新飯能1566号
「懇談会」の最終報告にしばられずに議論したい
第一回有識者会議が開かれる
飯能市立病院のあり方を検討する初めての有識者会議が3月15日に、市役所で開催されました。
この有識者会議のメンバーは、石橋賢治(株式会社槇コンサルタント)尾嵜新平(坂戸保健所長)小野正人(小鹿野町立病院長)小室舜一(飯能医師会長)佐藤健二(埼玉医大国際医療センター開設準備室長)長谷川敏彦(日本医科大学教授)山口壽秀(税理士)の七名で、これまでの「保健と福祉の将来を考える懇談会」と違って、医療関係者が多くなっています。会長には、飯能医師会長の小室舜一さんが就任しました。
ある委員会から、「『懇談会報告には、入院機能を縮小・廃止する』とあるが、この報告に縛られるものなのか」と質問があり、担当課長は、「名簿を見ていただくとわかるように、検討したのは医療の専門家ではなく、自由な意見ということで出してもらったもの」と答弁。会長は、「これは(懇談会報告)これとして、しっかり議論していきたい」と発言しました。
経営改善に何が必要なのか
多くの委員から、市立病院の病床利用率が低い原因や近隣病院への距離やベッド数など質問があり、レセプト請求や位置図などもっと詳しい資料の提供を求める声が多く出されました。また、「特化した病院」「介護の可能性」などの意見や「急性期と在宅の『つなぎの病院』という医療と保健のセンターという可能性は」などの意見も出されました。
ある委員からは、「30床の病院はぜひとも必要。どうにか残す可能性を探りたい。残りのスペースの活用で診療報酬も上がり、200万円くらいはすぐにでも増収になる」という指摘もありました。
医師確保は重要な課題
ある委員からは、「医師がいなければ患者が少ないのは当然。医師確保は最優先の課題だ」「医療の安全性から(病院の)2名体制は問題」との指摘もされ、医師の給与面などの問題点にもふれられました。
また、「病院を早くみたい。次回は病院で会議を開きましょう」ということになりました。
会長は、「やりようによってはすばらしい医療になる可能性もあるのではないか」と会議を締めくくりました。
傍聴者からは、「こういう議論をもっと早く聞きたかった」と感想がだされました。
大河原に3000トンの配水施設
過剰投資が将来の市民負担に
19~20年事業で、大河原第二配水池の築造(8億6000万円の継続費)が予算化されました。
この事業は、美杉台8000人、第二南台4000人、大河原民有地分2000人、大河原大街区の企業参入分として、当初開発人口2万人分を見込んでの築造です。
大街区6000人の住宅開発は見直しされたために、「業務系、教育系、スポーツ・レクリエーション系企業が参入すると見込み、77ヘクタールの4割(31ヘクタール)に㎡あたり、11・5リットルと試算、全体で日量3000トンを割り出した」としていますが、第二南台・大河原民有地分の開発人口が平成24年に100%、大街区の企業参入は平成26年に参入する計画で、全く見通しはありません。
委員会答弁では、「建設費は飯能市が建て替えるが、都市再生機構が全額払う。事務費も6%出される。稼働しなければ維持費はかからない」などと答えていますが、全く見通しのない計画で過剰投資です。減価償却費は当然、料金見直しのときの料金算定に入ってきます。将来の市民負担につながるもので、認められるものではありません。
国保 無保険者を生み出すな
金子としえ市議の一般質問
問 労働法制の規制緩和によって生み出されている「派遣」などの低賃金労働者、特に若者の不安定雇用の待遇改善に市としても取り組む必要がある。そのための実態調査を行うよう求める。さらに当面、非正規社員の全体的な底上げをはかるために、最低賃金の引き上げを自治体として、声をあげるべきと思うが。
答 実態調査については考えていないが、都心回帰現象もあり若い人たちを呼び戻すという施策は大変重要だという認識は持っている。最低賃金の引き上げについては、必要性があれば飯能市の実態と合わせて意見を具申したい。
問 市が直接雇用する臨時職員の中で、正規職員と全く同じ時間で同じ仕事をしている臨時職員(保育士、給食調理員)には、一時金を支給するよう求める。県下でも大半の自治体が実施しているのに飯能市はいつになったら実施するのか。
答 長期的には分からないが今の飯能市のおかれた状況では考えていない。
問 飯能市は一昨年から、産業振興、雇用機会の拡大を目的に「企業誘致」に取り組んできた。企業立地奨励金は固定資産税課税額の二分の一を、雇用促進奨励金は10人以上雇用した場合、一年以上継続で対象とし一人10万円で500万円が限度。各3年間実施。せっかく補助金として市民の税金を投入するわけだから、雇用については「正規雇用」を明確化してもよいのではないか。
答 市が企業の雇用形態に条件をつけて誘致を図るとなると、企業が飯能市に進出しにくい条件ができてしまうように思う。できるだけ正規の職員でお願いしたいということは現実に言っている。企業の方針もあるので、臨時であっても多様な雇用形態があっていいのではないかと思っている。
問 高すぎる国民健康保険税、払いたくても高すぎて払えない。これが市民の実感。加入者の所得も落ちていて、17年度は前年度と比べて、所得200万円以下の世帯が714世帯もふえている。中でも33万円以下の世帯が297世帯もふえている。滞納対策として、「短期保険証」や全額自己負担の「資格証明書」の発行を義務付けたために全国では治療が手遅れになり死亡した人もでている。(飯能市では、短期6ヶ月186世帯、短期3ヶ月255世帯、無保険403世帯、資格証明書14世帯)保険証を盾にした滞納対策など止めるべきだ。はっきりした「効果」はあるのか。また分納の相談も、以前は払える金額でいいということだったが、今は、「現年度の納付額を納め、滞納となった額に一歩踏み込むように」という窓口での対応がされているようだ。ここがキツイから結局、無保険者になってしまう。もっと柔軟な対応を図るよう求める。
答 収納率の増が短期証や資格書の発行による「効果」かどうかは定かではない。資格書の発行については、市独自の抽出基準をもって対応している。あるのに払わないのか、本当に払えないのかをきっちり見極めた上で対応している。分納については、これ以上国保の滞納額を増やしてはいけないという観点から、現年度分から収めてもらっている。どうしても無理な場合は収税課か保険年金課の窓口にきてもらいたい。
「全国一斉学力テスト」実施するが結果は公表せず
新婦人・要請書で教育長と懇談
新日本婦人の会飯能支部(本多芙美枝支部長)は20日、西澤榮一教育長に二つの要請書を提出し、懇談しました。小学生や中学生の子どもを持つお母さん達も参加しました。山田利子、金子敏江市議も同席しました。
一つは、『日の丸・君が代』についてですが、野崎道子さんは「この問題ではさまざまな意見があるので学校行事には強制しないでほしい。特に昨年末には、慎重審議を求める声がありながら教育基本法が改悪され、「愛国心」の押し付けや、教育への国家の介入、競争と子どもをふりわける教育をいっそう強めようとしています。これによって「日の丸・君が代」の強制がさらに強まることも考えられるので、校長先生はじめ先生方のご苦労も多く、心労も耐えないかと思いますが、改めて慎重な御配慮をお願いしたい」と述べ、要請書の①卒業式、入学式は子どもを主人公とした行事にすること。②子どもと教職員の内心の自由を守り、「日の丸・君が代」の強制はしないこと。について懇談しました。教育長は、「自分の国の国歌を自ら堂々と歌えるようにするのが望ましいのでは・・」と語りました。
競争と格差持ち込む
二つ目には、四月に実施される「全国一斉学力テスト」の問題で懇談しました。
これを実施することでいっそうの「競争と格差」を持ち込むのではないか。しかも、ベネッセコーポレーションとNTTデータという民間企業が、個々の子どもの成績から家庭の状況まですべてのデータを管理する個人情報保護の点からも重大な問題を含んでいます。
そこで①一斉学力テストに参加しないでください。②参加する場合でも結果を公表しないでください。③個人情報との関係で解答用紙に氏名の記入をやめさせてください。というもの。これに対して教育長は、「学力テストはどの子がどこでつまづいているのかをみて学習に生かしてゆきたい。そのために学校には結果を返していくが、一般的に公表することは考えていない」とのべました。
体験を語り継ごう
平和を願う集いに参加して
エッセイストでアニメ映画「あした元気にな~れ!」の原作者・海老名香代子さんがよびかけて建てた東京・上野の「慰霊碑・哀しみの東京大空襲」と「母子像・時忘れじの塔」で九日、東京大空襲の犠牲者を偲び、3周年の記念式典が慰霊碑と母子像の前で開催されました。
映画サークルダーちゃんの会では、「あした元気にな~れ!」の2005年上映と母子像見学ツアーの縁で海老名さんから招待を受け、二名が参加しました。
式典は、のべ1000人以上が集まり、林明日香さんの献歌や高校生の吹奏楽の演奏や若者の朗読など「体験者と一緒に戦争を繰り返さない国」への気持ちが一つとなった式典でした。 中山在住 佐藤 弘
波紋(コラム)
選挙前のポスターのはられていない公営掲示板はどこかのどかな感じが漂っています。22日に東京・北海道など13都道県知事選挙の告示されたのを皮切りに、いっせい地方選挙が幕を開けます。30日に告示される埼玉県議選挙で日本共産党は八議席以上の議席獲得を目標に全力をあげています▼今度の選挙ではみんなで悪政をすすめている「オール与党」に厳しい審判を下さなければなりません。20日の演説会で志位委員長は「オール与党」にないのはお金ではありません。「福祉の心」です。共産党をのばして埼玉県政に「福祉の心」をとりもどそうと訴えました。8議席以上には所沢のやぎした礼子さんの議席回復がどうしても必要です。自民、公明、民主の「オール与党」に負けるわけにはいきません▼「オール与党」問題では日本共産党の植木広報部長の『週間金曜日』「政治時評」への反論はいわれている都知事選での石原氏、浅野氏の「対立」が「都民の批判が厳しくなるなかで『オール与党』が二つに割れただけ」と明快です。