新飯能1563号
定率減税半減・廃止の影響で保育料が便乗値上げにならないよう
党飯能市議団が市長に申し入れ
2月28日、日本共産党飯能市議団は、19年度の保育料を値上げしないよう、市長に対して申し入れを行いました。市から大山助役、寺田福祉部長、清水福祉部次長が対応しました。
保育料は、前年度の所得で算出しますが、昨年、定率減税が半減されたことで、これが、保育料の便乗値上げにならないよう求めたものです。
そもそも保育料の決定について児童福祉法第56条は、保育費用について「保育費用を支弁した市町村の長は、保護者等から保育料を徴収した場合に、家計に与える影響を考慮して、児童の年齢に応じて定める額を徴収することができる」としています。国が示す保育料の徴収基準は、依然として高いためほとんどの自治体で基準額の6割~8割程度の水準に下げて保育料を徴収しています。飯能市の場合は、国基準の7割を目安に設定していますが、それでも子育て世帯にとっては大きな負担となっています。
定率減税半減の影響17万円もアップに
さらに、定率減税の縮小・廃止の影響がそのまま徴収基準表に持ち込まれると、いまでさえ苦しい家計を大きく圧迫することになります。今までの国基準では、05年の所得税額が、夫婦で6万2400円の世帯(年収・夫200万円、妻180万円)にかかる06年の3才未満児の保育料は、月額3万円です。ところが定率減税半減によって、所得税額が7万2000円に増え、保育料の所得区分が変わり、月額4万4500円に。そのため、年額17万円以上のアップとなります。こうしたことのないように、国は、現状よりも値上げにならないような措置を自治体独自で取るように通知しています。
また国は、多子世帯への保育料の軽減措置をさらに強化するための通知もだしており、この二つの内容が同時に働いてはじめて有効な効果がでるのです。
大山助役は、国の通知通りに実施するともしないとも言わず、申し入れを受けたというかたちでしたが、今、子育てが社会的にも経済的にも困難なときだからこそ、市は本気になって対応することが求められています。
日本共産党の一般質問と質問日程
滝沢おさむ
3月8日(木)AM11:00
1、区画整理見直しについて、縮小や除外はできないとの県の見解について・どの様な整備となるのか・住民が納得できるのか。2、特定企業誘致地域の企業の現状は・雇用状況と奨励金・今後のすすめ方。3、教育再生会議一次報告7つの提言と4つの緊急対応についての見解。
山田とし子
3月8日(金)PM2:00
1、保育所の民営化で本当にコスト削減や、保育サービスの充実につながるのか。2、障害者自立支援法・利用者の軽減策等について。3、商店街の街路灯の電気代に市の補助を。4、飯能駅北口に駐輪場設置を。
新井たくみ
3月9日(金)pm1:00
1、国の医療「改定」と飯能市への影響と対応。2、市立病院の今後のあり方と医師確保について。3、市の委託、非常勤職員の処遇改善について。
金子としえ
3月12日(月)AM11:00
格差と貧困を拡大する政治からの転換を①貧困の認識について②市民の労働、生活実態の把握について③「ワーキングプア」の増大に歯止めを④市民税の独自減免策の実施を⑤生活保護の「申請権」は保障されているか⑥生活保護・母子世帯への母子加算、児童扶養手当削減は中止すること⑦国保問題ー滞納世帯への短期保険証や資格証明書の発行を中止すること⑧高すぎる国保税の引き下げを求める⑨国保税の所得減少に応じた減免制度の創設を求める⑩滞納世帯の生活再建と滞納の解消に向けた「多重債務」の解決に市が取り組むこと。
今が出番です
人権、民主主義を守る砦として
日本国民救援会飯能支部
日本国民救援会は、1928年4月7日に創立され、戦前は天皇制政治と軍国主義のもとで自らも弾圧を受けながら「戦争反対」「主権を国民に」と唱えて弾圧された人々とその家族の救援にあたりました。
戦後は、アメリカ占領下でおきた数々の謀略事件で、「無実の者は無実に」と事件関係者、弁護団、国民救援会の三者が力をあわせて国民の中に事件の真実をひろめ、「事実と道理に基づく判断」を裁判所に求める運動で松川事件などの勝利をかちとりました。
その後、ポスターはりや選挙・政治活動への弾圧とのたたかい、警察の違法行為や人権侵害に対する国家賠償請求裁判、不当解雇や差別に対して労働者の権利を守る裁判、無実の罪に苦しむえん罪事件など全国で勝利・前進をかちとってきました。
現在は、選挙・政治活動に対する弾圧事件(大分・大石市議事件)ビラ配布など言論・表現活動への弾圧事件(国家公務員法・堀越世田谷事件、葛飾ビラ配布事件)の無罪判決と、布川事件や名張毒ぶどう酒事件などの再審をかちとるための活動、内心の自由を侵す共謀罪、改憲の手続きを定める国民投票法案の廃案をめざす取り組み、憲法を守り、日常生活のすみずみにまで生かす運動をすすめています。
弾圧・えん罪支援など続けて29年
飯能支部は、1978年5月1日に結成され、現在までの約29年間、●弾圧・えん罪事件犠牲者の救援活動(事件支援)を中心に●労働裁判や争議支援●警察による電話盗聴事件の真相究明と責任追及●人権と民主主義を侵害する法律の制定や改悪に反対する活動●選挙・政治活動や、労働・市民運動に対する弾圧や干渉を許さずのびのびと活動をすすめるための学習・宣伝活動などに取り組んできました。
憲法を生かす活動が原点
これら多岐にわたる活動の一つ一つは、どれもみな憲法に保障された自由と人権、民主主義を守り生かすための活動です。
飯能支部は、結成30周年を来年にひかえた今、憲法を改悪し、日本を「戦争する国」にしようとする動きが加速するもとで、「戦争は最大の人権侵害」であり、「国家が海外で派兵するときは国内の人権と民主主義が抑圧される」歴史をくりかえさないために、事件支援を柱にしながら、国民投票法の廃案をめざす活動と憲法改悪を阻止する運動の強化を重点に活動をすすめています。
最低投票率の定めなく二割でも改憲が可能に?
国民投票法案を廃案にしよう!
安倍内閣が5月3日までに国民投票法案の成立を狙っています。国民救援会飯能支部では、その危険性について学ぼうと、講師に埼玉憲法会議事務局長の天野憲氏を招いて、2月27日学習会を開催しました。
天野氏は、「いま、なぜ国民投票法案を押し通そうとしているのか、それは憲法9条や25条を変えることが狙いであり、日本が戦争をできる国にすること、また国民の生活権を奪うために憲法をかえることが目的となっている」と指摘しました。
また、憲法九六条では憲法の改正については、「国民の過半数の賛成を必要」と慎重な態度をとっていますが、いまの与党案では、最低投票率を定めず、「有効投票数の過半数」としています。議員を選出する選挙とは投票方法も大きく異なり、国民に解りにくくなる事が予想され投票率が大幅に減るため、有権者の2割弱の賛成で改憲が成立しかねないひどい内容となっています。また、全国で5百万人いる公務員・教員の自由意志表明を制限する一方で、改憲を狙う財界がテレビなどのマスコミを使って制限無く改憲宣伝が大量に行えるようになっています。大きな山場を迎える国民投票法案、なんとしても廃案に追い込みましょう。
ラテンアメリカ 中米は激変 - 左派政権ぞくぞく誕生
「ラテンアメリカを知ろう、学ぼう」の第2弾を2月25日に開催しました。2006年に南米、中米では10ケ国で選挙が行われました。ブラジルとベネズエラでは引き続き左派政権を維持しました。新たにニカラグアでも十六年ぶりに左派政権の奪還のニュースが流れました。エクアドルでも「新自由主義反対」「アメリカからの自立した経済を」かかげる野党・コレア氏が当選するなど、まさに「点から面」に変化する激変の様子を学習したいと計画しました。
今回お話しいただいた杉田優子さんは飯能の元教師で「エクアドルの小どものための友人の会」でボランティア活動をされています。10月から2ケ月にわたりエクアドルに滞在され、大統領選挙のプロセスを間近に見るという貴重な体験をされました。エクアドルの政治状況、国民生活、選挙の様子などを映像と語りでわかりやすく話して頂きました。コレア氏の選挙戦で訴えた中身は「若者層を中心に市民の政治参加を主張し、貿易問題ではFTA交渉継続の否定、ラテンアメリカの結束」等などでした。生態系豊かな秘境の山河、無農薬のバナナ生産に励む農家、子供達の明るい笑顔などなどの両面には感動しました。寄せられたアンケートには「エクアドルが身近になった」「南米では新自由主義に反撃しているが日本でもそうありたい」等の声が寄せられました。
この日本の政治もきっと変えられると大きな確信になりました。(菅間)
波紋(コラム)
なんとなく俳句の話になって〈柿食えば鐘がなるなり法隆寺〉のどこがいいのかということになりました。結局柿を食べていたら法隆寺の鐘がなったという秋の余韻が感じられるところがいいということになったのですが、同じ子規の俳句に〈いくたびも雪の深さを尋ねけり〉がありますが、▼この句について、俳人の飯田龍太さんはこの句がなぜ秀作であるかということについて、子規が病床にあったという前提を必ずしも必要としないとして、「雪の深さ」を尋ねた思いの中に、幼い頃の体験、降る雪の鮮しさに、生命の証をみることによって人々に強く訴えているのではないかと言っています▼その飯田龍太さんがなくなりました。86歳でした。最近、俳句に少し関心があって、飯田さんの「俳句入門三十三講」を読み始めたばかりでした。新聞には代表作として〈一月の川一月の谷の中〉〈大寒の一戸もかくれなき故郷〉が紹介されていました。戦争についても、忘れてはなるまいと思う気がとみに強いと書かれていた飯田さんのご冥福をお祈りいたします。