1803号
広域化で行き届いた消防になるか
日本共産党は問題点を指摘し反対
12月議会に、飯能、所沢、入間、狭山、日高の5市の消防を一つに統合する「埼玉西部消防組合」を設立する議案が出され、日本共産党以外の賛成で可決されました。
日本共産党は、①見かけ上、消防力の基準を満し、はしご車3台、化学車2台などが削減されるなど地域の消防力が低下すること②協議が非公開で進められ、5市長が調印後に議員定数を20名から16名に減らし、飯能市を3から2名にしたことで市民の声が一層届きにくくなること③人口79万、面積四〇〇平方キロの大組織になって、地域に行き届いた対応が困難になること④消防職員、団員の声を反映させるなどの国会付帯決議が全く無視されたこと⑤各市の整備状況、整備計画など、今後の協議となっており、消防費の抑制が随所に強調されるなど「行革」の一環であるなどを指摘して反対しました。
多くの自治体で合併見合わせ
広域化は、中止するところも増えています。 県内では、県下7ブロックに再編が計画されていますが、具体化しているのは飯能などの西部と久喜などの東部のみです。
その東部の協議会でも、財政負担の問題から羽生市と蓮田市が11月に脱退しました。 具体的な検討がされるなかで、矛盾も明らかになっています。
大震災は広域化では対応できない
市の説明会資料では、「東日本大震災のような未曾有の大災害への不安が高まり、大きく強力な体制を求めるニーズが高まっている」としていますが、9月議会の市長答弁では、「地震で壊滅的なものを受けたときには、それなりの対応が必要」と答え、使いわけしています。
石川県能美市は小松、加賀両市消防本部との合併を中止しました。 9月議会の市長答弁で、「今般の大震災のなども鑑み、合併により広範囲な区域を守備する消防防災体制では、地域住民に十分目が届かない面も出てくる。実情把握が容易な現行体制が、より効率的に消防防災活動に従事できるのではないかという思いを強くした」と説明しています。
財政削減の「行革」や合理化を求めるのではなく、市民の安全、安心の街づくりのためにこそ、行政は知恵と力を尽くすべきではないでしょうか。
医療費削減の意味からも
ワクチン接種の継続を
子宮頸がん、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチンについては、国が22年度途中で2年間の事業として公費負担〈国2分の一自治体2分の一〉で実施するという方針を出したため、自治体によっては22年度途中で補正予算を組んで実施したところもありました。
飯能市は、短年度ではなく継続して行ないたいからと、23年度から、一割負担を導入して実施しました。ところが、4月15日の広報では24年度の実施は「未定」となっていました。「約束が違うじゃない」というお母さん達からの声、市の変わり身の早さにびっくりしました。
山田市議は、「議会で答弁したとおり継続していただきたい」と強く求めました。
健康推進部長は、「確定ではなく23年度から一割負担で行っている。この事業は国の円高デフレ対策、緊急総合経済対策を受けて実施したもの。事業の性格からして単年度ですませる事業ではないと判断している。国も定期接種化に向けて検討するという表現でスタートしているので期待している。担当課としては予算化をお願いしていく。」と継続する方向で答弁しました。
全市的な公共交通計画を
新井たくみの一般質問
新井市議はこれまで、「交通政策課をつくり、交通協議会を設置して全市的な公共交通政策を検討するよう」何度も求めてきましたが、12月議会で初めて、交通政策担当2名の配置と協議会を設置する意向を明らかにしました。
国際興業との協議状況はどうなっているか?
新井 国際興業バスが飯能営業所からの25年3月で撤退の意向を伝えてきたことが、9月に明らかにされた。赤字路線への補助金の増額とスクールバスの随意契約で当面、路線の維持をお願いしているとの報告だが、どのような協議状況にあるのか。
市民生活部長 一年延長して26年3月までの2年間で、新たな計画と実施ができるよう考えている。
幅広い住民参加で協議会の運営を
新井 2002年に不採算バスの撤退は許可制から事前届出制に変わったことから毎年、全国で毎年二千キロのバス路線が廃止になっている。 日本共産党市議団は、昨年、総合振興計画後期計画の見直しにあたって、交通政策課を設けて総合的な交通政策の検討を位置付けるよう提案した。
本議会で初めて飯能市としても設置する意向を明らかにしたが、多くの分野の関係者を入れて、ニーズ調査と計画策定をしてほしい。
①唯一の公共交通機関が国際興業バスの名栗、原市場、南高麗②電車はあるが、駅まで遠い集落が多い両吾野地域③精明地域や市街地の「足の確保」など、商店街の活性化も位置付けて、全市的、総合的な検討が必要ではないか。
市民生活部長 市全体の計画を作るべく検討をしたい。協議会については、市民にとって、効率的、効果的なものになるよう色々な事例を含めて検討したい。
バスを利用し易くする施策が必要
新井 バスが必要な高校生等の通学と高齢者などの外出支援など、利用者を増やす対策も必要だ。高校生の通学費助成は現在、定期代の1割程度だが、せめて3割程度を助成すれば自転車から切り替えたいという人も多い。また、高齢者の運転免許証自主返納優遇制度など、高齢者の外出支援を総合的に検討をしてほしい。
市民政策部長 色々な部局と連携して交通計画の策定と合わせて検討していきたい。
公民館の行政センター化は
社会教育の後退を招く
金子としえの一般質問
市は、現在の公民館を来年4月から(仮)地区行政センターへ移行するという方針を出したことはすでに既報の通りです。
公民館の目的について社会教育法第20条で「公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的としている」と定め、営々と運営されてきました。
一方、2006年の教育基本法「改定」の影響が社会教育分野にも及び、社会教育法、地方教育行政法が改正され、「市長部局の職務権限の特例」が新設されてから、教育分野の事務を市長部局で管理・執行できるようになりました。近隣では狭山市が、平成16年に8カ所の公民館を地区センター化し、直後に減免規定の見直しを行い、減免団体が半減。平成22年には3館の運営を民間(指定管理者)に丸投げしています。こうした流れを飯能に持ち込んではならないのです。
金子 今回の公民館の行政センター化の問題は、公民館の貸し館業務を教育委員会の管理から、市長部局が統括するとしていることだ。公民館が行っている利用団体の事務を市長自身が「これを機会に精査していきたい」と発言している。住民説明会でも「これからは市長の判断になる」と説明している。肝心の職員体制は、教育委員会と市長部局からの併任辞令となり、ますます雑多な業務に追われ、結果的にゆとりがなければ成せない社会教育への支援など後回しになってしまうだろう。来年4月開始はあまりに拙速すぎる。
市長部局は、行政センターのビジョンをどう考えているのか?教育委員会は、公民館機能の後退を招く行政センター化を許してしまっていいのか?定例の教育委員会議や社会教育委員会議、公民館運営審議会など関係機関との協議をどの様に行ってきたのか?市長は、これまで通り、公民館の貸し館業務を教育委員会にまかせるべきである。
総合政策部参事 少子高齢化の進展を背景にして行政の多元化が求められ、集中から地域へと考えている。現在でも多くの市長業務を行っている。拡大に対応した職員体制を考えている。貸し館業務の管理は、市長部局に移るが現在の利用基準は継承される。
教育長 昨年度から事務局内で協議してきた。関係委員からは、これまでの公民館運営に支障はないか。利便性が損なわれないかという意見が出ている。これまでいただいた意見を参考にして社会教育の推進、公民館の中立性の確保などさらに話し合いをすすめていきたい。 貸し館業務の管理運営は、市長部局に変わるが実際の学習者への支援、指導・助言は今まで通り行われるということで受け止めている。
市長 今回の移行は、公民館の機能を阻害するとか、後退するとかを想定してやっていることではない。
波紋(コラム)
漫画はまだ低俗なものと思われているのでしょうか。漫画と一緒に育ち、長じては「ガロ」などを愛読していた者にとって、図書館に漫画が置いてないということにはなんとも歯がゆい思いがします。新図書館建設にあたっても図書館に漫画をという意見は聞いたことがない▼「徒然草」も「源氏物語」も「奥の細道」の古典も小林多喜二の「蟹工船」も漫画で読むことができるし、手塚治虫や石ノ森章太郎の作品などは価値ある日本の文化遺産だと思うけれども、図書館には漫画の座る席がありません▼しかし世間は広いもので、広島市には公立の公共図書館で唯一の「漫画図書館」があり、新潟市の中央図書館には「漫画コーナー」が設けられて、来館者増えているといいます。図書館に漫画をということは無理な注文ではないのです。飯能市の図書館でも漫画の収集やせめて「漫画コーナー」くらいは設けて図書館の再生につなげて欲しいと思います。