新飯能1595
市立病院
求められる住民の意向をどう生かすかの議論
第3回有識者会議開かれる
飯能市立病院及び地域医療の在り方に関する有識者会議が16日開催されました。今回で3回目となる有識者会議は、30名を超える傍聴者が見守るなかで開催され、①地区懇談会結果②訪問実態調査結果③市立病院経営分析結果④市立病院改革の視点及び役割と位置づけ⑤シミュレーションについて議論されました。
まず、事務局から地区懇談会や実態調査では、地域住民が「入院を残してほしい」「市立病院が地域で必要とされている実態が多く出されたこと」などが報告されました。
経営分析で議論に
医療コンサルタントをしている委員から飯能市立病院の経営分析結果が報告され、病床利用率が低いことや収益性が悪く、17年度1億4400万円の赤字であること、全国の60床以下の公営病院141施設との比較で111位であることなどが指摘されました。同時に、「医師の給与が他より200万円ほど少ないことが医師確保を困難にしているのではないか」との指摘もありました。
この委員は、「収益目標を数値化すること、人件費見直しなどが必要だ」などと述べました。
しかし、この経営分析は医師が3名欠員の17年度の資料で、正確な比較材料とはいえません。なぜこのようになったか、どうしたら改善できるかなど具体的には明らかにされませんでした。
医師確保は決定的
ある委員は、「腕のいい医師が確保できれば、この程度は立て直せる。それができるかどうかが今問われている」「今よりマシなことをやるリアリティーのある提案が必要だ」と指摘しました。
また、ある委員は、「民間にはできない医療や機能をもたせ、税金を投入しても価値があるものにする。この病院が何を担うか、そうした視点からの検討が必要ではないか」と指摘しました。
独自の政治判断を
ある委員から「国が公立病院のガイドラインを検討しているが、それらの結果との整合性をどのように考えているか」と質問がありました。 事務局は、「ガイドラインの示す方向と有識者会議の方向が一致することを望んでいる」と答弁しましたが、国は公立病院の縮小・削減の方向を進めており、ガイドラインに縛られずに、地域の実情にあった市独自の政治判断が求められます。
11会場での住民懇談会の開催や約400世帯の訪問調査を実施し、また市民から2万2千人を超える署名も提出されているなかで、住民の意向をどう反映させていくのかという視点からの議論が求められるのではないでしょうか。
配食ひわまり
ボランティア求む
16日、配食ひまわりの会(山崎トヨ子会長)では、社協の職員と4名の女性議員を招いて食事&懇談会を行いました。日本共産党からは金子・山田市議が参加しました。
配食ひまわりの会は、15年間ボランティアで月2回「外出が困難なお年寄りに手作り弁当を手渡し、声かけによる見守り活動」をしてきました。 現在、毎回100食を届けています。金曜日には利用者に電話かけとメニュー・調理の打ち合わせなど念入りに準備し、火曜日は早朝から17人が手際よく調理し、きれいに盛り合わせて各家庭に届けます。昨年はそうした功績が認められ市から表彰されました。
この日のメニューは、鯖のみそ煮、千草焼き、野菜炒め、キャベツとりんごのサラダ、高野豆腐の煮物、味噌汁、果物、ミニトマトでした。
食事後の懇談では、家事をこなしながら早朝からがんばっている様子がリアルに語られ、「配食サービスの内容を市民にピーアールしてほしい、人手不足や後継者問題も深刻で若い人にもっと参加してもらえるよう募ってほしい」という要望が出されました。
ボランティアに支えられている事業。配達時のガソリン代ぐらいは補助すべきと思いました。
後期高齢者医療制度
「凍結」ではなく、中止撤回を
10月11日埼玉会館で、日本共産党さいたま市議団主催「後期高齢者医療シンポジウム」が開催され、地方議員や地元の老人会の皆さんなど多数が参加し、制度のしくみや国の医療費抑制策、埼玉県広域連合議会の役割などを学習しました。
制度のしくみと特徴
①75歳以上のすべての人が対象。今国保などの保険に加入している人、息子や夫の扶養となっている人もすべて新設される「後期高齢者医療保険」に組み込まれます。②高額保険料であること。埼玉県の場合、年間一人平均9万9400円という試算が出されています。(全国平均7万7400円)③保険料は年金から天引きされます。介護保険料(全国平均年額4万9080円)と合わせると14万8480円(月額1万2370円)にもなり生活を圧迫する負担増となります。④年金が月額1万5千円に満たない人は、自分で保険料を収めなければなりません。 1年以上滞納すると保険証の代わりに「資格証明書」を発行するとしていますが、この「資格証明書」では病院窓口では全額立替払いしなくてはなりません。75歳以上の低所得の高齢者に対するこのような仕打ちは尋常ではありません。
治療内容にも差別
⑤医療の中身は、治療や検査の回数が制限される「差別医療」が検討されています。こうした新しい制度の概要が、来年4月から実施されようとしているのに全く市民に知らされていない状況で見切り発車しようとしているのは問題です。
福田内閣は、世論の批判を受け止めて「凍結」を言い出しましたが、この「後期高齢者医療保険」の保険料徴収を半年間だけ延期するもので、半年経ったら「解凍」してしまうものです。
社会保障の財源はある
パネリストの肥田泰医師は、世界各国と比べての日本の社会保障への企業負担の低さ、患者負担の重さをグラフで示し、公共事業や軍事費の見直しで社会保障の財源はあることを強調しました。
会場からは自分の保険料はどうなるのかという質問がたくさん出されました。今でさえ介護保険料や住民税などの負担が暮らしに重くのしかかっているのですから不安は当然です。参加者から何としても中止・撤回させようの声が相次ぎました。
西川材をどう生かすか
森林文化シンポジウム行われる
かつて地場産業として地域経済をささえた林業が、外材に押され経営が成り立たない、山林の手入れが行き届かない、何とかして活性化できないかと市独自の取り組みが始まっています。
13日(土)市民会館大ホールで森林文化都市宣言推進事業として開催された「森林文化シンポジウム」は、市全体の76%を占める山林を飯能市の特色としてPRし、地場産業として復活させるための様々な課題も見えてきました。
はじめに、西川材を使った夏休み木工工作コンクールの表彰があり、飯能幼稚園、聖望中学校、双柳・加治・東吾野小学校の子ども達に西川材でつくったモニュメントが送られました。
続いて作家立松和平氏の講演とパネルディスカッションが行われ、コーディネーターに岡部素明氏(税理士)、パネリストには原邦紘氏(こだま森林組合長)、大河原章吉氏(フォレスト西川理事長)、吉住知文氏(駿河台大学教授)が発言しました。
団塊の世代2世の心をつかむ家造り
この中で原氏は、生産にかかるコスト削減に取り組んでいることを報告。また、団塊の世代2世が住宅を「買う」ではなく「家を建てる」という意識に変わってほしいと発言しました。大河原氏は、住宅建築材として西川材の活用を拡大するには、壁面など目に見える生かし方をもっと工夫しないと「西川材」そのものが評価の対象にならないのではないかと発言。こうした、新しい感覚を持った林業家の方々の奮闘とそれを底上げする市の支援策をどう築くのかが大きな課題になっています。
浅間神社の獅子舞
小学生が見事に舞う
14日に行われた小瀬戸の浅間(せんげん)神社の獅子舞は、「笹掛け」「女獅子隠し」「綱掛け」「ホックリ」「花見」「呑龍」などの演目があり、女性の着物のしごき帯をヘビに見立てて獅子が飲む動作をする「呑龍」が特徴です。
地域の伝統行事として親しまれている獅子舞ですが、後継者不足が悩みの種となっていました。今年は、子どものころから獅子舞に親しんでもらおうと、関係者の努力で小学生4人が、夏休みから稽古に励み、笛の音に合わせて見事に意気のあった舞いを披露しました。
波紋(コラム)
吉沢久子さんの「四季折々」を読んでいたら頭の痛いことが書いてありました。「私の周りにも、定年後、家でごろごろしている夫に愛想を尽かしかけている妻たちがいます。そうならないためにも、定年前からの心づもりが必要です」「私の夫(注・評論家の古谷綱武氏)も、男女平等を唱えながら、家ではお茶もいれない人でした」と。題して<夫の自立 妻の根気>とありました▼根気強く自立を待たれていると思うと気色悪いのですが、最近ゴミの分別をやってみてこれがなかなか面白いのです。よく見ると容器にはいろいろな情報が書いてあります。<外装・紙、内装・アルミ箔、中蓋・プラ>とか。なかには「ゴミに出すときは市町村の区分にしたがってください」と書いてあるのもあります。プラスチックごみの多いのにも驚きます▼分別ができるようになって少し得意になっていると、「やってもらいたいのは、ごみ出しとお風呂とトイレの掃除なのよね」だって。がっかりです。でもこの分別の努力がごみの減量化になったらすばらしいことです。