解決のためには国の最大の責務である財政支援の充実が不可欠である。現在の国庫負担の34%の引き上げをしてから制度を考えてもらいたい。アンケートについては「広域化制度を否定するものではないが、国保税の引き上げが容易に行われることは制度の崩壊につながるのではないか」と回答した。
山田 全国知事会では「国が大幅にお金を出さなければ反対」という決議を上げ、「埼玉県後期高齢者医療広域連合議会」でも、須田連合長(新座市長)が、国保税を抑えるためには、市町村が繰り入れをせざるを得ない現状から「繰り入れができない国保の広域化には反対だ」と述べているが市長の見解は?
市長 保険料徴収方法を均一化するのは賛成。しかし、制度改革する以上は国が出すべきものを出してからしてもらいたい。
山田 保険税の均一化で飯能市への影響はどうなるか。
健康推進部長 保険料の均一化ということになれば保険料が上がることになる。
山田市議は、繰り入れをなくせば医療費の増加が保険料値上げに直結し、国保税がいっそう高騰することは明らかで広域化は大きな問題であり、しっかりと国に向けて意見を上げよと求めました。
波紋(コラム)
3日と6日の「しんぶん赤旗」の文化闌は刺激的でした。一つは作家の清川妙さんの伊原西鶴「世間胸算用」の鮹売り八助の失敗の話。欲深の八助は八本の鮹の足を七本にして売っていましたが、年の暮れに今度は六本にして売り歩いてそれが露見してしまう、なんとも哀れな話しなのですが、今の世相を彷彿させるものがありました▼もう一つは作家リービ英雄さんのインタビュー。「日本語は美しい。フランス語など問題にならない」という言葉にまずうっとり。続いて9・11事件に遭遇して書いた「千々にくだけても」も、崩れていく世界貿易センタービルの映像を見て、芭蕉の「島々や千々にくだけて夏の海」の句が浮かんでできたというのも驚きです▼300年前の俳句に、21世紀の暴力に対峙する表現の力があったという指摘も新鮮です。日本の文学、日本語のすばらしさをリービさんにあらためて教えてもらいました。