新飯能1629
耐震補強と改修で多額の費用が
改めて問われる「庁舎別館建設」
市役所本庁舎の耐震診断結果が議会全員協議会に示されましたが、6月議会閉会後にさらに詳しい説明がありました。
震度6強で崩壊の危険
耐震診断結果によると、震度6強(官庁は拠点施設となるため一般基準に対して更に1・25を乗じた数値を適用)の大地震に対して、耐震性能判定値に合格したのは、5階部分と地下のみで、他については補強が必要との判断が下されました。
市は、「埼玉県建築物耐震改修促進計画に基づいて計画する。合併特例債を起こせる期限が、平成26年までであることから、平成25~26年の間に着工するために、実施計画に位置づける予定」としていますが、耐震補強工事だけで、概ね2~3億円、併せて改修工事も実施したいとしているので、さらに数億円の工事費用が増額になる見込みです。
県は建て替えから耐震工事へ
市役所庁舎の耐震化は当然必要とは思いますが、問題は庁舎別館建設との整合性です。
日本共産党は、別館建設にあたって、「防災の拠点施設だといって6億円近くもかけて別館を建てるなら、埼玉県が県庁建て替え計画をやめて、耐震補強に切り替えたように、本庁舎の耐震補強・改修という総合的な検討こそ必要ではないか」と指摘しましたが、まさに指摘通りになりました。
10年ほど前に4億円で購入した第2庁舎は、教育委員会、上下水道部が移動したことで、圧倒的な部分が物置になっています。これまでの市役所庁舎整備計画が、いかにときどきの思いつきであったかがわかります。
学校耐震化は計画的に
なお、学校の耐震化については、補強未実施校舎が、小学校で南高麗小、東吾野小、双柳小の3校。中学校で一中、西中、原中、加治中の4校となっており、計画的に進めていく方針です。
既に本紙でも報じ、また、滝沢議員も議会一般質問で取上げた、大規模学童クラブの解消について、飯能市学童クラブの会が、6月23日、市の子ども家庭課と懇談を行ないました。
適正な規模の施設整備を
飯能市学童クラブが市と懇談
国は学童クラブの児童数は1施設あたり40名程度が望ましいとして、71名以上の大規模施設は2010年から全ての補助金を削減するとしています。大規模学童クラブでは新設や分離を行なわないと運営ができなくなってしまいます。
学童クラブの会に加盟している学童クラブは6施設ありますが、現在、富士見学童クラブが76名で今までの推移を見ても、新設や分離を進める必要があります。市は、年間平均で71名以上在所している施設は整備を行なうとしていますが、一小、加治、原市場、双柳などは、年度により児童数に変化があり、約2年後の児童数の把握は困難です。
71人にこだわらず適正な規模に
この日の懇談では、国や県が40名程度が望ましいとしている様に、60名も児童がいると、1人ひとりに目が届かず「ちょっと待ってて、と言いながらそのままになる事もしばしばある」また、「子ども達の声が自然と大きくなっている」など指導員の配置数も問題。「71人にこだわらず適正な規模の施設整備を求める」要望が出されました。
子どもたちが大事にされる学童に
学童クラブは、放課後の子ども達にとって家庭と同じ役目をする場所です。安全安心と共に、子どもたち1人ひとりが大事にされる保育環境が必要で、市はそのための条件整備をすべきです。
ごみ減量の取り組み順調
21年のごみ有料化は見送り
金子としえ市議の一般質問
ごみの資源化・減量化の現状は?
問 現在、平成18年から10年間の「飯能市一般廃棄物処理基本計画」にもとづいて、市と市民の協力のもとで、ごみの資源化・減量化の取り組みがおこなわれている。この間、雑紙の回収、ペットボトル、プラスチックごみの分別収集を行ったことで、資源ごみが増えて、可燃ごみがみごとに減った。ペットボトルやトレーなどのプラスチックもきれいに水洗いされて、質の良い資源となっている。この間の市担当課の努力とそれに応える市民の協力と、大変いい状況ではないかと感じている。現状はどうか?
答 19年9月からプラスチックの分別、合わせて雑紙、紙パックの分別も実施した。この間、説明会を13会場のべ26回、集積所・自治会など小規模な出前講座を60回以上実施してきた。大きなトラブルもなく順調なスタートが切れた。平成18年と19年の比較では、ごみの総量は、1712㌧減っている。
内訳は、可燃ごみがマイナス2308㌧、資源ごみはプラス638㌧で、ごみ総量に占める資源ごみの割合は23%となった。あくまでも2年間の比較だが、今後長期的に見ていきたい。
市民の協力で減量の推進に努力
問 さらに市は、ごみ減量化の一方策として、来年21年には「家庭ごみの有料化を実施」するとしているが、こんなに市民の熱心な協力のもとで減量化が進んでいるのに、どうしても実施するというのか?。
答 「飯能市一般廃棄物処理基本計画」でも、処理方法等、総合的に判断し、平成21年度に方向性を決定することとしている。国では平成17年5月「廃棄物処理法」が改正され、「一般廃棄物処理の有料化をはかるべき」と追加された。このことは市町村でも原則的には、「有料化すべき」と方針が打ち出されたものと理解している。
(有料化については)今後も引き続き検討していく予定である。今後の排出量の推移を見ていかなければならないが、基本計画に掲げた(減量の)目標値を達成するためにも、ごみの分別・資源化の徹底を一層推進していくことが求められている。これには市民の理解と協力が不可欠なので、より理解が得られるよう努力してゆきたい。
市民の要望取り入れた図書館に
新図書館を考える講座・懇談会が22日、市役所別館で開かれました。
この講座は、飯能市が今年度「新図書館基本計画」を策定するに当たって、識者の講演と参加者の意見を求める場として3回予定されています。
一回目は朝霞・鶴ヶ島市立図書館長の大澤正雄氏が「図書館は何をするところ?」と題して、朝霞・鶴ヶ島の図書館の様子をパワーポイントで紹介しながら講演しました。
2部の懇談では、図書館建設担当から、「現在のこども図書館が10周年を迎え、全国的にもすばらしい図書館と視察も多い」とした上で、新図書館建設にあたって、児童コーナーの可否が協議会でも問われている。皆さんの御意見も聞かせてほしいとの提案がありました。
「児童コーナーではなくきちんとしたもの。大人と一緒の方がいいのは当然」「こどもは大人の小型番ではない、是非、今のまま残してほしい」。また、年間利用者数は約2万5000人程度、報告があり、子ども図書館は駐車場の関係で利用者が制限される。新図書館との距離があり親子で利用するには、特に幼児のコーナーが必要である。新図書館にいけない人もいるので、各公民館の図書コーナーは分館として充実してほしい。という意見も出されました。
次回は7月6日(日)講師は今回と同じで大澤正雄氏です。
3回目は7月13日(日)で、講師は藤原孝一氏(H17年図書館建築賞受賞・設計士)です。
チェック機能を高め、民主的運営の場に
議会代表者会議で、「議会のあり方研究会(仮称)」を設置することが合意されました。
この研究会は、各会派から1名を選出し、議会の活性化、開かれた議会などを議論するために設置することが合意されました。しかし、定数削減などを議論したいとの思惑の議員もおり、真に市民のための議会はどうあるべきかの議論が求められます。
執行部の提案に、なんでも「異議な~し」と叫ぶだけでは、議会のチェック機能は果たせません。また、活性化のためという口実で、議員定数削減をいう議員がありますが、6月議会では一般質問をした議員が21名の議員のうち、6名(内4名が日本共産党)。通常でも8~9名程度です。勿論、議会だけが議員活動の全てではありません。各種委員会や各種の市民行事への参加、市民相談など総合的なものであることは言うまでもありません。
定数削減の動きが全国的にあることは事実ですが、行き過ぎた定数削減で常任委員会の運営など支障をきたしているところも出ています。 入間市の4倍以上の面積を抱える飯能市の議員定数が人口規模だけでははかれないのではないでしょうか。
波紋(コラム)
初めてあけびが小さな実をつけました。葉の色と同じなので、最初はなかなか見分けがつきませんでした。そのあけびの子が日に日に大きくなり、今日はしっとりとした細い雨にぬれています▼先週の「新飯能」の文化欄、文化欄ができたというのもたいしたものですが、名栗の佐藤さんの〈ビラ配り戻る袋にえんど豆〉という俳句がありました。アンケートを配った帰りに、ご苦労様とえんど豆をいただいたものなのでしょうが、こんなビラ配りができたら楽しいなと思ってしまいます。その名栗からも多くのアンケートが寄せられています▼俳句といえば、今日の「赤旗」に渡邊白泉の〈戦争が廊下の奥に立ってゐた〉の「立つ」は目の前に見えなかったものが見えてきたという意味だという千曲山人氏の文が載っていました。それでも十分解釈は成り立つのですが、機密保持のために「廊下に歩哨を立て、戦争の元凶たちが、この廊下の奥で額を寄せ合って、話し合っているという鮮烈なイメージ」という中村裕氏の解説の方が妥当のように思えます。昭和14年の作品です。