1718
国民健康保険税の大幅増税
保守・公明・民主の賛成で可決
3月議会に提出された22年、4月実施の国民健康保険税の大幅値上げが日本共産党以外の賛成多数で強行されました。
今回の値上げは、所得割を1・2%、均等割(一人ひとりにかかる)を4000円、さらに限度額を5万円それぞれ引き上げるもので、大幅な値上げになります。特に、市がモデルケースとして示した夫婦と子どもの4人家族で、所得200万円~700万円の層で14~15%もの値上げになります。
市は平成21年3月に策定した「飯能市第二次国保財政健全化計画」にもとづいて、一般会計からの繰り入れを2億円を限度として定め、それを超える場合は値上げする。しかも、2年ごとに値上げしようというのです。 こんな無茶苦茶な計画を打ち出している自治体は、全国でもほとんど例がありません、保守・公明・民主の議員は、そのことまで無批判に受け入れてしまったのです。
国保運営協議会で
山田利子市議が奮闘
3月議会前に2度の国保運営協議会に値上げ案が出されていました。委員の日本共産党・山田市議が「市の提案は市民の苦しい生活実態を考えていない。他市並に一般会計から繰入をして値下げを避けるべきだ」と繰り返し値上げに反対しました。
均等割りを値上げ案の半額に減額せよと
厚生文教委員会で山田市議は、低所得者に負担となる均等割りをせめて法定減免(7割、5割、2割)の世帯だけでも半額にするよう求めました。「国保財政への影響は900万円未満でできるではないか」と再考を求めました。厚生文教委員会では、小林和子議員が値上げ案に賛成の討論を行いました。
最終日の本会議では大久保勝議員が賛成討論を行いました。採決に先立ち本会議場でも山田議員が反対討論を行いました。
採決では、共産党以外の他会派(保守・公明・民主)は、市側の提案を積極的に擁護し、市民生活をまったくかえりみない態度に終始しました。
ビラ配布逆転無罪・・堀越事件
「表現の自由を保障した憲法に違反」
2003年11月、休日に自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などのビラを配り、国家公務員法違反(政治的行為の制限)にとわれ、一審で罰金10万円、執行猶予2年とされた元社会保険庁職員堀越明夫さん(56)の控訴審判決が3月29日、東京高裁でありました。
中山隆夫裁判長は「このような被告の行為を刑事罰に処することは、表現の自由を保障した憲法に違反する」として逆転無罪を言い渡しました。
堀越明夫さんは、東京高裁の裁判で言い切りました。
警察は、なんと一ヶ月にわたり、彼を尾行し盗み撮りしていました。多い日には捜査官が11人。ビラを配る現場はもちろん、芝居の劇場、居酒屋やカラオケ店に入るところまで尾行し、私生活の盗撮ビデオは33本に上りました。
堀越さんを付けねらうため費やした人、金、時間をほかに回していれば未解決の事件の捜査もはかどったのではないでしょうか。
弁護団は、かつて松川事件の被告の無罪を訴えた作家広津和郎氏の言葉を紹介しました。「何よりもまず正しい道理が通る国にしよう。この我等の国を」。堀越さんは「裁かれるべきは、私でなく公安警察です。表現の自由は守られました。日本の歴史が変わったと感じる判決であった」と語りました。
「親学」って
お母さんを追いつめるもの
飯能市が22年度の新規事業として取り組む事業の中に、「親学推進事業」があります。「親学」?聞き慣れない言葉です。子育てに不安や悩みを持っているお母さん達の支えになるのでしょうか?
市では、4月中に実行委員会(飯能青年会議所、青少年育成飯能市民会議、放課後児童クラブ、子育て支援団体、学校教育課、子ども家庭課)を発足させ、一般市民も参加できる親学講座・講演会をおこない、さらに親学アドバイザーの養成講座をへて、次に認定講座を受講し、子育て・親育ちに関する適切なアドバイスができる「親学アドバイザー」として、「親学」を普及する活動を実践するとしています。
市の説明では、近年「家庭の教育力の低下」が指摘され、「親と子のあり方」という問題が顕在化してきているので、【親が変われば子どもも変わる】を基本に、親のすべきことを学んでもらい、豊かな親心をはぐくむことが目的であると書かれています。
昨年の市長選で道徳教育推進かかげ
そういえば、昨年7月の市長選挙で沢辺現市長は、「子ども達の教育が心配だ。自由をはき違えている。道徳心が必要。高橋史郎さんが言っているように、親が変わらなければ教育は変わらない。教師を含めて教育改革をすすめたい」と訴えていました。
高橋史郎氏は、『新しい歴史教科書をつくる会』の元副会長で、上田埼玉県知事が県教育委員に任命し、2006年9月には秩父市に「埼玉師範塾」を開設。高橋氏は、「現在の日本は必ずしも『美しい国』ではなく、大和魂をとりもどす必要がある。愛国心などは誰がそれを子供の中にはぐくむかが問題であり、問われているのは人だ」と言っているように、教師や親を変えることで『日本再生』を図ろうとする人です。
男女平等・職業選択の自由・信教の自由への挑戦・逆流では
親学の教科書は、高橋史郎氏が編集者で、①教育の原点は家庭である②母性と父性の役割分担を明確化し、「教育するのは男性の役目、世話をするのは女性の役目」であると回りくどい言い方をして是認しています。③男の子らしさ、女の子らしさを子ども達の心に形成すること、性差を受け入れ、性差を活かして生きることを推奨することなどが書かれています。 このことは、男女平等、男女共同参画、職業選択の自由などの考え方と相反するものです。
しつけは大事だけど今でも精一杯なのに
それにしても、親学が親、特に母親に求めているものは●子守歌をきかせ母乳で育児●授乳中はテレビをつけない●整理・整頓・掃除の習慣●本棚には良書を置き、宗教的祭壇等を設ける●乳幼児期であいさつなどの基本の徳目を、思春期前までに社会性を持つ徳目を修得させるなど、今でもギリギリ育児をしているお母さんにどう受けとめられるでしょうか。誰だってもっとゆったり子育てしたいと思っているのではないでしょうか。育児は「育自」というように、しっかりしなさい、自覚しなさいといって親を追いつめたのでは、親自身が考えたり戸惑ったりしながら育っていく力を削いでしまうのではないでしょうか。
“住民が主人公”の町 木曽町を訪ねて
交通システム、まちづくり条例など視察
昨年の7月に市長選挙をたたかった「住みよい飯能市をつくるみんなの会」のメンバーが先日、長野県木曽町を視察しました。木曽町は日本共産党員の田中勝己さんが町長をしていることでも有名な町です。
どこまで乗っても200円
木曽町は旧木曽福島町を中心に一町三村が合併して新しくスタートした町ですが、町営の公共交通が注目されています。交通手段はバスとワゴン車の乗合タクシー(デマンドタクシー)ですが、町内はどこまで乗っても200円です。しかもその路線は、町の中心地から旧村に向けての三つの幹線とその終点で旧村内を巡回する路線、更に自宅までをつなぐ乗合タクシーがあり、実にきめ細やかに運行されています。それぞれの車を降りるときに乗継乗車券をもらって乗り継げば、料金は一度払った200円だけです。国の特別交付税(8割を交付税措置)が活用されていて、こうした料金になっています。
合併してもどこの地域も大切にされる
合併協議と並行して「木曽町まちづくり条例」の制定も検討されてきました。旧町村の4地域で地域自治組織を設立して、各地域の特色を生かした地域づくりを進めています。
また、旧町村ごとに置かれた支所の機能も総合支所方式として充実しており、支所長の裁量で予算執行が出来る地域づくり事業も注目されます。
合併すると小さいほうが見捨てられがちですが、旧町村の生活をしっかりと支え、新しい街づくりをすすめている田中町政のすばらしさを実感しました。
波紋(コラム)
とくダネを見ていたら、小倉智明さんが「ゴミ処理場は必要だが、誰しも自分のところには来てもらいたくないと思っている」と話し、続けて「普天間基地もこれと同じで、いらないと思っている国民はいないわけで・・・」とコメントしたのには驚いてしまいました▼普天間基地問題とゴミ処理場問題をごちゃ混ぜにして論じる愚かさもさりながら、音楽やスポーツ関係にはめっぽう強い小倉さんの情熱を、島ぐるみの怒りが沸騰している沖縄の状況や、普天間基地はいらないと考えている多くの国民の声を聞くことにも費やしてくれたらと考えてしまいました▼アメリカに気兼ねして、新基地の「移設先」探しに躍起になっている鳩山政権に国民のイライラは高まっています。やくみつるさんの漫画ではありませんが「とにかく出てってくれと言やいいだろうがぁ」というのが国民の正直な気持ちではないでしょうか。