新飯能1654号
議員定数削減は“市民の声”切り捨てに
定数削減案が継続審議に
12月議会に、中村公一・野田直人議員から議員定数を現行23人から4名削減し、19人にするという定数削減の条例案が提出されました。
質疑が終わった段階で、大久保勝議員から21人にするとの修正案と26人にするという金子敏江議員の修正案が出され、議会運営委員会に審議を付託するという形で継続審議になりました。
今後のスケジュールでは1月16日に議会運営委員会で審議され、27日の臨時議会に報告される予定です。
定数削減の矛盾明らかに
19の提案に対して、滝沢修、新井巧両市議が質疑を行い、定数削減の問題点、矛盾点が浮き彫りになりました。
両議員は、議員定数は民主主義の根幹であること。行政のチェック機能と政策立案機能をもっており、同時に、住民と行政とのパイプ役であること、地方分権時代にあって、その機能を十分果たすことが重要、そのために議員の質の向上とそれに相応しい議員数が必要であることを指摘し、見解を求めました。
これに対して、答弁者の中村議員は、「チェック機能は落ちるが、少数の方が合意形成が図りやすく、分かりやすい議会になる」「広い地域でも携帯電話があるから問題はない」などと市民の目線からはかけ離れた答弁に終始しました。
議員報酬引き上げが本音
また、議会あり方研究会で、「議員を減らして議員報酬の引き上げを堂々と主張したい」と発言していたことについて聞かれると「プロとして引き上げを求めたい」と本音を漏らしました。
飯能市の定数は少ない
昨年8月段階の全国市議会の定数をみると自治法が定めた上限定数(5~10万人規模=30人)に対して、全国平均で19%の減員率ですが、飯能市は23%の減で全国平均を4%も下回っています。さらに市域面積が約200k㎡で埼玉県下で秩父市、さいたま市に次ぐものです。
市民からも削減に反対の声が多数
文化新聞が、定数削減問題で意見を募りましたが、議員数をむやみに削減することに反対する声が圧倒的でした。また、12月議会に飯能日高地域労働組合から削減に反対する要望書も提出されています。
7月から議論されてきた議会あり方研究会でも、もっと市民に開かれた議会、わかりやすく身近な議会、政策立案能力など議員の質の向上などだったはずです。そうしたことから、三重県伊賀市の議会基本条例なども視察してきました。
地方分権がすすみ、地方自治体に難しい舵取りが求められるいまこそ、市民の立場に立って慎重な議論が求められるのではないでしょうか。
議会を傍聴して
美杉台 加藤久忠
8月26日に開かれた「議会のあり方研究会」と12月議会を傍聴させてもらいました。研究会では「議員定数と議員報酬などの全体的枠組み」が議論されました。
定数削減を最初に持ち出した野田議員の主張は、「現行議員定数は23名だが19名でいいと思う。そして議員報酬は堂々と上げて欲しい。冠婚葬祭などに出費が多くて大変だ」というもの。中村議員も「定数削減をしないと報酬値上げのチャンスがない」など。まさしく何とかの「山分け論」に似た論議で、議員のあり方の本質議論はゼロでした。自分の報酬を上げたくて、市民の声の重要な代弁者たる議員数を減らすという発想は、憲法が定めた地方自治の本旨の意味も、地方分権の時代も全く理解していないと思いました。
議員の数の削減は、議員だけの問題ではありません。主権者であり、選挙権と被選挙権を持つ市民一人ひとりに関わる問題です。議員の役割は、市民の目となり耳となって行政を監視し、市民要求を実現するように市長に迫っていくことです。議員の数と質、議会活動のありようについて、十分時間をかけて慎重な議論がなされるべきです。
椿本チェインでも派遣切り
派遣労働者が組合に入って闘う
アメリカ発の金融危機に端を発した景気悪化が日本経済に深刻な影響を与えています。 こうしたなかで、大企業が派遣社員や期間社員を相次いで解雇やリストラする動きが広がっています。
市内の大手企業である椿本チェーンや新電元工業でもそうした事態が起きています。
埼労連に相談 団体交渉持つ
椿本では約300人の派遣社員が働いているということですが、12月中旬に約60人の派遣社員に対して、12月26日付けで契約の打ち切りと寮からの退去が言い渡されました。
雇い止めをされたAさんが、埼玉労働組合連合会に相談、飯能日高地域労働組合連合会とともに、相談を受けました。
Aさんは一人でも加入できる埼玉ユニオンという労働組合に加入し、同時に解雇が言い渡された外国人労働者などとともに12月25日に7項目の要求書を提出して、派遣会社のフルキャストファクトリーと団体交渉を行いました。
〈要求書の主な内容〉
①派遣労働者との雇用関係が引き続き存在していることを確認し解雇を撤回すること。
②整理解雇の4要件に照らして解雇された労働者と早急に話し合う場をもうけること。
③派遣先に直接雇用を申し入れること。それがかなわぬ場合は仕事を斡旋すること。
④契約期間満了まで賃金保障を行うこと。
⑤現在、住んでいる寮について次の仕事が見つかるまで住み続けることができるようにすること。
⑥契約期間中の解雇であり、派遣先企業と相談し、6ケ月分の賃金を解決金として支払うことなど7項目です。
会社側は、1月末まで寮に住むことは認めましたが、他については1月10日に回答すると答えました。
労働相談は地労連まで。℡974・0330
派遣切り、リストラで緊急雇用を
雇用・景気対策で申し入れ
日本共産党飯能市議団は12月25日、沢辺市長あてに、景気悪化を理由に市内大企業でも派遣労働者の解雇が始まっており、自治体としてできうる施策を講じ、一人の労働者も路頭に迷わすことのないよう緊急雇用対策など申し入れを行いました。
要望内容は、①長期間の休暇となるため市民の緊急の相談に対応できる体制を。②新電元工業や椿本チェーンなどの市内大企業でも非正規労働者の首切りが始まっているが市として企業に対して「雇用の維持・確保」につとめるよう申し入れてほしい。③市内の解雇・雇い止め、失業を実態調査・把握すること。④寮を追われた派遣労働者には市営住宅などの空き部屋の斡旋を。⑤失業者の「緊急雇用対策」を迅速に。⑥緊急経済対策本部を設置し融資、雇用創出、労働相談、生活支援など特別体制で望むことなどを求めました。
対応した本橋副市長は、「市もこれまでにない事態と受け止めており、緊急な場合に対応できる体制は考えている。緊急雇用については各課で検討しているところで臨時議会に
補正でお願いしたい」と答えました。
いまこそ、くらし応援の政治を
党議員団が新年の街頭宣伝
飯能市議選・市長選・総選挙の政治決戦が行なわれる2009年、日本共産党飯能市議団の金子敏江、山田利子、新井巧、滝沢修市議は2日、市内各所から街頭からの訴えを行ないました。
「アメリカ発の金融危機が庶民生活を脅かし先の見えない年になっていますが、今こそ暮らし応援の市政を。市民生活を守るために日本共産党飯能市議団は全力で頑張ります」と決意を込めて街頭から訴えると、寒いなか、立ち止まって演説を聞く方や大きく手を振って応援してくれる方の姿が目立ち大変励みになりました。
マスコミでも派遣村などの報道が取上げられていますが、まじめに働く方が使い捨てにされる事など絶対にあってはなりません。
市民・国民が主人公の政治に今年こそ大きく動かして行く新たな年明けに相応しい宣伝になりました。
波紋(コラム)
「牛はのろのろと歩く」で始まる高村光太郎の「牛」をしばらくぶりに読んでみました。世の中どうなってしまうのかという不安な年明けに、牛のどっしりした貫禄は頼もしくさえあります。のろのろと歩いている牛は<けれども馬鹿に敏感>で、<三里さきのけだものの声をききわける>、<未来を明らかに予感する>ことのできる牛です▼仲代達矢さんは「うろたえるな」といいました。今の状況に大変だといっているだけでは駄目だ、牛のように大地を踏みしめて歩けといってようにも感じられる発言でした。現代の新しき村ともいえる「派遣村」は大きなインパクトを与えました。派遣切りという天下の非道を許さないという、熱い連帯の力が政治を一歩一歩変えてきていることを実感させてくれる光景でした▼利口でやさしい眼と/なつこい舌と/かたい爪と/厳粛な二本の角と/愛情に満ちた啼声と/すばらしい筋肉と/正直な涎を持った大きな牛/、今ほど牛が求められている時はないと思います。牛の姿は日本共産党の姿にもだぶります。この牛といっしょに市議選、総選挙の勝利のために全力をつくしたいと思います。そこで新年の五七五<どっしりと力をためて牛の年>?!。進歩がありません。