新飯能1605
学校給食 小規模校を効率だけで切り捨てないで
自校式守れと署名提出
飯能市は、安上がりな給食をすすめ、給食調理員の退職者をパート化してきました。このまま進めると各校一名の調理員が配置できなくなるとして、「吾野小・東吾野小・西川小・吾野中の給食室を西川小に、南高麗中を南高麗小に、精明小を双柳小に、二小を原市場小に、21年から順次統合していく」との方針をまとめ、現在、給食室の改修、配送車の購入など来年度予算に盛り込む方向で準備をすすめています。
考える会を結成
飯能市教職員組合や市職員組合、新日本婦人の会飯能支部などの団体を中心に、「子どものための豊かな給食を考える会」を立ち上げ、対象地域へのビラ配布や駅頭宣伝、PTAなどにも呼びかけ、反対署名に取り組んできました。
「考える会」は予算の市長決済前に署名を提出しようと第一次分として2391筆を12月27日に提出。本橋副市長、山川教育委員会参事らと交渉を行い、日本共産党から山田、新井両市議も参加しました。
参加した保護者からは、「市民や保護者の意見も聞かずに給食室を統合するのは問題だ」「統合されると学校行事に合わせた給食などこれまでと同様にはできなくなるのではないか」などの声が出されました。7年前に東吾野地域に転居したという保護者は、「飯能市の給食は、デザートもみんな手作りで本当に大切にされていると実感した。教育に関することを経済効率だけで考えてほしくない」と訴えました。
統合の後は民間委託に?1
議会でも、「今後、民間委託を検討する」と答えていることから、新井市議は、「検討委員会のなかでも、民間委託しても安くならないことがはっきりした。民間委託の検討をやめて、調理員を採用すべきだ」と指摘しました。
山川参事は、「民間委託まで決まっているわけではない。まだ白紙だ」などと答えましたが、小規模校の給食室を統合したとしても正規調理員を計画的に採用しない限り、各校に調理員を配置できなくなるわけで、運動の広がりを恐れてのごまかしの答弁に過ぎません。
「考える会」では、3月議会までに、さらに運動を広げ、署名に取り組むことにしています。
プラスチックゴミの分別と減量化
市民ぐるみの取り組みで好調
昨年9月から開始した「プラスチックゴミの分別収集」の取り組みが、行政と市民の熱心な協力で大変な効果を上げています。特に、プラスチックゴミの分別では、分別開始前後3ヶ月を比べると19年7月が最大で1527㌧、11月が最小で1148㌧で、その差は379㌧、約25%減量できたことになりました。また、収集車1台当たりの積載量もプラスチックゴミが抜けたことで9月以降1台当たり200㌔も増えて収集効率も上がりました。これは、この間地域ごとにきめ細かな説明会を行い、地域住民も熱心に参加し取り組んできた結果、このような成果に現れたといえます。昨年6月から始めた、ゴミ説明会、プラスチック分別説明会、地域の廃棄物減量推進員を対象にした説明会を13会場で26回開催し、2191人が参加。ゴミに関する出前講座を38回開催して延べ4000人以上の市民が参加し、ゴミ分別への協働の意識が根付いたといえます。
市は、平成18年3月に策定した「一般廃棄物処理基本計画(H18~H27)」で、ごみ減量の方策として、家庭ごみの有料化(H21年決定)も検討するとしています。しかし、本来ゴミ処理は自治体がやらなければならない固有の仕事のはずです。有料化でごみは減りません。市民に負担を求め、始まった市民の熱心な協力に水を差すようなことは止めさせなければなりません。
飯能市立こども図書館10周年
利用冊数15万冊、9割増に
昨年4月、飯能市立こども図書館が「文部科学大臣賞」を受賞し、7月には開館10周年を迎えました。
こども図書館は、幼児期~学齢期の子ども達の知識の泉、親子の大切なふれあいの場として大きな役割を果たしてきました。
平成9年7月に開館してから利用者は増え続けています。9年度の図書利用冊数は8万385冊でしたが、10年目の平成18年度は14万9419冊と85%の伸びとなっていて、市民に親しまれ愛されていることが伺えます。
ボランティアの活動が原動力に
特に市内保育所、小学校への本の貸し出しを積極的におこなっていることや、こども図書館での「絵本の読みきかせ」や人形劇、紙芝居など、熱心なボランティアの方々を中心に多彩な行事に取り組んでいることが、大きく利用を増やしてきた原動力となってきました。
さらに今後は、学校図書館等で朝の読み聞かせのボランティアを行っている方々の交流を重ねて、それが地域での交流の広がりをさらに生み出せたらという目標をもって取り組んでいきたいと、次の行事を予定しています。現在ボランティア活動されている方、興味のある方はぜひ参加してください。
児童文化講座「学校図書館ボランティアを考える」
講師:青木淳子氏(さいたま市小学校図書館司書)
第一回 2月14日(木) 午前10時~12時
第二回 2月21日(木) 午前10時~12時
第三回 2月28日(木) 午前10時~12時
〈場所〉こども図書館・多目的ホール〈対象・定員〉大人25人
〈申し込み〉2月5日(火)~こども図書館へ ℡974ー2414
入所希望多い3歳未満児
家計苦しく働きたい
20年度の保育所入所希望の状況が明らかになりました。定員1060名に対して希望者は996名で、定数には満たないものの、3歳未満児では昨年より47名、全体では72名の増となっています。少子化といっても、保育所への入所希望者は逆に増えています。
今年度4月には新たに、飯能市永田の社会福祉法人現成会が「元気保育園」を開園するため、乳児の受け入れ枠が拡大します。しかし、3歳未満児の希望が多く、昨年度のクラス定員と比較すると、八幡、美杉台、加治、加治東保育所、白鳥、ぽかぽか、すぎのこ保育園で定員を超える希望がだされており、待機児童が出る可能性があります。
この間、子育て世帯の家計を圧迫する増税・負担増に働かざるを得ないというのが実態です。
今後、こうした親の就労によって「保育に欠ける児童」を受け入れる体制を、市がしっかりと整えることが求められています。
文化欄
新コーナーとして、俳句・川柳・短歌、写真など読者から寄せられたものを随時掲載しますので、積極的にお寄せください。
●薄霜の化粧整ふ耕土かな
●ころ柿の山ほど手造り器かな
●小春日や街道の店秩父蕎麦
(名栗)佐藤志づえ
●みんなの手耕す政治蕗の薹
●霜を踏み坂の向こうは夜明けかな
●一鍬が国を耕す初日の出
(永田)山下由治
●豆はぜる音のしじまや過疎のさと
●枯れ野にもふっくら白きねこやなぎ
●収穫の時期過ぎし柚子金色に
●かじかむ手息吹きかけてビラをまく平和を守る思いを胸に
(吾野)新谷龍三
波紋(コラム)
今年度の地域別最低賃金が、4年ぶりに全都道府県で引き上げられました。最低賃金法に基づいて、地域ごと、産業ごとに賃金の最低限度を定める仕組みで、使用者はその最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。厚労省のまとめによると、新たに適用される各都道府県の地域別最低賃金は、時給でそれぞれ5~1円引き上げられるといいます。それでも最高額の東京都で時給714円。それ以下で働かされる派遣、アルバイトが多いことも事実です▼米生産農家の場合、時給換算すると256円。水500mlのペットボトル入りが136円、米は91円です。米作りが続けられないほど大暴落しているのです。米農家が消えてしまったら自給率は12%になると政府は試算しています。しかし、世界的には、穀物市場はバイオ燃料などの需要から投機的なマネーゲームによって高騰し、2割近い値上げになっています。世界では飢餓が広がり、8億人の人たちが栄養不足に直面し、5秒に1人の子どもが死んでいます。自国の食料は自国で賄えるような食糧政策が必要です。そのことが食料の安定供給を維持し、地球環境も守ることになるのです。