1707号
障害者自立支援訴訟終結へ
合意は出発点 これからが闘い
障害者自立支援法の違憲訴訟をめぐり、原告・弁護団らと国(厚労省)は、訴訟の終結に合意しました。国は、合意文書で、「障害者の尊厳を深く傷つけたことを心から反省する」とし、「速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までに障害者自立支援法を廃止し新たな総合的福祉法制を実施する。障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものである」と明記しました。
原告団は声明の中で、「この歴史的な成果は5年に及ぶ全国の障害のある人たちと関係者の『自立支援法反対』『応益負担はいらない』という大運動が勝ち取った成果である。この原告たちの勇気ある決意と行動が重い歴史の扉を開いたものだ」としています。
「かわせみ」の3人が 原告に
この訴訟に全国で71人が提訴、埼玉では14人ですが、日高市にあるかわせみ(知的障害者授産施設・施設長萩原政行氏。飯能市からも7人が通っています)を利用している3名が原告になっています。
かわせみを訪ねて、原告の村田勇さんと石井学さんに話を聞きました。 村田さんは、「はじめ両親は反対だったが、障害者が頑張らなければと立ち上がった。これでやっと重い荷が下ろせた思いでうれしい」石井さんは、「永妻厚労大臣と握手したとき、本当に頑張って良かったなーと思った」と語っていました。
しかし、2人とも就労移行まで、あと3ヶ月。一般の雇用も厳しい中で、障害がある人の雇用は皆無に等しく、雇用の場がない場合、就労支援施設であるかわせみを出て行かなければならなくなる可能性もあり、「とても不安だ」と言います。
これからが重要な闘い
施設長の萩原さんは、「合意文書のなかで、新たな総合的福祉制度を制定するために、障害者の参加のもと十分な議論を行うことが明記されている。これからが重要な闘い」と語っていました。
同時に、事業所報酬を「月額制」に戻すことなどは手つかずで、「施設運営にとっては依然厳しい状況にある」といいます。「この間の改善で、送迎について一事業所300万円、国の予算が出ることになったが、ガソリン代が含まれず、半分は持ち出し。川越市は月額3万5千円、日高市は年15万円ガソリン代助成がされているので、飯能市でも配慮して頂ければ」とも話していました。
憲法9条を守ろう!
9条の会が成人式会場で宣伝
1月11日、市民会館での飯能市成人式で、憲法を守る九条の会・飯能(九条の会)と平和・民主・革新の日本をめざす西武の会(西武革新懇)が共同して、「憲法9条を守ろう」「核兵器を廃絶させよう」と宣伝しました。
式典は11時からでしたが、10時前から晴れ着姿の新成人が集まり始めました。二つの会は早朝9時から行動を開始し、ミニチラシをはさみこんだティッシュペーパーを配布しました。
このミニチラシには、「憲法9条を守り生かした政治の実現を」のスローガンと、宣伝した二つの団体名、日本国憲法9条1項2項の条文、俳優の吉永小百合さんと服飾評論家のピーコさんのメッセージが印刷されていました。
「成人おめでとう」と声をかけながら配布すると、多くの新成人が受け取っていました。この行動には、九条の会から20人の会員が、西武革新懇からは10人の会員が参加し、400セットのティッシュペーパーが配布されました。
飯能市の職員削減
サービス切り捨てに
飯能市は定員適正化計画と称して、平成18年から22年度までに62人の職員数の削減計画を進めています。
問題なのは中身です。特に、保育士や給食調理員などの退職不補充で臨時職員・パート化をすすめていることです。
保育士 正規職員は4割
保育士は市独自に正規保育士40%、臨時保育士60%という基準を作り、40%以上は正職員を置かないことにしているのです。こうしたことから臨時職員に担任を持たせるというクラスが16クラス(31%)にもなっています。これほどまでに正規保育士が少ない市はほとんど例がありません。
22校に 正規調理員19人
給食調理員も退職者の不補充でパート化をすすめてきたことから、22年度は22校の小中学校に正規職員は19名しかいないという事態になります。
各校1名の正規調理員が配置できずに今年度から吾中、吾小、東吾野小、南高麗中の調理室を廃止・センター化し、23年度は精明小、二小の調理室を廃止しようとしています。
保育や教育の分野に効率主義、安上がりを理由に人件費を削減していく飯能市の姿勢は異常としか言えません。
今後は、「給食の民間委託を検討」「保育所の民営化を検討」などと議会で答弁しているように、なし崩し的に民間委託をすすめようとしています。集中改革プランや定員管理計画の見直しが強く求められます。
対話資料
シリーズ①
参議院選挙に向けて旺盛な対話が求められれますが、具体的な資料を紹介していきます。
「内部留保」とは
企業活動の中で、蓄えられた貯め込み利益のこと。当期利益から税金、配当金、役員賞与など社外に流出する分を差し引いた儲けを年々蓄積したものです。
内部留保は企業が安定的経営や拡大生産の積立金を確保するという面では必要なものですが、1998年以降積み増しした219兆円の巨額の内部留保は、賃金の切り下げや非正規労働者の大量活用・解雇などの労働者犠牲と下請け単価の切り下げなど中小業者いじめで貯め込んだものです。内部留保を労働者と社会に還元し、景気回復を図るべきではないでしょうか。
国保税値上げしないで!
社保協が申し入れ
飯能市社会保障を良くする会(会長・野尻一夫氏)は15日、飯能市国民健康保険運営協議会委員に、22年4月からの国保税の引き上げをしないよう求める要請書を提出しました。
飯能市は国保運営協議会に、一人当たり8457円、総額2億1000万円の値上げをしたいとして値上げ案を提案し、15日に協議します。
要請書のなかで、あるダンプ運転手は「1か月に10日仕事があればいい方、今月も20日以降は仕事がない」「家賃も払えない」「やっと国保税を払っても医者にかかれない・・・」などと窮状を訴えています。
署名にご協力を
社保協や民商、日本共産党などでつくる署名推進委員会では、議会宛に「国保税値上げやめよ」の署名を開始しました。是非ご協力下さい。
波紋(コラム)
「いまだ木鶏たりえず」。それが大横綱双葉山の残した言葉であることを、「しんぶん赤旗」、「新春スポーツインタビュー」の横綱白鵬の話しで教えてもらいました。「けいこが心をつくる」など、24歳の青年の言葉とは思えません▼白鵬は広島巡業の際に平和記念資料館にも足を運び、「社会の勉強も必要ですし、自分から行ったんです。戦争は恐ろしい。二度とあっちゃいけない。モンゴルも日本も、ほかの国も平和であってほしい」と話しています。立派な横綱です▼政界では、木鶏どころか、傲慢不遜な民主党小沢幹事長の資金管理団体陸山会の不透明な土地購入疑惑で13日、東京地検が小沢氏関係先を一斉捜索。あまりのひどさに14日の「朝日」は「切るべき切り成熟図れ」「私、政党難民になりそうです」と、悲鳴に近いコラムを載せています。13日は日本共産党第25回大会の初日。建設的野党の役割がますます重要になっています。