新飯能1555号
12月市議会
公共サービスにコスト論
手数料など大幅値上げに
公民館の有料化なども示唆
飯能市の12月定例市議会が15日に閉会しました。今議会では、国民健康保険税の負担が重い中で、せめて納期を増やして一回当たりの税額を少なくしてほしいという要望を一般質問や決算委員会で求めてきましたが、来年度から8期から10期に変える事になりました。
しかし、手数料の引き上げや75歳以上の高齢者に新たな医療保険制度を導入するための埼玉県後期高齢者医療広域連合の設置など市民生活を脅かす議案が日本共産党以外の賛成で可決されました。
住民票など150円から200円に
住民票や戸籍謄本、課税証明書などの、市民が窓口で度々申請、利用する各種証明書の手数料が現行150円から200円に値上げされました。市の提案理由では19年間値上げを行なっていないこと、近隣では所沢市、狭山市、入間市が200円になっていることや、戸籍謄本を発行するコストが391円もなる事を理由としています。しかし、こうした公共サービスにコスト論を持ち出すことは問題です。
ムダな電子申請には500万円も
その一方で、今年10月から530万円の予算を組んで始まった電子申請システムは、現在までに4件の利用しかありません。毎年270万円の維持費がかかります。国と企業がすすめているEジャパン戦略でこんな無駄使いをしておいて、とんでもない話です。
12月議会では、「公民館の有料化などについても検討を進める」としており、際限のない住民負担増が次々と計画されています。
日本共産党飯能市議団は、「市民生活が厳しい今、公共サービスにコスト論を持ち込み値上げすることは認められない」として反対しました。
お年寄りに新たな負担強いる
後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度では、75才以上のすべての高齢者と、65歳以上の寝たきりの方はこの医療制度に組み込まれ、今までは被扶養者で保険料を払わずに済んでいた方も含め、保険料を新たに払わなければならないというこの制度は、高齢者に新たな負担を押しつけるものです。それも介護保険料と同様に月1万5000円以上の年金があれば年金からの天引きです。介護保険料と合わせると平均月1万円にもなり、今でも生活に苦しむ高齢者をさらに痛みつけるものです。
後期高齢者は年々増加しますから、それにともない給付が増え、2年ごとの見直しで保険料は繰り返しの値上げと給付は抑制されることは介護保険制度の実施からみても明らかです。
保険料を滞納すれば保険証を取り上げ、短期保険証や資格証明書を発行することまで、法定化しています。払えない人は医療を受けられなくなることとなり、医療を最も必要とする高齢者から医療を取り上げることになります。
住民の声が届かない広域連合
そして、この医療制度の運営に当たるのが広域連合ですが、県単位に設置され、広域議会の議員も、全県でわずか20名で、住民の声は届きにくくなることは明らかです。
一番身近で実態をつかめる自治体や・市町村議会が関与しにくくなる、大きな矛盾をもった制度です。収入の実態に即した保険料を算定できるのかどうかさえも不明のまま、この広域連合を設置させていくことは認めることができません。
難病補助打ち切り撤回
厚生労働省は、来年10月から、かいよう性大腸炎とパーキンソン病の難病補助を打ち切るという改悪方針を撤回したことを明らかにしました。日本共産党の小池晃参議院議員の問い合わせに答えたものです。撤回を求めてきた患者さんたちの運動が政府を動かしたのです。
飯能市のパーキンソン病患者の家族のKさんは、「機械的に財政削減で場当たり的な厚労省のやり方はまったくふざけている。患者の苦しみや悲しみを考えていない。看てもらっている医師も『自民・公明の医療改悪は本当にひどい、こういう政治は変えなければ』と言っていた。撤回されて本当にほっとしています」と語っていました。
不払い問題
だれもが納得できる解決を
金子としえ市議の一般質問
この間、市としても、元請企業と、被害を受けている事業所が話し合いを持つよう働きかけ、一定の努力をしてきましたが、ここで元請企業の三ツ和総業があまりにも不誠実な対応をしてきたことが、明らかになったので、一般質問で取り上げました。
金子市議 三ツ和総業は、10月16日、市の担当課に「合意した金額を関係企業に振り込みます」と報告してきた。その後、被害を受けた代表者から「振り込まれたことを確認した」という連絡も市にきている。しかし、被害にあった6社の状況は、金額の少ないところが被害金額の十九%で、すでに振り込まれたということだが、700万円から1000万円を超える企業は、いまだに何の話もないということである。これでは、事実上の解決になっていないではないか。市は、建設業法第四十一条の趣旨に沿った指導をしてきたのか。
本橋総合政策部長 10月19日に、代表者から「双方話し合いの上解決した」という報告を受けた。
四十一条の趣旨については、許可権限は国なので、市としては、市の発注した工事でもあるので、できれば四十一条の方向で解決をしてほしいということで、仲立ちはしたけれども あくまでも民々のこと。市としては民事に介入していくという考えは最初から持っていない。
金子 被害にあった下請け業者には、全額立て替えるというのが法の趣旨。その上で、全額が無理なら話し合いで 九割とか八割とか常識的な数字が出てくるはずだ。十九%で「決着がついた」としていいのか。 被害にあった下請け業者は、合意したのではなく、察するに合意させられたのではないか。三ツ和総業は、部落開放同盟の企業で、自治体に圧力をかけ100%公共事業で成り立っている企業。このような元請企業の対応が分かった以上もう一度強力な指導をする必要がある。なぜしないのか。
本橋部長 国としてもあくまでも行政指導だけであって、民々で話し合うこととしている。市としても双方で話し合いをもって、合意をして解決に至ったと認識している。
金子 振り返ってみると三ツ和総業は、今年六月末の川寺・上野線南工区の工事を落札した。それまでは、誠意をもって対応するといって、入札にも参加し仕事をとった。市内業者が不況の中で仕事が減って苦境に立たされ仕事がほしいのに、どうしてこういう企業を指名するのか。
本橋部長 市としては、一般競争入札・公募型競争入札なので、基準に則って、入札参加の申し込みがあって、参加をこばむ理由が特別にない場合は、入札に参加させることとなっている。そこで自由競争の中で札を入れて落札したものについては、最低の価格をもって落札者と決めて発注している。市が(三ツ和総業に)恣意的に発注しているということはない。
金子 誰が聞いても納得できる決着をはかるために、もう一度元請企業に強く働きかけるべきだ。
本橋部長 四十一条につぃては、当事者同士が話し合いのテーブルに着いて、話し合いの結果、双方が合意した上で解決したと思っている。今回の問題は、一応解決したという認識を持っている。
*不払い問題とは
平成16年度の飯能市発注の東飯能駅東口駅前通り線道路改良工事を三ツ和総合建設業協同組合(部落開放同盟)が、7160万円で落札。工事そのものは、二次下請けのJV新井建設・佑和建興が行いましたが、佑和建興が元請から支払われた工事代金、約四千万円を持ち逃げ、失踪してしまった前代未聞の事件がいまだに解決していない、下請け業者に工事代金が支払われていない問題を取り上げました。
本来、佑和建興が履行しなければならない問題ですが、賠償できないことが明らかになった段階で、元請企業は、下請け業者に対して、支払われていない工事代金を立て替えて、たとえ二重払いになっても支払わなければならないという法律があります。
これは、建設業法第四十一条で、国が認可した「特定建設業者」に対してその責任を明記しているもので、国が「特定建設業者」に対して指導・助言しなければならない。
これを履行しない場合は、認可の取り消しもありうるという厳しいものです。
建設職人の暮らしかけた戦い参院選に勝利しよう
飯能日高建設労働者後援会が総会
飯能日高建設労働者後援会は、今年で2回目になる「餅つき&包丁研ぎ・まな板削り」を12月17日、地域の人を対象に取り組みました。
朝八時からテントを張ったり準備をし、午前10時から開始です。
餅は20キロをつき、アンコ、きな粉、納豆、大根を準備。包丁研ぎ・まな板削りも開始前から並ぶ盛況ぶり。その他、野菜とシクラメン、子ども向けでヨーヨー、ポップコーンと豚汁も人気があり、午後1時近くにはなくなる状態でした。
あやべさんの生い立ちに親近感
午後2時30分から、場所を組合事務所に移し、後援会総会を行い、来るべき選挙に後援会として全力で奮闘することを確認し、役員体制もきちんと確認できました。
総会には、参院予定候補のあやべ澄子さん、山田市議も駆けつけ、あやべさんの生い立ちなども語ってもらい、あやべさんと親近感がわく総会になりました。
波紋(コラム)
小さな記事ですが他人事には思えませんでした。14日、札幌市中心街で「がんばろう夕張」北海道連絡会が、夕張を住み続けられる町にしたい、高齢者のための福祉除雪事業を継続させようと夕張の除雪募金を呼びかけたというものでした▼「困っているときはお互いさま」などのあたたかい声がかけられ、相次いで募金がよせられたということですが、財政再建団体化で、高齢者のための除雪サービスの予算も削られてしまうのかと思うと胸が痛みます。国はすべての責任を夕張市と住民に押しつけようとしていますがとんでもないことです。憲法25条はすべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しているのですから▼夕張だけではありません。NHKの「ワーキングプアーⅡ」は働いても働いても生活保護基準以下の生活しかできない貧困層の増大とやっと命をつないでいる実態をうきぼりにしました。「こんな弱いものいじめの社会でいいのか」という問いかけが伝わってくるような番組でした。