新飯能1616
埼玉医大との連携強化が優先
有識者会議が提言まとめる
飯能市立病院の在り方を検討している有識者会議の第5回会議(最終)が26日開催されました。
この日は、事務局がまとめた提言書案を議論しました。
事務局案は、「飯能市立病院の経営は、継続して安定的に医師が確保できる大学病院などの医療機関に委ねる。・・・50床のうち、20床程度は地域の患者を優先し、残りの30床程度は後方支援機能として活用することで経営改善を図り、・・また、経営を委ねることができない場合は、無床診療所とする」というものです。
石橋委員から、「経営を委ねるとは、指定管理者制度の導入と明記した方がよい」という意見がありましたが、小野委員は、「指定管理者でうまくいったところはどこにもない。果たして医大が受けるのかどうか」と質問。国際医療センターの佐藤委員は、「私のところ(埼玉医大)は、医師を派遣し、病床が足りないところを市立病院にお願いしたいということで、経営まではとても考えていない」ときっぱり。
また、石橋委員は「指定管理料を一億とか、一億三千万円出せば検討できるのでは・・・」などと制度導入には多額の管理料が必要になるとの考えを示しました。
結局、「医師派遣を埼玉医大にお願いし、病床利用率を高めるために努力が必要だ」と、「医大との連携強化が優先」との考えが強調されました。
無床診療所という声はなかった
同時に、「できない場合は、無床診療所とする」というまとめについては、「そんな意見を出した覚えはない」「無床にするという安易な方向が選択肢にしてあると真剣な検討ができないのではないか」などの意見が多く出されました。
しかし、事務局は、「無床診療所も選択肢として考えられる」という有識者の議論と異なる内容を押し付けました。
市民の要望を生かした計画を
市は有識者会議の提言を受けて、20年度に経営改革プランを作成していくことにしていますが、19年度実施した住民懇談会や2万2千人を超える署名で住民が強く求めている「入院ベッドの存続と病院の充実」という声に応えた計画にしていくことが必要です。
有識者会議は、若干の問題点を残しましたが、医師を確保し、経営を改善していくために、「市はもっと汗をかくべきだ」と経営改善を求めるものになりました。
美杉台にあさひ山展望公園を整備
25日、都市計画審議会が開かれ、都市計画公園の変更や飯能市都市計画マスタープランの見直し作業の経過について報告がありました。
都市公園の変更は、もともと、美杉台地区の緑地と南台第二地区の近隣公園として整備する事になっていたものを、(仮称)「あさひ山展望公園」として、改めて都市公園の指定をして一体の整備を行うものです。予定地は美杉台中学校西側の約3.6haで小高い丘になっており、頂上付近にあずま屋が設けられる計画となっています。21~22年度の2年間で、国と都市再生機構がそれぞれ2分の1の費用負担で整備します。同所は大変見晴らしが良く、遠くまで眺望できるので展望を生かした公園の整備を進めて行きたいとしています。 また、飯能市の都市計画マスタープランは都市計画区域外も含めた行政区全体を対象としている事が特徴ですが、今後20年間を見据えた計画が策定中となっています。
原市場・名栗も要建築確認地域に
また、県の指導で原市場、名栗地区では20年度から建築確認が必要になることも報告されました。この事により、同地区はこれまで木造2階建ての住宅など小規模な建築物については、建築確認申請が不要でしたが、10月1日以降は、建築主事等に確認申請を行い、確認済証を受けた後に工事に着手する必要になります。この事により道路と敷地の関係規定が適用され、敷地は道路に2m以上接していなければ、建物が建築できないなどの制限や建物の容積率、建ぺい率の適用を受ける事になります。
さわらびの湯
指定管理者制度導入の教訓と今後の課題は?
金子としえ市議の一般質問
金子 「さわらびの湯」指定管理者制度の導入では、昨年12月議会に全国展開する民間の事業所に選定したいとして議会に提案された。
地元の関係者も、私たち議会側も、予想外の展開にとまどったというのが正直なところではないか。この業者は、実績を蓄積した事業内容で、委託料は取らない、市へは3年間で1200万円納付するとしたのだからたまらない。市も、選定基準の中の納付金の額に高い評価を与え、ここに相当の期待をもって臨んだことになる。しかし、突然の民間企業の参入で、経営改善はできたけれども、地域のコミュニテイがうまくいかない。このような事例が全国で起きている。
今回の問題を振り返って、飯能市の「指定管理者制度導入にかかる基本方針」では、「公の施設」の管理運営業務の選定を「原則公募」としているが、「原則公募」が強調されるあまり、保護規定が弱い。すべて市場の競争にさらしていいとは限らない。今後、新たに指定管理者制度を導入しようとする施設(運動施設、市民会館、あけぼの子どもの森公園)、すでに導入して再指定する施設(農産物加工直売所、カヌー工房、総合福祉センター、美杉台児童館、老人ホーム敬愛園など)について、市の基本的な考えを聞きたい。
市の要望をいち早く公表する
総合政策部長:施設の設置目的や機能などを十分に考慮し、発注者側である市がどのような指定管理者を求め、何を期待するのかについて、事前にその意志を明確に示し市民的理解を得た上で、最もふさわしい候補者を応募選定していきたい。選定委員会には学識経験者を加え、審査基準は積極的に公表する。また、地元業者育成も十分考慮しながら慎重に検討していきたい。
保護規定の明確化を
金子 そうは言っても市の基本的な考えは「原則公募」である。「基本方針」では、施設の特性を考慮して市が独自の判断をするという、言ってみれば「保護規定」の位置付けが弱い。もっと明確に位置づけるべきではないか。
総合政策部長 他市町村では、現指定管理者の実績等を評価し、施設の設置目的を効果的・効率的に達成できるなどの場合において、再指定することができるとしている事例もあるが、本市においても、施設の性格や設置目的、業務の特性、政策的見地等から、施設を一件ごとに慎重に検討していきたい。
「基本方針」には確かに「原則公募」と書いてあるが、①地域密着型施設でその管理を地域の団体に特定する合理的理由がある場合。②業務の特殊性等によりその施設の適正な管理運営ができる団体の公募が困難な場合。この場合には、非公募にすることができる。としている。
金子 実際の運用できちんと保護規定が生きるよう見直しする必要があると思うが。
総合政策部長 十分に慎重に検討していきたい。
市立病院
住民の声を生かした改革プランに
新井たくみ市議の一般質問
新井 「国が各自治体に20年度中に「病院改革プラン」の策定を求める通知を出した。しかし、「現状維持とする計画になっても支障はない」と言っている。飯能市の実状にあった独自の計画でよいということだ。住民懇談会などでも入院の必要性が強調されていた。市は、それらをどのように受け止め、改革プランを作成しようと考えているか。
野口調整監 国が示したものなので、ガイドラインに沿ったプランを作成していかなければならないと考えている。有識者会議の提言が出された後に、地域の要望も踏まえて検討していく。新井 有識者会議の議論のなかで、「経営を委ねる」と言う意見は、指定管理者制度の導入とも考えられるが、うまくいっている事例は少ないようだ。京都の舞鶴市民病院は一般病床200床程度の規模で、地域医療を守る中核的な病院だった。指定管理者制度導入を決めたが、予定していた病院が医師確保などが困難なことから、指定管理者制度移行直前に辞退、撤退したことから、外来診療のみを細々と続ける結果になってしまったという。この事例が示すように、指定管理者制度は直営に比べ、安定性を欠き、危険だと思うがその辺の研究はしているか。
野口調整監は、「提言がでたらしっかり検討していく」と答弁しました。
給食室統合圧倒的に反対の声
新井 小規模校の給食室統廃合問題について、対象校で4ヶ所の説明会を行ったが、批判や不安の声が多く出された。『これまでと同程度の給食が確保される』ことを前提にしていたが、調理員さんや栄養士さんはとても無理だといっている。これが確保できなかった場合、どうなるのか。多くの批判や疑問に答えきれているとは言えないが、理解がなくても強行するのか。
山川参事は、「反対もあったが課題を提起されたと受け止めているので解決に当たっていけるよう努力していく。予算化されたら担当者会議、学校便り等で各家庭に知らせる」などと答弁しました。
正規調理員の計画的採用を
新井市議は、「民間委託の場合、質は低下し、コストは決して安くならない。その上、法的な問題も指摘されている。しかし、集中改革プランで22年度末までに62名削減する計画だ。民間委託はまだ白紙だといっても退職者不補充では、行き着く先は民間委託だ。今、計画的な採用計画を打ち出さなければなし崩し的に委託になる」と指摘しました。
波紋(コラム)
いい日です。昨夜の雨が木々の梢の先まで、しっとりした感じでつつんでいます。桜もちらほら咲き始めています。去年道端に植えたスミレも小さな花を咲かせています。スミレの小道にするんだと意気込んで植えたものの、大半のスミレはどこかに消えてしまいました。世の中そう簡単にはゆかないんだということを痛感しています▼春に背いてというか、暗いニュースが続きます。「誰でもいいから、人を殺したかった」と。でもそれを実行してしまうなどということが許されていいはずがありません。それも連続して。そこに病んでいる社会の匂いを感じてしまうのは私だけでしょうか▼飯能市の保育所の保育士は50%が非正規だといいます。非正規保育士だけで三歳未満児の保育にあたるのがあたりまえになっているというのです。非正規保育士が悪いわけではありません。問題なのは経費削減のコスト論を子育てにまで持ち込んでいる市の姿勢です。子どもから大人まで、人間を人間扱いしない社会の歪みが事件の背景にあるというのはいいすぎでしょうか。