1699号
「暴力は犯罪」「男女平等」当たり前の社会に
DV防止連続講座を市政に生かして
飯能市女性会議(石井芳枝会長)のメンバーを中心に、グループ「森の小屋」が主催して、9月から11月初旬まで連続4回、DV(ドメスティックバイオレンス)について正しく理解し、被害女性の相談と支援について学ぶための講座が開催されてきました。この講座と飯能市主催の男女共同参画セミナー「知っていますか?デートDV」も実施され市職員や女性市議、市民の参加で関心の高さが表れていました。
第1回「DVとは?」で講師の三輪和恵さんは、保健師として働く中で女性の健康の問題から、女性の人権の問題があると気がついて、現在のDV相談や支援活動につながっていることを紹介した上で、DVとは、単なる「家庭内」や「配偶者間、夫婦間」の暴力ではないこと。DVとは、男性が社会構造と家族構造(男性優位・女性従属の社会や家庭)を背景にして、女性を自分の「所有物」として意のままにコントロールするためにふるう暴力であること。閉ざされた密室の中で行われていて、逃げ出すこともできない環境に置かれていることを理解しなければならないことを丁寧に語りました。「あなたにも落ち度があるんじゃない?」ではなく、『暴力の全面的な責任は加害者のみにある』、『あなたは悪くない』この認識が基本であることをくり返し強調しました。
女性のS0Sいつでも 受け止める行政を
夫の執拗な暴力で精神的にも肉体的にもボロボロになった被害者、家族への支援について、都内で婦人相談員としてきめ細かな支援を実践してきた鈴木純子さんから、支援に必要な公的制度の紹介がありました。大切なことは、地域の行政が婦人相談員を核として女性のS0Sをいつでも受け止められる体制をつくることだと語りました。
まずは、行政がこうした啓発活動にもっと力を入れてほしいものです。
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)が平成13年4月に制定され、その後平成19年には「児童虐待」もDVであると規定されました。
市町村は、DV防止法に基づいて、「基本計画の策定」や「相談支援センター」を設置するよう努力することが定められています。これによって飯能市でも「女性相談」は、月4回行われていますが、これでは緊急の場合などとても対応できません。また、継続的な支援を行う場合でも不十分です。この問題だけに専念できる職員体制が必要です。
主催者の皆さんはこのような5回の連続講座でDVに対する基本的な認識を深め、こうした問題をクローズアップすることでDV被害の防止や、被害者の救済につながればと、思い切って企画したということです。
暴力の実態は言葉であったり、殴る蹴るの力の暴力、性的な暴力などすべてにわたっていて、これは社会的に断罪されなければなりません。今年は、女性差別撤廃条約が国連で採択(1979年)されてから30年目に当たります。この間、女性の地位の向上、権利の拡大に向けて女性自らが声をあげ続け、「男女雇用機会均等法」や「育児休業法」を勝ち取ってきました。DVという『犯罪』を許さない社会を創るために積極的な啓発活動が求められます。
本郷浄水場・山手町用地視察
日本共産党飯能市委員会
日本共産党飯能市委員会と党市議団は、今後の市政に影響を与える県水や開発公社問題について現状を把握するため、本郷浄水場と山手町用地を視察しました。
飯能市の水道は、現在、有間ダム系の入間川からの取水と県水が使われています。入間川からの取水でも既に10万6000人分の水量がありますが、飯能市は12万人都市構想を打ち出したときに水が足りなくなるとして、埼玉県の水を購入する事としました。平成12年から日量1000トンだった県水も、16年の渇水の時、3000トンに増量し、入間川水系だけでも充分に水余りなのに今年は3200トンで、年間7600万円にも上ります。市はこの県水について、本郷浄水場が老朽化しており、平成24~25年をもって休止し県水に置き換えるとしています。
本郷浄水場は昭和7年に創設され当時は給水人口1万2000人、一日の最大給水量1992トンでしたが2回の拡張事業を行い、現在は3万9000人分、日量1万2600トンの給水能力を有しています。取水口は入間川の河床に埋設されており河床の砂利や砂を透過しておいしい飯能産の水を汲み上げています。
しかし、2回目の拡張事業は昭和38年から43年に行われたもので40年以上が経過しており給水設備の老朽化は目だっています。視察をして感じたのは、基本的には、人口に左右されることなく本郷浄水場は老朽化するわけで、飯能の水を守ると言う視点があれば建て替えもできないことではないのです。これまで市は、県水の受水施設や配水施設の建設に約27億円もかけて整備してきたのですから。
発掘調査の進む山手町用地
平岡レースの跡地、山手町用地も視察しました。山手町用地は約1.7haあり、土地開発公社が21億円で取得、その後の利息も含めると23億円の帳簿価格になっています。
現在、飯能市はこの用地について、図書館、総合保育施設の建設と市道整備などによる家屋移転の代替地としての利用を考えています。図書館と総合保育施設の土地については、今年度、市が買い戻す予定でしたが、平岡レースが操業していた時、大型のレース器機を据え付ける土台に大量のコンクリートを使用し、そのまま土中に放置されている事が判明し調査が行われています、掘削溝からはその姿がのぞいていました。また、遠藤新設計の旧平岡レース事務所も見学しました。
参加者からは「現状を確かめることは重要、今後の政策に充分反映をさせていきたい、さらに市の施設の視察を続け認識を深めたい」との発言もあり、有意義な視察になりました。
代々木公園に3万5000人
国民大集会に元気に参加 飯能民商
「新しい未来へ、営業、雇用、命を守れ」と国民大集会が8日、代々木公園で開催され3万5千人が参加しました。飯能民主商工会からも15人が参加し、婦人部長が中心となって集めた3534筆の署名も本部に届けました、舞台では全国の業者仲間をはじめ、各団体の熱い訴えに会場からは大きな拍手やエールがおくられました。集会後3コースのデモ行進が行われ、飯能民商は新宿中央公園まで2、6kmを1時間かけて「消費税上げるな」「暮らしと福祉を守れ」などのシュプレヒコールを大きな声で新宿の人たちに訴えてきました。参加者は「久しぶりに大勢の仲間に囲まれ元気をもらった」「今の世間の様子がよくわかって参加してよかった」「大事なお店を休んで参加して元気になりました」など、みんなこの日の青空のように晴ればれとしていました。
映画「沈まぬ太陽」をみて
今、映画の話題をさらっているベストセラーで山崎豊子さん原作、渡辺 謙さん主演の「沈まぬ太陽」をみて、その感激をどうしても書き留めておきたいと投稿しました。
労組委員長である主人公の恩地元を演じた渡辺謙さんは自身がやりたいとの想いを山崎さんに頼み込んだというエピソードもあります。私は青年時代に全国金属という全国的にも活発な労組、新電元支部の中で青年婦人部、そして執行部と、働く者の要求の大切さとそれを実現させるため会社と闘い、要求実現した喜びを体験してきました。
主人公の渡辺さんが要求を会社にぶつけるところ、スト通告するところでは、自分と当時の周囲の先輩のことを思いだしました。映画をみながら「うん、うん そうだ」と心で叫び、要求を実現したところ等では当時を思い出してしまいました。 ドラマは航空機事故最大の御巣鷹山墜落の現実に起きたシーンの展開を含めて飽きさせない。画面の中、差別されても弾圧されても家族から非難されてもその信念を貫く主人公の姿に職場で共に「働きやすい職場」をスローガンに闘った友人達の顔を思い出だし、また涙、涙でした。3時間22分があっという間に終了した感じがしました。終了後もそのまま席でじーと感激に浸っていました。渡辺さんは格好が良く最高の役柄で、魂が入っていました。若い人が沢山この映画をみて「労組の委員長、役員って格好いいな」という人が出てきて欲しいと、強く思った映画でした。 63歳 佐藤 弘
波紋(コラム)
秩父鉄道の和銅黒谷駅に、直径1.2メートルの「和同開珎」のモニュメントがあります。日本通貨発祥の地で、昨年「黒谷」から「和銅黒谷」に駅名を変更、近くの聖神社は和銅石二個とムカデの雌雄一対が奉ってあるお金の神様です▼お金に関係のある駅に降り立ったからでしょうか、お金がない、生活が苦しいという日本の貧困のひろがりについて考えてしまいました。新聞の「貧困」の文字も恐ろしいくらい大きくなっています▼法で定められている日本の最低賃金は平均で時給713円です。これでは一ヶ月働いて125、480円、年収で150万円にしかなりません。いま1000万人を超える人々が年収200万円を下回る低賃金で働かされているといいます。最低賃金の異常な低さが、貧困をつくりだす温床になっています。日本の貧困の現実を「和同開珎」のモニュメントはその四角い穴から、どんなふうに見ているのでしょうか。