新飯能1542号
山手用地取得基金半年で10億円に
市民生活にしわ寄せ!?
土地開発公社が平成11年4月に、20億円超で購入した山手町用地は、利用計画が明確にならないまま、簿価がふくらみ現在22億円にもなっています。
この土地を買い戻すために、平成18年3月議会で「山手町用地取得基金」が設置され、17年度3月補正で5億円、18年度当初予算で2億円が積み立てられていました。9月議会の補正予算でさらに3億円を積み増し、基金総額はわずか半年間で10億円にもなりました。
市は、「決算で繰越金が多く出たため、この際に基金に積み立てた」と説明していますが、各部所で不用額が多く、総額では約10億円にもなっています。民生費では生活保護扶助費、障害福祉扶助費などで4億円も不用額となっています。
金子敏江市議が、質疑の中で、「無理に不用額を作って積立金にしたのではないか」と指摘したのに対して、財政課長は、「余裕財源で事業を行うことも選択肢ではあるが、市の直面している負債の解消のために土地開発公社からの用地取得基金に積み立てた」と答弁しています。
繰出金の引き上げを最優先
下水道会計では、下水道整備の起債充当率が今までの95%から100%に拡大されたことから、下水道事業債を全額市債(借金)に振り替え、1000万円の繰入金を一般会計に戻しています。
新井巧市議は、「一般会計からの繰出しを減らすために下水道の借金を目一杯した形になるのではないか。これが財政担当の方針か」と質したところ、「そうした方針のもとに少額でも一般会計に戻せるものは戻すという形で財源振替を行った」と答えています。
また国民健康保険会計では、前年度繰越金1億7000万円も引き上げるなど、他会計への繰り出しは徹底して減らし、予算計上してあっても絞りに絞って不用額を出すという財政方針が今回の補正予算に現れています。
土地開発公社の負債処理が市民生活にしわ寄せとなっている実態が見て取れるのではないでしょうか。
平和の歌声響かせて
原水爆禁止世界大会報告会
原水爆禁止飯能市協議会は9月15日、06年原水禁世界大会に参加した柴崎康夫、金子均、丸山一男さんの報告集会を行いました。柴崎さんは、北海道礼文島から82日間かけて東京まで平和行進を行っての参加でした。
3人の報告後に、アコーディオン奏者の新井幸子さんの演奏に合わせて、「折り鶴」「原爆許すまじ」など平和を祈って合唱しました。
産科・小児科医の確保を求める意見書採択
日本共産党は、9月議会に五本の意見書案を提案しましたが、「産科医及び小児科医の確保に向けた抜本的な対策を求める意見書」を全会一致で採択し、国に提出しました。意見書では、「医師不足が大きな課題となっているが、産科・小児科といった特定診療科の医師不足は安心して子どもを生み育てることに支障が生じている」として国が責任をもって抜本的な対策にあたるよう」求めています。
「障害者自立支援制度の充実を求める」意見書は、自民ク、市民ク、公明党の反対で採択できませんでした。公明党は、党本部が要求し、若干の改善措置(追加措置)が講じられたとして、意見書の提出に反対したもので、自立支援法の問題点を全く理解していない対応です。
市立病院の入院廃止とんでもない
新井たくみ市議の一般質問
新井たくみ市議は、9月議会の一般質問で、「市立病院の入院廃止問題」を取り上げ、市長の見解をただしました。
保健と福祉の将来を考える懇談会が、9月7日に出した最終報告案は、「市立病院として入院機能を残す必要性は薄い」「医療職の退職者補充のための採用は停止する」などとして、「病床規模を段階的に縮小し、将来的に入院機能を廃止する」としています。
新井市議は、8月末に実施した住民アンケート結果を示して、「無床の診療所への格下げがやむを得ない」と答えた人は4%、「他に病院があるから入院がなくなっても困らない」と答えた人はわずか2%で、「高齢化が進んでいる山間地では入院施設がなくなったら大変困る」という人が96%だったとして、アンケートにぎっしり記入された声を紹介しました。
「山の中に住む私たちは、この病院が頼りです。車も運転できず、他の病院には行けません。やたらと寂しい地域になってしまう」このアンケートをどう思うかとただしました。
沢辺市長は、「あった方がいいか、ない方がいいか、聞いたらあった方がいいと答えるのは当然だ。(廃止について)しっかり説明していく」「懇談会がここまでの議論をだしてあるので、地元への対応、職員の配置などの問題をソフトランディング(段々と落ち着かせること)できるよう説明していきたい」と答弁しました。
委託労働者の賃金の確保を
新井 委託業務についても、労働者の賃金、労働条件などを把握し、チェックをしていくことが必要だ。3月に入札した委託事業で小岩井浄水場の落札率が65%、原市場スクールバスは68%。空き缶収集業務は25%だ。賃金・労働条件はどのように見積もられているか。チェックはされているか。
本橋企画政策部長 全体ではチェックしているが、個別には労働契約によって支払われているもので把握していない。
臨時職員にも一時金を
新井 労働基準法は「同一労働、同一賃金」の原則をうたっているが、正規職員と同一の労働をしているのであれば、勤務時間に比例した賃金が支給されるべきだ。また手当や福利厚生においても同一の扱いをすべきだ。パート労働者に一時金を支給している自治体が県内で40市中、23市ある。飯能市も支給できないか。
小沢総務部長 今まで通りの支給としたい。
公立保育所民営化 保護者への説明、同意を得て
金子としえ市議の一般質問
金子市議 児童福祉法に基づいて国と自治体の責任で全国どこへ行っても一定水準の保育サービスを受けることができる。ところが「官から民へ」と、自治体が公的責任を放棄して、公立保育所を民間委託や民営化する動きが起こっている。
飯能市は、17年度中に一部公立保育所の民営化を実施すると言っていたが、これを延期して慎重に対応したいとしている。庁内では三年間の論議をしてきているとのこと。具体的に民営化の形態等の検討がされているのかどうか。
清水福祉部参事 民設民営(移管)の場合は、地域のニーズに迅速に対応できる。公設民営(委託、指定管理者制度)の場合は、低コストで行政の意向を反映しやすいというメリットがある。反面、施設の維持管理費を市が負担すること。行政のしばりによって法人の自主性が発揮しにくいというデメリットがある。また、公設民営の場合には複合施設であっても可能だが、民設民営の場合は、複合施設ではむずかしい問題がゆくゆくは出てくるだろう。民間に移管する場合は、単独施設が望ましいと考える。いずれにしてもまだ結論はでていない。民営化の方向、対象施設の選定については、慎重に議論を続けていく。
金子市議 なぜ民営化をすすめなければならないのか。多様なニーズというが飯能の公立保育所は保護者のニーズに応えてがんばっているではないか。子育てが困難な時代だからこそ、市が子育て環境の充実に向けて積極的に取り組むべきである。民営化の理由、根拠は何なのか。市民に説明する必要があると思うが。
福祉部参事 公立は民間と比べてコストが割高であること。多様な市民ニーズに積極的に対応して行くために民間運営のメリットを活用することは不可欠であること。
市の裁量権を逸脱した行為
金子市議 横浜市が公立保育所の民営化を強引にすすめ、保護者の反対を押し切って、三ヶ月という短い引き継ぎ期間の中で児童・保護者に大変な混乱と被害をもたらした。これら保護者の訴えに対して横浜地裁は、市の対応に対して【児童福祉法に違反する行為、市の裁量権を逸脱した行為】だと厳しく断罪した。これを教訓として飯能市でも丁寧な対応が求められると思うがどうか。
福祉部参事 横浜市の裁判の判決については、大変きびしいものが出ていると受け止めている。飯能市としても判決の内容を検討するとともに、保護者会への説明を十分に行い、同意を得ながら、子どもたちのために民営化をはかって行きたいと考えている。
公立保育所で多様なニーズに応え努力
●朝夕の延長保育●地域での交流保育や子育て相談は全施設で実施●延長保育も富士見、八幡保育所では夜7時まで実施。●産休明け保育は、乳幼児10ヶ月児からスタートさせ、その後8ヶ月児から受け入れ、今年美杉台、加治東保育所で六ヶ月児からの受け入れを開●美杉台保育所での一時保育●加治東保育所での子育て支援センター「どんぐりルーム」。
波紋(コラム)
近くの公園に散歩するのが日課だったという保育園児の列に乗用車が突っ込み2児が死亡、3児が重体という川ロ市でおこった事故に胸が痛みます。あってはならない事故ですが、とても他人事には思えません。福岡では飲酒運転で3児が死亡した事故があったばかりです。どうして幼い子どもたちがこんなひどい目にあわなければならないのでしょうか▼事故にあった保育園は午前9時頃からの近くの公園への散歩を日課にしていたということです。散歩も毎日となると大変です。どうして毎日なのかというと、川口市の公立、私立の52の認可保育園には基準どおり園庭がありますが、認可外の52園の大半にはなく、近くの公園が園庭がわりになっていたというのです。事故にあった園にも園庭はありませんでした▼園庭があれば事故が防げたというほど単純なことではないのかもしれませんが、こんなにも子どもが粗末にされているのかと思うと悲しくなります。こんな事故はもうたくさんです。飯能市でも外出時の安全調査などきちんとした対応をして欲しいのですが。