1704号
なぜ実施計画に位置づけて
当初予算にしないのか説明不能に
シルバー人材センター用地問題で紛糾
12月議会の最終日となった11日、シルバー人材センターの移転先の土地購入費が計上された21年度一般会計補正予算案の採決をめぐり議会が紛糾しました。
老人福祉費の生きがいづくり事業としてシルバー人材センターの建設にかかわり、土地購入と設計委託料で6154万円が計上されていることについて、厚生文教委員会の審査の中では、建設予定地は大河原の市街化調整区域1519平方メートルを5012万7千円で購入し、来年度に木造平屋建てで建設費は約7000万円、これも来年度の補正予算に計上するということが明らかになりました。
8人の議員が反対
各委員が「これだけの大きな事業、実施計画に位置づけて行うべき、なぜ12月補正なのか、当初予算にしなかった理由は?」「市の土地、公共施設等の建物を借りることは検討していなかったのか」「なぜ、市街化調整区域で大河原なのか」など質疑を行ったが、執行部の説明は「既存の建物を当たったが妥当なものがなかった」「50平方メートル以上の作業場をつくるには住居地では建設できない、山手町用地から早く出なければならない」などと答弁。何度聞いてもどういう会議で論議されてきたのか、補正予算にした理由や大河原に至った経過が納得できるものではありませんでした。
こうしたことから、委員長質疑で、委員会審議の内容をただす議員が7人にもなって、採決前に2時間以上の休憩となる異例な事態となりました。 日本共産党市議団は、シルバー人材センターは今まで、公共施設の古くなった建物を使用してきた経過からして、新しくすることについては反対するものではない。しかし、今回の土地購入についての経過説明が不十分であり、補正を組むほどの緊急性も認められない、行政の計画性・説明責任がかけていることを指摘して、委員会・本会議で反対討論を行いました。民主党(石井市議)保守3名(椙田・大久保・内沼市議)の8名の議員が反対しました。
多重債務相談32人
飯能清流道場交流会開く
多重債務の解決と救済の活動をすすめている飯能民主商工会・清流道場(道場長・箱田俊昭氏)の第6回目となる交流会が5日開催され、多くの会員と中央法律事務所の弁護士、事務局長が参加しました。党市議団から新井市議も参加しました。
清流道場は毎週水曜日に開催され、今年の開催数は43回、相談者は延べ269人にのぼっています。道場は多重債務などの相談を相談者、また解決した会員が集団で知恵を出し合い、弁護士などの助言も受けて自ら解決していくのが特徴です。 今年の解決状況は、不当利得返還請求(過払金請求)17人・49社、特定調停8人・15社、税金相談3人、住宅ローン相談2人、盗難相談1人となっています。
激励にかけつけた弁護士は、「飯能の清流道場は県下でも水準の高い活動をしている。今後も頑張ってほしい」と期待の声を寄せました。また、「最近、テレビやラジオ、チラシなどで債務整理などをうたい文句にした宣伝が多いが、べらぼうに高い報酬を請求するという問題が広がっている」と注意を呼びかけました。
相談者からも報告があり、「この道場は全てを受け止め、生活をどうしたら再建できるか親身になってアドバイスしてもらえることがすばらしい」
と話していました。
「新飯能」発行カンパのお願い
一年間、「しんぶん赤旗」と「新飯能」のご購読をいただきありがとうございます。お陰様で、新飯能は毎週発行し、1704号となりました。市民の立場で議会や地域のできごとを伝え、市政を変える重要な役割を果たしています。引き続き、ご購読をお願い致します。
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下水道料金を
値上げする根拠はない!
金子としえ市議の一般質問
金子 下水道料金の値上げ案が、10月に2回開催された「下水道審議会」で、ほとんどの委員がこの時期の値上げに難色を示し、市として来年4月の値上げを延期した。しかし、いつまでの延期なのかはっきりしない。
答 審議会では、下水道事業のきびしい現状や使用料改定の必要性についてはおおむね理解を得たと思っている。今後は、下水道事業の役割や現状などをPRしながら、庁内で見きわめていきたい。
下水道会計は健全だ
問 下水道会計がきびしいと言うが、市が出した資料でみると全く『健全会計』だ。借金の残高は確実に減っていて、それによって経費回収率も着実に伸びている。一般会計からの繰り出し金も増えていない。これは17年に実施した平均29・1%もの値上げが今も会計に反映していることを示している。現行料金でも県内市単独下水を実施している自治体で高い方から3番目という位置にあり、さらに値上げする理由は見あたらない。
答 しかし20年度決算では借金の残高は100億円近い状況で、汚水処理費の4割を一般会計繰入金にたよっている。下水道は利用できる人が限定されているため恩恵を受ける人が負担をするのが原則であるので使用料の適正化をはかることが求められる。
今まで通りの繰り入れで値上げは避けられる
問 一般会計繰入金はふえていない。今まで通り一般会計からの繰り入れをすれば値上げの必要はない。20年度の一般会計繰入金・約7億8千万円の内訳は、雨水処理など公費で負担する基準内繰り入れが2億6千万円。基準外繰り入れは約5億2千万円あるが、この中で目的税で徴収している都市計画税が2億8千万円あるので純粋な繰り入れは2億4千万円である。
答 どこに基準を置くかと言うことだと思う。基準外繰入金を入れていること自体が異常だと判断している。基準外を減らして行くことが必要だと考える。
問 その考え方はおかしい。飯能市の下水道会計は、会計処理を分かりやすく区分するために特別会計としているのであって、ましてや83000人の人口のうち実に63%が加入する下水道事業はまさに公益的事業といえる。そこに一般会計からの繰入金を入れて支援するのは当然ではないか。
答 特別会計も一般会計も健全に経営していくというのが我々の使命だ。一般会計からの繰り出しはこれ以上できない。下水を使っている人にもう少しお金を出してもらって、値上げをして一般会計からの支出を減らすという考えでのぞんでいきたい。
問 「第2次財政健全化計画」の一般会計からの繰り入れを減らす方針をガンとして変えないようだが、この計画の中にも『経済状況によって見直す』ということが明記されている。繰入金を削減して余裕財源を生み出すというよりは、今はしっかりと繰り入れを行って値上げを抑え市民生活を守る時ではないか。
名栗・原市場からの
通学バス代助成制度実現へ
新井たくみ市議の一般質問
新井 名栗・原市場からの通学補助について名栗村と合併直後から取りあげてきたがまだ実現に至っていない。先日、日本共産党の原市場・名栗支部と地域のお母さんたちが、バス代助成を求める1000名を超える要望署名を提出した。現在、飯能市としてどのように検討されているのか。
教育次長 保護者負担を減らし、教育を受けやすくすること、同時に、路線バスの維持と山間地域の人口減少に歯止めをかけるためにも高校生等の通学費を援助する制度を検討したい。
*実施の方向で検討していることを明らかにしました。
デマンド交通などで「足の確保」を
新井 地域福祉計画でも、街づくりの課題でも、要望の強いのが「足の確保」の問題だ。電車はあっても、バス路線がない地域、バス路線があっても本数が少なく、バス代が高い地域、またバス路線から離れている地域など巡回バスなどを望む声はおおい。私は、デマンド交通など事例を紹介し、各部横断的なプロジェクトを設けて検討して、4総の後期計画に位置づけてほしいと求めてきた。この間の議会答弁では、移動・交通問題プロジェクトチームで運営方法等の検討をしたいとしている。どのような規模、形態になるのか。どこが窓口になって調整するのか。23年度からの実施計画に位置づけるのか。
福祉部長 地域福祉課が所管する形で、「ふくしの森プラン」のなかで、推進していく。地域ごとの福祉懇談会等で意向を伺った上で、地域の特性にあったものを住民とともにすすめていく。目標年次は地域ごとに異なるが、地区別の懇談会のなかで、検討していきたい。
デマンド交通システムとは
●デマンド交通システムは、住民が希望する場所から目的地までの移動を低額で提供する新しい公共交通サービスです。高齢者などの交通弱者と呼ばれる方々に対する生活交通の確保・充実策として注目されています。商店街にとっても、店先から自宅への移動が可能で、安心して買い物ができるようになり、商店街の活性化にも役立っています。
●埼玉県内55の自治体でデマンド交通を含め、巡回バスやコミニティーバスを運行しています。
全国の補助制度事例
近隣の事例では、東京都檜原村で年間の補助金額は、「3ヶ月の通学定期乗車券購入代」の30%のバスカード11ヶ月分(ほぼ実費分)を補助。岡山県玉野市では定期代の6割補助。京都京丹後市では交通費の2分の1補助。京都和束町ではバス代定期代の3分の1補助など多くの自治体で、遠距離バス通学者への通学費補助を実施している。