新飯能1604号
市立名栗幼稚園
教育にコスト論持ち込み
授業料が64%の大幅引き上げに
12月議会に提出されていた飯能市立名栗幼稚園の授業料値上げの条例案が、日本共産党以外の保守、公明、民主の賛成多数で可決されました。
市立名栗幼稚園は、山間地の子どもたちの発達や教育を保障する場として旧名栗村が幼稚園を設置、現在、4~6歳までの児童49人が通う幼稚園で、現行の授業料は5500円です。
17年の合併協議会の確認事項で「現行どおりとする」と確認されています。国は合併にあたって、財政的な優遇措置をしていることから5年間の特例期間を設け、税や使用料などの大幅な値上げなどは避けるよう指導してきました。しかし、わずか3年で、しかも64%もの大幅な引き上げで、9000円にすることは問題です。
根拠といえない根拠
学校教育課山川参事は、「近隣市の公立幼稚園と比較して、経常経費に占める授業料の割合などを参考に算出し、狭山市16・11%、入間市12・39%、平均が14・91%だから飯能市の13・86%は妥当である」と説明していますが、狭山市、入間市の授業料は8000円で、それより1000円も高くなります。
「50人の児童数で算出した」といいますが、このコスト論でいくと、児童数が減少すれば、さらに引き上げることになります。
教育現場にコスト論を持ち込み授業料を決めることは、絶対に認められるものではありません。
厚生常任委員会の審査で山田利子議員は、「狭山・入間市の授業料と比べても高い。山間地の幼稚園である点でも配慮すべきではないか」
金子敏江議員は「合併協議会の確認事項の『現行どおりとする』となっている点からしても3年で値上げするのは問題。住民感情からしても引きあげるべきではない」と指摘しました。
子育て支援に逆行
本会議で反対討論に立った山田市議は、「一気に64%もの大幅値上げになること、教育にコスト論を持ち込む不当なものであること、合併協議会の確認事項を踏みにじるものであること、国の規定もなく自治体の裁量に任されているなかで、子育て支援、山間地振興に逆行するものである」ことを厳しく指摘しました。
なぜこの時期に
ある保護者からは、「なぜ負担増が重なるこの時期に引き上げるのか。一気に引き上げるのではなく段階的にしてほしい」などの切実な声が聞かれました。
12月市議会の一般会計補正予算で、年金相談事業が予算化されました。1月21日から毎週月曜日の午後、予約制で一日4人程度を見込んでいます。
飯能市独自の
年金相談事業を予算化
年金問題では、消えた年金が大きな問題になっていた6月市議会で、金子としえ市議が一般質問で取り上げ、「県内で初めて志木市が市役所窓口で受け付けた書類を市職員が社会保険事務所まで出向いて提出することで手続を代行して実施している。代行業務と合わせて市民の不安を解消するために、市として相談窓口を設置してほしい」と求めました。
沢辺市長は、「どんなようにやっているのか、視察をさせていただきたいと思っている」と答弁。市長自ら担当者とともに志木市を視察し、今回の予算化になったということです。
自治体独自の年金相談事業は、志木市に続いて、県下で2番目ということです。
相談日は、毎週月曜日午後1~5時まで。1人50分程度、予約制です。
波紋(コラム)
「水増し」を辞書で調べてみました。「水を加えて量を増やすこと。-水増し酒-」とありました。「おーいこの酒水っぽいぞ」というお客さんの声が聞こえてきそうです。でも酔っ払っちゃったらどうでしょう。それを証明することはよほど難しいことです▼ところで防衛省の兵器価格水増しは「水増し酒」の比ではありません。兵器の値段など国民にはわかりはしないとばかりに、軍需企業のいい値で発注して、これが軍事利権の温床になっているのです。戦闘用ヘリをギリシャよりはるかに高い八十三億円で購入し、さらに一機ごとに百三十三億円も上乗せするとか、沖縄海兵隊グアム移転で米軍家族住宅三千五百戸の建設費は一戸当たり八千万円、総額で約二千八百億円。これもアメリカいいなりの値段という異常さです▼くだんのお客さんもこれには首をかしげていました。山田洋行の事件をきっかけにして、年間五兆円もの軍事費にメスをという声が着実にひろがっているように感じました。来年はその声をもっと大きくしたいものです。
保育所・児童クラブ
障害児加算は実態に見合う補助額に
山田とし子市議の一般質問
山田市議は子どもたちの成長発達を保障するために子育て環境の整備、充実を求めて質問しました。
公立保育所の臨時保育士の処遇改善については既に掲載しました。
山田 すぎのこ保育園や児童クラブでは重度の障害を持つ児童を積極的にうけいれ、一人一人の成長発達を保障するために日々努力している。障害児の成長発達をうながす力は、周りにいる子どもたちや、指導員の働きかけが大きい。必要なときに働きかけられる体制を整えるのが福祉である。しかし、加算額は短時間のみであり、必要な配置ができないのが実態で、それぞれにかなりの負担を余儀なくされている。是非、現状をよく把握して実情にあった補助金にすべきではないか?。
福祉部長 現在の運営費の中で対応してほしい。財政状況からこれ以上の上乗せは困難である。
退職不補充を改め 正規保育士の採用を
山田 飯能市は行政改革による退職不補充で保育士の削減を図り、臨時保育士の比率をどんどん高くしている。飯能市の状況は担任を持つ保育士は102名、(所長、主任は別)正規保育士が52名、臨時保育士が50名。1人担任が6クラスで6人、臨時同士で担任するクラスが6クラス12人、合計18名、特に3歳児までの複数担任が臨時の配置です。コスト削減が第一で安く使うことに抵抗がない、効率一辺倒の姿勢は自治体として行うべきではない。非正規職員を増やすということは、正規職員の負担を重くすることでもあり、それがより良い保育につながってゆくとは思えない。正規の保育士を増やすべきではないか。
福祉部長 職員適正化計画に沿ってすすめている。22年までは採用は考えていない。
児童にもインフルエンザ予防接種を
山田 厚生労働省は例年より1ヶ月早くインフルエンザの流行を発表した。1987年以降20年間で最も早い開始。特に10歳未満の児童が多く、早めの予防接種を呼びかけている。また、休校や学級閉鎖をした保育園、幼稚園、小学校、中学校が急増している。
インフルエンザによる高熱等により子どもや高齢者の重症化、集団感染を防ぐためにも、高額の接種料金に補助をと思うが。
福祉部調整監 幼児は対象外であり県内にもなく、市としては検討していない、考えていない。
社会保障財源は消費税増税しかない?
山田 テレビや新聞報道が「社会保障財源は消費税増税しかない」という世論誘導をしている。これはまやかしで、社会保障費だけが増え続けるのではなく、世界でも異常な軍事費や公共事業費も2から3%伸び続けること。また、法人税や所得税などはそのままで消費税だけを増税し国民に押し付けること。さらに、消費税は収入の少ない人ほど負担が重い福祉破壊税である。
19年前の消費税導入の時も、3%から5%にする時も「福祉のため、社会保障のため」といって増税してきた。しかし、福祉は良くなるどころか、医療も介護も年金も改悪に次ぐ改悪がすすめられてきた。消費税が導入されてからの消費税の税収は188兆円。一方では、バブル期より大もうけしている大企業などには160兆円の減税となっている。
庶民から取りあげて大企業や大金持ちにまわす。さらに、定率減税の廃止、各種控除の廃止等で、国民には大増税と負担増が押しつけられた。あまりにも身勝手すぎる。こんな逆立ち政治で良いのか?市長の見解を聞きたい。
市長 消費税は確かに払う人には負担感がある。しかし、制度が存続をするためのもので、消費税増税もひとつの財源という国の意向を受けて考えていく。
「9条改憲許すな」
すいとん食べながら
反戦・平和の懇談会
去る12月8日、太平洋戦争開戦から66年目の節目の日、飯能市加治公民館において、奥むさし文化9条の会主催の「すいとんを食べる懇談会」が行われ、30名の市民が参加しました。
このつどいは、戦争中によく食べた「すいとん」を再現して、食べながら反戦と平和と「9条改悪を許すな」と語り合うものでした。
終戦時小学生だった方、兵役を6年間経験した方、全く戦争を知らない若者等、老若男女がつどい、「どんぐりを混ぜたひどいすいとんだった」「乗っていた船が沈没して40時間も海に浮いていた」「戦争の体験はないが子どもたちに平和を語っていきたい。こういうつどいにどんどん参加して勉強したい」などこもごも語り合いました。
佐藤 弘