1829号
奥武蔵あじさい館を民間に売却
県方針を飯能市に報告
埼玉県は、奥武蔵あじさい館を民間に売却する方向で準備に入っていることが、3日開かれた議会全員協議会に報告されました。
報告によると埼玉県は、県が宿泊施設をもつ理由がなくなったとして、①奥武蔵あじさい館を廃止し、民間に売却する②宿泊機能を継続し、地元雇用への配慮を条件とする③譲渡時期は平成25年度の可能な限り早い時期とする④9月県議会であじさい館条例を廃止する条例案を提出する⑤条例案可決後売却のための入札手続きを開始するというものです。
高齢者、障害者等福祉目的のもの
県は、高齢者、障害者、母子家庭などのレク、休養施設として平成8年4月にオープン。
本館棟1棟、ログハウス3棟、ふれあい工房などを備え、125人の宿泊が可能です。手軽な料金で利用でき、県下全域からの利用がある施設です。
福祉目的の施設ですから、県が指定管理料を年間6000万円程度支出しています。
飯能市は誘致に12億円もの財政負担
飯能市は、「福祉施設としての位置付けで設置された施設が、オープンからわずか8年後の平成16年には県が宿泊施設を設置する必要性に乏しいことを理由に民間に譲渡すべきという方針に至ったことは誠に残念」とした上で、①この施設を建設するにあたって、寄付金3億円、橋の架け替え8000万円、水道施設整備費に8億3000万円、総額12億円もの財政負担をしていることから、応分の考慮をすること②9月県会前に地元説明会を開催すること③地元雇用確保の具体策を説明することを要望していく考えであることを明らかにしました。
また、飯能市が施設を引き受けることについて打診があったが、多額の修繕費等が予想されることから譲り受ける考えがないことを明らかにしました。
今後、県の誠実な対応が求められます。
地方からも民主党の崩壊続く
石井市議が民主党を離党
3年前の市議会議員選挙で民主党公認で、2849票を獲得して一位当選を果たした石井けんすけ市議が、民主党を離党し無所属会派になったことが、3日開かれた各派代表者会議に報告されました。
石井市議は、5月中旬に離党を申請していましたが6月30日に受理され、7月2日に会派解散届を議長に提出したものです。
石井議員は、小沢一郎氏の分裂騒動とは別で、以前から離党をほのめかしていました。
民主党ブームに乗って地方議会に進出したものの、落ち目となると離党が相次ぎ、国政でも、地方議会でも民主党への期待は完全に失われています。
国際興業バス回答
「26年度以降も引き続き継続」
飯能市は、赤字の補てん(6300万円)をして、「26年度以降も国際興業バスに市内運行を継続してほしい」旨の要請をしていましたが、このほど正式な回答があったことが、3日に開かれた議会全員協議会に報告されました。
回答によると、「提示した条件で26年度以降も継続して運行を行う。その場合、3年ごとの更新として、協定書を交わしていく」というものです。
このことで、28年度までの5年間は現行の運行が維持できることになりますが、総合的な公共交通計画の検討が求められます。
「僕に仕事をください」と青年の切実な声
自治体キャラバンで飯能市と懇談
毎年、この時期に行なわれている自治体要請キャラバンは、6月26日~7月10日までの8日間、埼玉県内63市町村を32コースに分けて各自治体と懇談しています。
飯能市は6月29日に行なわれ、地域福祉課、保険年金課、医療管理課、介護福祉課、障害福祉課、こども家庭課、生活福祉課の職員が対応しました。
事前に社会保障の充実を求めるための「アンケート」や要望書を提出しており、それに基づき回答を聞いた後、項目ごとに懇談しました。
参加者は「市の回答を聞いていると、どれもダメ、できないといわれ、何も言えないが、自分は6ヶ所も医者にかかっている。年金だけでは大変で、国保税を引き下げてほしい」また、障害者施設に通所している方は、「年金は不支給で、車関係の仕事を体験し、気に入ったが就職できなかった。飯能市の公用車の洗車の仕事をさせてください」。ケアホームを週4日利用している方は、「一ヶ月47000円かかって、給料では足りない。僕に仕事をください」「仲間が家庭の事情でケアホームに入りたいけどお金がなくて入れない、年金がほしいと言っています。入れるようにしてください」など、メモしてきた紙をしっかり読みながら必死に訴えていました。
内容は次の通りです。
【医療について】
「払いきれない国保税」の現状を改善するため、国保税を引き下げてほしい。
【介護について】
介護保険制度の改定、保険料の値上げが行なわれたが必要な人が利用できるように内容や相談窓口の周知を徹底してください。
【障害者福祉について】
○市町村単独事業は継続・充実を。生活支援事業は原則無料に。
【子育て・保育について】
○保育所や家庭保育室への財政支援を拡充してください。
○子どもの医療費は入院・通院ともに高校3年生まで拡大をしてください。
【生活保護について】
各地で孤立死、餓死の事件が起きています。二度と同じことが起きないようにするためにも制度の周知や手立てが必要です。見守りやネットワークをつくってください。
埼玉県防災ヘリ、ドクターヘリへ
西部広域消防本部から救急現場へ
県は、日中はドクターヘリ専用機、早朝・夜間は防災ヘリの活用で、ドクターヘリ24時間体制を整備していました。
しかし、平成22年の秩父の山岳救助活動中に発生した防災ヘリの事故で、早朝・夜間のドクターヘリ事業は、休止したままとなっていました。しかし、ドクターヘリは、医師や看護師がヘリコプターに搭乗して救急現場に向かい、早期に治療を開始できるため、脳卒中や心筋梗塞、多発外傷などの救急患者の救命率向上と後遺症の軽減に大きく貢献しており、県は再開に向けて、医療機関、消防機関や埼玉県防災航空センターと協議を重ねてきました。
再開に向けて、 飯能市の埼玉西部広域消防本部のヘリポートを利用します。 実施時間は、当面日没30分前から午後10時まで、及び午前5時から午前8時30分までとしています。
今年秋から運行開始予定
運行方法は、消防本部からの出動要請を受け、埼玉県防災航空センターから、埼玉西部広域消防本部に来て埼玉医科大学国際医療センターの医療スタッフを搭乗させ、救急現場(夜間照明設備のあるヘリポート)に向かいます。現場で救急治療を行った後、患者をヘリに収容し、患者の観察や治療を行いながら埼玉西部広域消防本部ヘリポートに向かい救急車で埼玉医科大学国際医療センターに搬送するなどの方法となります。
今後、夜間飛行訓練や協定書の調印などが行われ秋には運行が再開される予定です。
波紋(コラム)
高麗神社で初めて茅の輪くぐりをしました。説明には8の字周りを3回とありましたが、適当にということで、これで穢れを落として、夏の暑さにも負けず元気にがんばれるのだとか。つかの間の安堵です。高麗神社に来たのは高麗家住宅で、日韓交流「白磁のこころ展」を見るためです▼国の重文の高麗家住宅を見るのも初めて。広い庭にそれは小さな茅葺の家。白磁は、現代の作家のものだそうですが、白磁の淡い無言の輝きは高麗郡建郡1300年の長い歴史に思いを重ねているようにも見えました▼一隅だけ戸が開かれ、外の光とみどりが白磁を染めているところがありました。外に出てみると、庭には紫陽花も咲いていて、白磁と紫陽花、ともに秘めた思いがあるようでどことなく似ている感じがします。原発再稼働に反対する市民の運動の広がりには“紫陽花革命”の言葉もつけられているのですから。