新飯能1550号
天覧山・多峯主山周辺の自然を景観緑地として保全
11月22日の市議会全員協議会で、西武鉄道(株)が所有する、天覧山・多峯主山周辺の299バイパス西側の斜面、約32・8ヘクタールを、飯能市として「景観緑地」に指定し、保全していく方向であることが報告されました。
これは、17年度決算特別委員会最終日の総括質疑の中で、金子敏江市議の質問に答えたもので、あらためて全員協議会に正式に市の考え方を公表したものです。
景観緑地の「指定」については、今後土地所有者の承諾を得てから、「はんのう市民環境会議」と意見交換を行い「指定」の手続きをしたいとしています。このことは天覧山・多峯主山周辺の開発をストップしただけでなく、自然がほぼ完全に保全されることになり、積極的な意味を持ちます。
自然を守る大きな運動と日本共産党が果たした役割
ふり返ってみると飯能市は昭和50年の第一次総合振興計画(10万人)の街づくりから第三次総合振興計画(12万人)まで30年間、西武や公団(矢颪・大河原地域の丘陵)の大規模開発優先の街づくりを一貫して進めてきました。
この街づくりに対して日本共産党市議団は当初から、「この計画は大企業の言いなりで市民無視だ。飯能の貴重な自然が破壊されるし、財政的にも市民負担が増大する」として、大規模開発を批判し、開発計画の見直しを求めて粘り強く奮闘してきました。
このような中で「飯能の緑と清流を守れ」という大きな市民運動が二回も広がりました。開発への財政負担が増え、矛盾も深まり、西武は開発を断念、公団も当初の計画を大幅に縮小することになったものです。
精明・学童クラブを余裕教室で開設
市議会全員協議会に報告
12月議会前の市議会全員協議会が11月22日に開催されました。
この協議会には、①地方自治法が改正されたことにともない、収入役を廃止し、助役を副市長に改め、一般職の会計管理者を置く。福祉部に市立病院の経営改革を担当する「調整監」を置く。保健センターの健康づくり推進担当副参事を独立させ、「健康づくり推進室」を新たに設置すること。②精明児童クラブ事業については、精明小学校の余裕教室を活用して、市の直営事業として学童クラブを設置する。そのための改修費用、人件費などを補正予算として計上していること。③企業誘致について、特定誘導地域(下川崎)に精密機械部品加工業、(従業員雇用25名)の株式会社ワイテイアイが新工場を建設することが決まったこと。④「桜の森」構想については、斎場前から宮沢湖までのハイキング道周辺とすること⑤庁舎別館の組織配置については、一階に生活安全課、商工観光課、市民参加推進課、農林課・農業委員会、二階には、教育委員会所管課と環境緑水課、エコツーリズム推進室などが入る予定であること。⑥新光・双柳地区における地下水汚染では、椿本チェーンの他にニットー冷熱製作所が汚染源として特定され、浄化対策を講じていくことなど13項目について報告されました。
保育料を引き下げ保護者の負担軽減を
すぎのこ保育園が保育の充実を求め、市と交渉
すぎのこ保育園は、園長・保育士、父母の会代表者が市・こども家庭課と新年度予算について、要望と懇談を行い金子敏江市議が参加しました。
大河原よしえ園長は、「飯能市では、公立保育所の民営化が検討されているということですが、経費節減を目的にした民営化は、『保育の質』の低下につながるのではと心配。建物ならリフォームできるけれども子どもはそうはいかない。人格の基礎を築く幼児期にお金をかけてほしい。名実ともに《子育てするなら飯能市》といえるようにしてほしい」と挨拶しました。続いて、要望書をもとに懇談しました。
障害児加配について
現在障害児2名(5歳児、2歳児)は一日にわたり大人の援助が必要ですが、国・県の補助金が保育士半日分の人件費しかつかないので、実態に見合ったものにしてほしい。障害児の担任をしている高橋さんは、「実際に保育現場を見に来てほしい」と強く要望しました。
職員給与調整費補助金の増額を
平成16年に県の補助金「職員処遇改善費」がカット。その後17年だけ市単独で補助金をつけましたが、18年には廃止。「経験年数が長くなればなるほど公務員との給与格差は大きくなるばかり。職員給与調整費補助金を増額してほしい」と求めました。
保護者会会長の小林さんは、「同じ所得階層でも入間市の方が保育料が月額8000円位低い。これは保育料の基準表を所得階層別にきめ細かくしているからで、飯能市も同様にしてほしい」と要望しました。
早急に住民の望む下水道の整備を
下水道審議会開かれる
飯能市の下水道処理は昭和41年から始まりましたが、普及率は未だに五八・八%にとどまっています。入間市や狭山市は市で処理施設を持たず荒川右岸流域下水道を利用し整備を進め、飯能市より後から始めたにもかかわらず、狭山市90・4%、入間市84・7%と高普及率となっています。進捗の思わしくない下水道整備や今後の下水道施設などについて協議を行う、第二回の下水道審議会が22日開かれました。当面の整備スケジュール、19年度の工事予定、老朽化した浄化センターの再構築問題などが議題となりました。
当面のスケジュールでは特に区画整理地内の整備予定が協議され、阿岩橋の架け替えと下水道菅の敷設方法、阿須ポンプ場の容量アップなどの諸問題をどのように解決して行くのかが大きな話題となりました。区画整理のため整備の進まない岩沢地区では、今年度、隣接する入間市が市境まで整備を進めた所もあり、付近住民にとって、なんともやり切れない状況も生まれています。区画整理では、岩沢地内の阿須小久保線の整備、換地設計の見直しが行われていますが、住民は見直し後、早急に整備が進められる事を望んでいます。審議の中でも、この地域の整備は最優先で進めるようにとの意見が多く出されました。今後、具体的な計画を住民に示し整備を進めていくことが求められます。
今後の課題として処理能力が不足している原市場浄化センターや永田台団地下の県道で休止になっている下水道の検討も進めなければなりません。
最低年金保障制度を
年金者組合が市と懇談
年金者組合飯能支部(野尻一夫支部長)は16日、市内の年金生活者の実態や税の軽減措置などの問題で市の担当者と懇談しました。
「飯能市の国民年金受給額の平均は、年額62万5000円(月額約5万2000円)、厚生年金では、99万4000円(月額約8万3000円)であること。無年金者の実態は把握できない」と回答がありました。
参加者から、「増税で年金生活者の暮らしは苦しくなっている。11月1日の広報に住民税が変わらないとあったが、年金控除が廃止されたことなどが考慮されていないのではないか」と質問があり、「今まで色々とお知らせしているので、今回は税源移譲について、お知らせしたもの」と増税については全く含んでいないことを認めました。
最後に「最低保障年金制度を国に求めてほしい」と要望しました。
波紋(コラム)
寒いですねという挨拶が多くなりました。そんな中で美杉台の寒桜の話題や、知り合いが畑に咲いたといって届けてくれた菜の花が心をなごませてくれます。花瓶にさした菜の花はそこだけぽっと春の雰囲気です。ぬくもりはいいなと思います▼いじめや自殺の背景には、受験だけを目的にした過度の競争教育があると言われています。学校のほかに塾などというものがある国は世界でも珍しいのだという記事も読みました。子どもたちは異常な世界で、友だちより良い成績をとらなければ「負け組」になってしまうと日々脅迫されているのです。ぬくもりなどとは無縁の世界でストレスがたまるのはあたりまえです▼いじめ・自殺根絶にむけての沢辺市長と市教委の緊急アピール。いじめ・自殺を克服するきっかけになって欲しいと思います。でも、それには今の学校教育に対する真摯な反省も必要です。市長や市教委にはその覚悟があるのでしょうか。問われているのはそのことです。