新飯能1693
公立保育所の民営化
延期・凍結相次ぐ
小泉構造改革で保育所運営費の一般財源化や「民でできることは民で」という流れの中で、公立保育所の民営化が全国的に進められてきました。
しかし、06年に横浜市では民営化を急ぐあまり裁判になった例もあります。又民営化は保護者の反対が強いこと、子ども達への影響が大きいことなどから公立保育所の民営化を延期、凍結する自治体が相次いでいます。
次々見直しが
所沢市は今年6月、コスト削減に2011年度から順次3園を民営化する計画を延期することを明らかにしました。日野市でも公立として継続の方針を明らかにし、国立市は民営化を撤回。練馬区でも16年までに区立保育園の半分の20園を民営化する計画を4園実施したものの延期する方向です。
保護者会連合会が勉強会
飯能市は2010年度までに2ヶ所を民営化する計画でした。
2005年10月、情報をいち早くキャッチした保育所・園保護者会連合会が「知ってる?保育所民営化!?」をテーマに勉強会を行い、公共性を持った保育とは何だろう?民営化になれば利益を求める。それでは公共的ではない。問題を抱える親子をまるごと受け入れてくれる保育所こそ求められていて、保育の質の向上を図ることの方が先ではないか」など活発な意見交換が行われました。
日本共産党市議団は、公立保育所の民営化は、保育コスト削減が目的であり、保育の質を低下させる要因となることから、民営化より今こそ公的責任を果たすべきであるという立場で議会で何度も取りあげてきました。
市は庁内検討委員会を設置し2012年度に山手町用地に建設予定の総合保育施設を民営化したいとしています。全国の動向を踏まえて飯能市としても次代を担うこどもたちを、落ちついた環境の中で大切に育てる為に民営化の方針を見直すべきではないでしょうか。
ブルーインパルスの飛行中止を
滝沢市議らが申し入れ
9月28日、入間基地周辺の民主団体は、11月3日に開催される航空祭のブルーインパルスの飛行を中止するよう申し入れを行い、飯能からは、滝沢修議員が参加しました。 入間基地周辺の自治体には約100万人の市民が暮らしています。市街地の中心にある基地では毎日のように航空機の離発着訓練が行われ、市民は騒音と航空機事故の不安に悩まされています。10年前には航空自衛隊のT33A機が入間川の河川敷に墜落した事故を市民は忘れていません。その上、毎年行われるブルーインパルスの曲技飛行は、急降下、急上昇など飛行機の限界ともいえる飛行を繰り返し行うため、特に狭山市や入間市など基地に隣接する市民は恐怖を感じています。
この日の交渉では、万が一の時には市民の命を奪うブルーインパルスの曲技飛行は人口が密集している入間基地では行わないよう求めました。また、日常繰り返されている訓練飛行も中止をするよう強く求めました。
市立病院を廃止し、指定管理者制度の導入で
飯能市東吾野医療敬語センターに
必要な医療サービスを
市の責任で提供する姿勢がない
9月市議会に、市立病院を廃止し、介護老健施設併設の19床診療所として民間病院に委託(公設民営)する条例案が、日本共産党の4名を除く賛成多数で可決されました。なぜ日本共産党は反対したのか、その問題点などについて報告します。
コンセンサス(合意)が得られたとは言えない
住民には2回の説明会だけで、雇用問題があるのに職員組合とも話し合いが始まったばかりです。非常勤職員や委託業者、調剤薬局など関連するところには正式な話すらしていないのが現状です。このような中で、9月議会で市立病院を廃止して、指定管理者制度導入(民営化)を決めるのは異常な事態で無理があります。
当直医を置くかどうかわからない
理由は「金がかかる」
診療所と老健施設は基準が緩和されているため、医師・看護師は兼務で、職員配置が明確ではありません。夜間の当直医師を置くかどうかを聞くと、当直医を置くと「指定管理料=金」が高くなるから靖和病院と協議中だというのです。これで安心して入院できる施設と言えるでしょうか。
診療科目はどうなる
内科でも糖尿病など専門外来が今まで通りやれるのかも明らかにされませんでした。
患者の送迎は?
送迎については、通所リハビリについては実施の方向で協議中ということですが、一般患者の送迎が必要です。市としてやる気があるのかどうかも、答弁がありませんでした。
●民営化で患者負担は高くなる!?
現行の健康診断書1050円、死亡診断書2100円などの各種診断書類は、上限を1万5千円と定めたので相当引き上がる可能性があります。入院保証金などがどうなるかは明らかにされませんでした。
配置転換可能な職員以外は解雇に
医師・看護師など医療職の職員は、南高麗、名栗診療所、訪問看護師と配置転換になる職員以外は全員解雇になります。こんな重要なことがわずか半年後に迫っているのです。 職員との合意もないまま、議会が先行して強行するようなことがあってはなりません。
日本共産党の反対討論の要旨
病院の歴史の重み
まず第一に、市立病院の歴史です。昭和23年という戦後の一番大変な時期に、村立診療所をつくろうとした先人達の気概はすばらしいものでした。しかし、不幸にも、たった10ヶ月で火災で全焼してしまったのです。ところがここで凄いのは、その1年後に住民の力で20床の病院として再建をしました。通常では規模を縮小するところ、診療所ではなくて病院として再出発した地域医療への熱い思いが伝わってきます。この歴史を踏まえて、現在の市立病院が建設されたのです。地域住民の誇りと病院の歴史の重みを感じて欲しいと思います。
国の責任は重大
2点目は、自治体病院の経営悪化の要因はなにかということです。1つは、10年来の診療報酬の連続した引き下げ、2つは、医師数抑制による医師不足、3つは、地方交付税削減による地方財政危機が上げられます。このことで、飯能市立病院だけでなく全国8割以上の自治体病院が赤字に苦しんでいます。同時に、民間病院の倒産が、今年1~7月期で昨年1年間を上回っているように深刻な事態が進んでいます。こうした国の責任を棚に上げて、全国の自治体に自治体病院の改革ガイドラインを押しつけ、リストラを迫っていることは許せません。国の医療構造改革をはじめ、自治体リストラ押しつけに批判の声を上げることこそ求められます。
市の努力不足明らか
3点目に、これまですすめてきた市立病院の経営改革の不十分さの問題です。平成14年に自治体病院協議会の経営診断が実施され、改善案が出され、経営改善にあたってきました。しかし、市長、病院・職員あげて経営改革に取り組んできたとは思えません。また、医師確保についても、あらゆる手だてを尽くしてきたとは思えません。そのことは、実際に働いてきた医師や看護師など多くの職員の証言からも明らかです。
コンセンサス(合意)が得られていない
最後に、コンセンサスの問題です。半世紀以上営々と築いてきた公立病院を廃止し、また民営化するには、相当の準備期間と市民、職員等のコンセンサスを得ることが必要です。今回出された、19床の診療所と介護老人保健施設への転換という改革案は、懇談会でも有識者会議でも、全く議論がありませんでした。
今年2月に、埼玉医大との指定管理者の協議が不調に終わったことが議会に報告されて以降、わずか2ヶ月で靖和会への指定管理者の協議が進んだ過程、老健施設への転換方針決定過程などが不透明です。
指定管理者制度導入にあたっても、靖和会への委託先にありきで、医療サービス内容はほとんどが協議中ということで、制度導入の是非が判断できるものではなく、認められるものではありません。
波紋(コラム)
「支配勢力が、つぶすつもりだった日本共産党は元気いっぱいで、延命させるつもりだった自民党政治の崩壊が始まった」。日本共産党創立87周年記念講演会で志位委員長はこう述べています▼なかでも93年の細川「非自民政権」から今日までの16年間は小選挙区制導入と一体の「二大政党」づくりとのたたかいの時期でした。それが今度の選挙でその土台である自民党政治そのものにノーの審判が下されたのです▼飯能ではどうだったのかなと思って記録をみてみると、「自民か民主か」の大キャンペーンが展開された03年の総選挙で党の得票は3161票、得票率9・12%、今回09年の総選挙では4096票、得票率9・43%になっています。強風や突風が吹き荒れても、地域で営々としてがんばってきたことが、全国で500万票に迫る得票で、地歩を維持する原動力になっているのかと思うと感慨もひとしおです。