新飯能1698
地デジでどうなる?
難視聴地域への対応が課題
「2011年7月24日で、全てのアナログによるテレビ放送は中止され、地上波デジタル放送へ切り替えになる」ことになっていますが、インフラ整備や放送機材に多額の費用がかかるほか、テレビの買い換えなど新たな負担が発生することに不安が広がっています。総務省のデジタルサポートセンターでは、全国各地で説明会を開催。飯能市内でも32ヶ所で開催され、719名が参加しています。
難視聴区域への対応
飯能市には山間地域が多いために難視聴区域が多く、26ヶ所のNHKによる共同受信施設がありますが、すでに20ヶ所がデジタル化され、原市場の3ヶ所のミニサテライト局も今年度中に2ヶ所(唐竹局は22年度)がデジタル化されます。
高圧送電線による電波障害地域(小瀬戸・中藤、南高麗、白子・平戸)は、テレビ飯能が東電の回線を買いとって地デジが見られるようになりましたが、NHK受信料の他に月1260円のテレビ飯能の利用料が必要です。
160世帯の難視をどうする
6月議会の補正予算で難視聴地域調査が実施され、60ポイントの調査で約160世帯がデジタル放送が見られないことが明らかになりました。
こうした地域への対応について市は、光ファイバーの整備事業などを検討していますが、住民への具体的な対応策を示していくことが必要です。
多額の費用が必要
アナログから地デジに切り替える場合、相当の費用が必要です。
一般家庭では、地デジ対応テレビの買い換えと地デジアンテナが必要で、
アンテナ工事はアンテナ代を含めて3~4万円が必要です。
マンションなどアナログ共聴設備を地上デジタル放送対応にするためには、共聴施設の改修やケーブルテレビ等への移行が必要ですが、管理組合で対応することになります。この場合、国が施設改修経費等の支援を実施しています。
詳しくはデジタルサポートセンターへ。
県内の「ツツガ虫病」
発症例は飯能地区に集中
4日、飯能合同庁舎で飯能市保健センター・埼玉県衛生研究所共催の「ツツガ虫病感染予防研修会」が行われました。
埼玉県衛生研究所の青木敦子部長が開会挨拶。続いて飯能中央病院副院長の中西弘有氏が「ツツガ虫病の病状と感染予防について」講演し、衛生研究所の臨床微生物担当の山本徳栄主任研究員が検査報告をしました。
ツツガ虫病とはツツガ虫リケッチアという微生物による感染症です。感染したダニの幼虫に刺されても痛みやかゆみはほとんどなく気づかない。10日ぐらいして食欲不振、頭痛、発熱、発疹、特有の差し口がみられる。治療が遅れると死亡することもある。埼玉県は年間1人か2人で関東近県の中では少ないが、05年から5件発生し4件が飯能市(岩渕、阿須など)。なぜ飯能市に集中しているかはわからないが、発生時期は4月、5月と11月12月頃。ダニの幼虫がリケッチアを持っていなければ刺されても感染することはなく人から人への感染もありません。
効果的な予防法はなく、予防ワクチンがないため刺されないことが第一ですが、山や川遊びなどのあとに、上記のような症状があったときは、病院にツツガ虫病の疑いがあることを告げて受診してほしいと話していました。
注目の八ッ場ダムを視察
日本共産党原市場支部
日本共産党原市場支部と新井たくみ市議は10月29日、注目の八ッ場ダム視察を行いました。紅葉の吾妻渓谷、八ッ場ダム広報センター、道路・鉄道の付け替え工事現場、代替地、酸性水の中和をする品木ダム、水没予定地の川原湯温泉を視察し、現地の話も伺いました。
民主党・鳩山政権になって、政権公約となっていた八ッ場ダム建設中止を打ち出しました。連日マスコミで取りあげられ、国民の大きな注目を浴びています。
やんば館来場者通常の6倍も
紅葉真っ盛りの吾妻渓谷に立ち、ここをダムサイトに、この渓谷が水没することに唖然とさせられます。すぐ上流にテレビでおなじみの湖面2号橋があり、大勢の観光客が写真やビデオを撮っていました。
ある年配の女性は、「昨日は四万温泉に泊まったんだけど一度見ておこうと思って」と話題の「名所」を前にご主人がシャッターを押していました。
八ツ場ダム広報センター「やんば館」の来館者が9月は1万2813人に達し、「10年前の開館以来、月平均2千人ほどだったが6倍にもなった」といいます。
利水も治水も疑問
受水予定の1都4県では、人口減少と節水によってすでに水余り状態。約240万㌧(600万人分)の余裕があるといいます。飯能市への県水押しつけも過大な人口計画と水需要計画に基づいたものです。また治水についてもこれまでの国会答弁でも効果がないことが明らかになっています。
7割が町外へ
代替地の整備は遅れているうえに、地価が坪15万円以上で、7割の住民は地価が安く便利の良い渋川などに出て行ってしまったというのです。
川原湯温泉の苦悩
水没予定の川原湯温泉には大勢の観光客が訪れていました。○○市議会というバスも停まっていました。40軒あった温泉街もいまでは14軒に。移転しても温泉旅館を続けるというのは7軒程度だといいます。掃除をしていたお年寄りに話を聞いたところ、「新聞やテレビに出るから観光客が多い。いつもこうならいいが・・・。ダムができてもできなくても、生活ができるように早くしてほしい」と語っていました。
ダムをも溶かす酸性水
中和工場と品木ダムとは
草津温泉の下に強酸性の温泉の排湯などを中和する工場があり、その下流には品木ダムがあります。このダムは、中和したときにできる硫化カルシウムなどの生成物を堆積させることを目的としています。上流にある2つの中和工場で、1日60トンもの石灰を投入し続けています。
昭和27年に八ツ場ダムの計画が発表されましたが、流入する強酸性の河水の為に、ダムの建設は不可能とされ、計画は凍結されました。その後、住民には知らせず中和施設を建設し、石灰を大量に投入することでPH値を中性にする事業を開始し、八ツ場ダム建設計画が再び進められたのです。
中和工場の展示施設には、5寸釘が10日程度でハリほどになってしまう様子やコンクリート支柱も溶けることなどが紹介されていました。
このダムの見学者は私たちの他は4人だけで、湖岸工事の重機と浚渫船(堆積した生成物を毎日除去するための船)が動いていました。管理作業をしていた人に魚が居るのか尋ねたところ、「数年前にフナを放流したがみんな奇形になってしまうので今はなにも居ない」と言っていました。
生活再建を急ぎ本体工事は中止を
同行した新井市議は、「4年前に埼玉県地方議員団として同様の視察調査に参加した。道路や鉄道など付け替えが目に見えるようになってきたが、ダム本体工事はこれから。工事の7割が進んでいるかのような報道がされているが工事費の7割を使ったと言うことで、今後、電力会社への減電補償や地滑り対策など事業費がどの位膨らむか分からない。八ッ場ダムは渇水が起こりやすい夏期は水位を下げるため、利水容量は上流ダム群のわずか5・6%増やすだけ。生活再建策を住民とともにしっかり作りあげ、ダム建設は直ちに止めるべきだ」と語っていました。
現地視察に参加して 伊藤幸夫
原市場支部では、今話題の八ッ場ダムの現地視察に行ってきました。吾妻渓谷は紅葉真っ盛りで見事な錦織にそめられ、テレビでおなじみの「橋げた」が中空に浮かび、シャッターを押す人も多く、チョットした観光ブームのようでした。強酸性の河川に一日約60トンの石灰を投入し中和する工場、中和生成物を浚渫する品木ダム、資料館なども見学してきました。
振り回された地域住民の困惑に丁寧で十分な説明が大切と感じました。川原湯温泉につかり帰途につきました。
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八ッ場ダムは利根川の洪水調整と首都圏の水需要に対応することを目的に建設される多目的ダム。総貯水量1億750万㌧(下久保ダムの9割、浦山ダムの2倍)ダムの面積は316ha。川原湯温泉を含め340世帯と名勝・吾妻渓谷の3分の1が水没する。
波紋(コラム)
19・70k㎡、193・18k㎡、沖縄宜野湾市と飯能市の面積の比較です。驚きました。飯能市の面積の十分の一の土地に9万2千人が暮らし、その狭い市域の25%を米軍普天間基地が占有しているのです▼認識が甘いといわれれても仕方がありませんが、街のど真ん中にある基地の写真をみてまたびっくりです。「世界に例をみない危険な基地は猶予なしになくさなければならない。県民の総意だ」という衆院予算委員会での日本共産党の笠井議員の追及に胸が熱くなりました▼しかし「公約と(鳩山首相の)選挙中の発言とはイコールではない。公約というのはマニフェストだ。あえてマニフェストには普天間という言葉は書かなかった」と岡田外相の答弁にまたびっくりです。最初から「県内たらいまわし」を見越していて、有権者にだましたとでもいうのでしょうか。こんな無責任な答弁を聞くために有権者は政権交代を選んだわけではないはずです。