新飯能1755
市民には負担増
見通しのない道路事業に熱中
共産党以外の保守・公明・民主が賛成・推進
12月定例市議会は、11月26日に開会し、12月10日閉会まで15日間の議会でした。
主な議案として、人事院勧告に基づく公務員給料のマイナス改定、名栗簡易水道料金を飯能市の料金に合わせて値上げする条例案、精明小と二小の給食室を廃止し、双小、原小に統合する条例案、下水道料金を20%値上げする条例案、今後の飯能市の舵取りの方向性を打ち出した「部室設置条例の一部改正案」が提案されました。
最終日の採決では、日本共産党以外の保守・公明・民主の賛成で可決・成立しました。
人勧またもマイナス改定
議案の中身について少しふれたいと思います。①人事院勧告に基づく公務員給料の期末手当マイナス0・2ヶ月の改定ですが、職員給与については反対しました。これまでも市は職員給与のカットと職員削減を強引にすすめてきて、すでに埼玉県内で低い方から3番目という実態です。民間給与との比較で公務員給与を下げたのでは景気悪化の悪循環をさらに続ける事になり、減額された公務員給与が基準となって私立保育園運営費の減額などへと波及するからです。
小規模校の給食室を廃止
次に②給食室の統廃合問題では、保護者や教職員から5000筆を超える存続を求める声を押し切っての統合です。飯能市の自校給食は地元農産物をふんだんに取り入れたおいしい給食と評判で、「食育」に最も貢献しているのに、小規模校は効率が悪いと切り捨てるもので反対しました。
ムダな道路建設を推進する体制に
その一方で③「部室設置条例の一部改正案」では、「久下六道線」の拡幅と、造成中の飯能大河原地区の企業誘致につなげたいと「(仮称)飯能大河原線」の新設を中心に「主要道路整備推進課」を新設して職員も6人体制で取り組むと言うのですから、バブル景気を思わせるような発想でとても正気の沙汰とは思えません。しかし、議会の中は共産党以外は手放しで礼賛し、推進のエールを送っているのです。
12月議会は、オール与党対日本共産党の構図がくっきり描かれた議会でした。この事を多くの市民に知らせ、さらに一層「住民の願いを議会に届けて」がんばる決意です。
2011年は埼玉県議会議員選挙をはじめ、多くの市町村議会議員選挙が行なわれます。 今度の一斉地方選挙は、「住民の福祉向上」という本来の地方政治を守るために、負けられない選挙です。
市民には負担増
一方ではムダ使いの市政を批判
日本共産党が反対討論
ムダな道路建設を進める主要道路整備推進課の設置に反対する
飯能市部室設置条例の一部を改正する条例案について、新井たくみ市議が反対討論を行いました。
市は、第4次総合振興計画を着実に推進し、中心市街地の活性化と企業誘致を推進するために、行政機構を改正するとしています。特に、建設部には主要道路整備推進課が6名の増員体制をもって新設されます。
この主要道路整備推進課は、1ー4号線とともに、久下六道線及び(仮称)飯能大河原線の整備を専門的に行うと言うことです。
久下六道線については、8月に開いた住民説明会でも批判や疑問の声が相次ぎ、市議会の質問でも異論のあるところです。
提案理由では、総合振興計画を着実に推進するといいますが、基本構想にも実施計画にも具体的な記載はなかったもので、降ってわいたような計画です。昭和26年に都市計画決定はされてはいますが、平成18年に長期未整備道路の見直し路線として、県に報告してあるものです。中心市街地活性化を名目にしていますが、仮に銀座通り一方通行出口から飯能郵便局までの間が、16m道路が建設されて両側に4mの歩道ができたとしても、それで中心市街地が活性化するとはとても思えません。また、企業誘致を名目とした(仮称)飯能大河原線の建設計画です。 市は当初、飯能大河原の造成地を貫く、都市計画道路=大河原永田線の整備で吾妻大橋から1ー4号線で国道299にアクセスするという計画でした。ところが、企業誘致を有利にするために、この道路が必要だとして、突如浮かび上がった計画です。
しかし、全国で呼び込み型の企業誘致は破たんし、どこの自治体も大きな負担を抱え、市民生活にしわ寄せがきているのが実態です。企業誘致で雇用が増えることは望むところではありますが、過度に期待をし、莫大な財政を投じての先行投資は、リスクが高く、自治体がやることではありません。
今年度は国保税が大幅に増税され、来年度は下水道使用料が大幅に値上げされます。市民生活と営業が大変な今こそ、必要性の乏しい公共事業に税金を投じるのではなく、市民生活にこそ使うべきだと言うことを申し上げて、反対討論といたします。 なお、野田直人市議が賛成討論をしました。
下水道使用料の値上げに反対する
飯能市下水道条例の一部を改正する条例(案)に対して、金子敏江市議が反対討論を行いました。
まず、第1に、今の社会状況、市民生活の状況をどう捉えるかという点です。
国税庁が9月28日に公表した「民間給与実態統計調査」で2009年中に民間企業で働く労働者のうち、年収200万円のワーキングプア(働く貧困層)が1090万人、4人に1人となっていることが明らかになりました。これは「市内の経済・雇用状況については、さらに厳しさを増している。」として、平成22年に策定した「第4次飯能市緊急経済対策」の認識を裏づけるものであり、市民生活の実態はさらに深刻さを増している状況にあります。
しかるに市は、自ら策定した「緊急経済雇用対策」にも逆行する国民健康保険税の加入者1人当たり平均8500円、4人世帯では34000円もの引上げを行い、今議会には、「下水道使用料金を、1回の検針分、ちょうど2ヶ月分がそっくり値上げになる改定案」を提案しました。
一般家庭はもちろん、美容院やクリーニング屋さん、おそばやさんなど、今でもぎりぎりの商売でやっているのに、大きな負担だと言っています。
これでは「生活支援」ではなく「生活破壊」対策ではないでしょうか。
私は、市民の生活が困窮しているなかで、市民にさらなる負担増を強いる「下水道使用料」の値上げの方針を撤回し、市民生活を守る施策を最優先ですすめることを強く求めるものです。
2点目に、下水道料金の引上げが市の「下水道使用料改定について」の中にあるように、前年度比で使用料収入と経費回収率が増加し、汚水処理原価、使用料単価、一般会計繰入金、地方債残高などの支出は減少し、さらに下水道整備基金3億5000万円があるという、健全会計の中での値上げであり、値上げしなければならない理由はまったく見当たりません。
3点目に、市が値上げを強行しようとしている最大の目的は、一般会計からの繰入金(21年度7億1500万円)を、23年、25年の2回の値上げで半減しようとするものです。
これは機械、設備、用地などにかかる経費(資本費)まで、下水道使用料で賄おうとするもので、これまでの下水道使用料算定の重大な変更で、とても認めることができないものです。
市街化区域では下水道整備等を目的にした都市計画税が住民に課せられています。税外負担として「下水道受益者負担金」も課せられています。また地方交付税の中にも下水道関連の経費が算入されています。少なくとも資本費にかかる費用はこの中で賄い、利用者に負担させるようなことがあってはなりません。
4点目に、一般会計の繰り入れが大変だということもいわれていますが本当でしょうか。
一般会計では21年度、12億円、22年度、15億円の繰越金があり、基金総額は22年度末で75億円になっており、「近隣の市からもうらやましがられている」というのが実態です。
下水道料金の値上げを抑えることは、やる気があればすぐにでもできることです。
以上、述べて反対討論といたします。
なお、加藤由貴夫市議が賛成討論を行いました。
波紋(コラム)
朝方まで季節外れの雨がふって、川は春先のように勢いを増して流れています。それに暖かい。とても冬至とは思えません。冬至といえばユズ湯。ユズがぷかぷか浮いているお風呂に入るのは極楽です。冬至は湯治(とうじ)をかけたものという説も肯けます▼ゆったりとユズの香りに包まれているといろんなことが浮かんできます。今年は一緒に活動してきた人との多くの別れがありました。突然の訃報を朝の電話で知らされたこともありました。浮かんでいるユズの一つ一つが懐かしい顔のように見えてきます▼石垣りんが、詩「表札」で/自分の住む場所には/自分の手で表札をかけるに限る。/精神の在り場所も/ハタから表札をかけられてはならない/と書いたように、熱い思いを胸に懸命に生きた人たちでした。自分で表札を出してきた人たちでした。そんな一人一人の思いを大切に来年もがんばりたい。
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