新飯能1546号
市立病院の入院廃止問題
わずかな議論で決めては困る - 必要な医療は公的責任で
150名の参加で会場いっぱいの学習会(挨拶する高沢支部長)
飯能市立病院を良くする会準備会が呼びかけた、病院問題の学習会が、21日に東吾野公民館で開催されました。地元自治会長や住民、患者ら147名の参加で、公民館集会室は満杯になり、ロビーなど会場の外まであふれました。
住民不在の計画だ
自治連東吾野支部長の高沢謙蔵さんが、開会に先立って挨拶。「市立病院の入院廃止ということは正式には話がない。いきなり広報に出されるなどということは住民不在でとても認められない」と批判しました。
講師の桂木誠志さん(医労連書記次長)は、「転換期の公立病院 - 住民が求める市立病院にするために」と題して講演を行いました。
最初に医療を巡る情勢についてふれ、医師や看護婦不足の問題、医療改悪により、患者が病院から追い出される状況が生まれていることを紹介。「公立病院はこの地域のように不採算医療という役割を担っており、税金が投入されて当然。民間ではできない医療として位置づけられていることをしっかり見なければならない」と強調。「公立病院の今後の在り方を考えるときには、市民要求の把握と市民参加という視点が重要だ。そうした点から見ると保健と福祉を考える懇談会が出した入院廃止案は、乱暴なやり方だ。市民に求められる病院にしていくためには、市立病院と他の診療所、医療機関との連携や役割分担という視点が求められるのではないだろうか。また、地域活性化の観点からも地域から一企業が撤退するのと同じことで、地域の衰退にもつながる」と指摘しました。
火事は初動の3分が大事
桂木さんは最後に、「火事は最初の3分が大事。初動で入院廃止にストップをかけることが大事だ」と講演を締めくくりました。
わずかな議論で 決めては困る
自治連吾野支部長の大野孝さんは、「懇談会がわずか数時間の論議でこんな重要な結論を出していいのか。市長はホットミーティングでは、地域の意見も聞き、同時にきちんとした調査もしたい。慎重に運びたいと答弁している」と発言しました。
参加者から、「11月6日の懇談会の最終報告を決める会議に大勢で参加しましょう」と積極的な意見がありました。
参加したお年寄り(71歳男性)は、「とってもいい話でよくわかった。赤字だと言われていたので肩身が狭かったが確信になった。今後益々公立病院の役割が大きくなるのではないでしょうか」と感想を語っていました。
病院を良くする会を発足 - 署名運動を呼びかける
飯能市立病院を良くする会準備会から、「申し合わせ事項に基づいて、飯能市立病院良くする会を正式に発足させ、入院廃止に反対するとともに、市民にとって良い病院にするようみなさんと力を合わせていきたい。当面、署名運動に協力をお願いしたい」と、訴えがありました。
第2回市民学習会
日時 11月25日(土)午後1時30分~
場所 東吾野公民館ホール
講師 金川佳弘さん
青森県五所川原市立西北中央病院勤務/西北五地域医療を守る住民の会役員/自治労連医療部会
講演テーマ 飯能市立病院の分析と再建方向について(仮題)
手をつなごう - 子どもたちの今、そして未来のために
保育合同研究会報告集会を開く
20日、富士見公民館で全国保育問題研究集会の飯能実行委員会が報告と学習会を行いました。
8月5日から3日間、埼玉を会場に、全国から保育所や幼稚園の保育者・保護者・経営者などで、保育や子育てについて実践を交流しあい、今後の保育に生かしていこうと1万人が集いました。開催地は毎年持ち回りで今年の会場は埼玉県、実行委員会が企画から運営まですべておこないました。この集会に飯能から70名以上が参加しました。
公立・私立で実行委員会作る
実行委員長の大河原よしえさん(すぎのこ子保育園園長)が、「38回目となった『合研』に初めて公立、私立で実行委員会をつくって取り組むことができ、大成功だった」と挨拶し、報告では保育暦3年目の男性保育士、中里さんが駐車場の要員として猛暑の中奮闘した様子、参加者との熱い心のふれあいや連帯を感じたことが報告されました。保護者の林さんは、分科会で「父親と保育」に参加した感想を述べました。公立保育所から参加した保育士さんは、レベルの高い研修会だったと前置きして、駐車場係だったが、参加者の熱気に暑さも忘れたこと。分科会では神戸や名古屋、吉川市の民営化に対する取り組みを学んだこと、精神科医の香山リカさんの講演の感想などが報告されました。
民営化で弊害が
浅井春夫さんの講演では、いろんな形の民営化が進んでいるが、現在2万2600ヶ所あるうち2%が企業参入、三鷹市ではベネッセコーポレーションになり、監査も「企業秘密だから」と拒否、再三の要求に、こどもの昼寝時に限って実施したこと。中野区では契約と異なり保育士のほとんどが一年契約の職員だったこと。品川区では一年で20名以上がやめてしまったなど。採算重視になることは明らか。子どもが一番最初に受ける保育は社会的に保障すべきでここにお金をかけるのは当然。子どもたちの利益を守るために勉強し、人と手をつなぎいでいこうと呼びかけました。
最後に実行委員会から「手をつなごう、子育ての輪」として引き続き、取り組んでいくことが確認されました。
山間地振興の動き始まる
井上・山の子会が間伐講習会
今年から始まった吾野・東吾野・名栗・原市場・南高麗地域など山間地域を対象にした山間地域振興事業は、47件が決定し、花による地域づくり、農作物販売促進、景観間伐促進事業などが開始されています。
東吾野の井上・山の子会(浜中政雄会長)は、花木の植栽と森林の間伐・草刈りなど地域で進めていく計画ですが、第一回の事業として、22日に間伐講習会を行いました。
この講習会には、森の番人の鈴木伸一さんや地元の経験者がリーダーとなってチエンソーや草刈り機の安全な扱い方について指導してもらいました。間伐する杉を狙ったところへ倒すための受け口切りやロープ上げなど実習しました。
山の子会では、11月12日に地域住民の参加も呼びかけ、手打ちうどんやバーベキューなどで発会式を計画しています。
市民要求実現の立場で奮闘
党議員団が9月議会報告会
25日、日本共産党飯能市議団は、9月議会の報告会を市民会館で開催しました。
九月議会の特徴として、金子敏江市議団長からは、国民健康保険の条例改正により葬祭費が10万円から5万円に引き下げられた事、補正予算では平成17年度の様々な事業の切り詰め、特に福祉関係の大幅な削減により9億7500万円の繰越金が計上され、財政調整基金に6億8000万円も戻し、山手町用地の取得基金に3億円が積み立てられたなど、市民の福祉やサービスを犠牲にしている市の姿勢が浮き彫りになりました。一般質問では高齢者の負担軽減の取り組み、保育所の民営化などを報告しました。山田利子議員は障害者施設や利用者の現状を調査し、利用者負担軽減や事業者への財政支援策を求め議会で追求をした報告。新井巧議員からは市立病院の入院廃止問題について地元住民との共同した取組が紹介、報告されました。滝沢修議員は、老朽化が著しい双柳学童クラブの建替え問題や精明学童クラブの早期開所に向けての話がされました。
参加者からは市議団の取組がよく解かった、これからも市民の立場にたって奮闘してほしいとの激励が寄せられました。
波紋(コラム)
津南から秋山郷に向かいながら、新潟県中越大震災から丸2年を迎えたことが話題になりました。もうすぐ三度目の冬がやってくるというのに被災地では現在も1500世帯4600人もの人たちが仮設住宅での生活を強いられています。政府は「日本は私有財産の国だから個人の財産への補償はできない」と、公的支援をかたくなに拒んでいます。憲法上の制約は何もないのにです▼狭い国道に入るとはるか下に川の流れが見えてきて緊張します。のよさの里で食事をする予定でいたのですが、いっぱいで断られてしまいました。この辺は昨年の大雪で道路が寸断されてライフラインが止まってしまったところです。こんな美しい紅葉の里もまもなく雪にとざされてしまうのでしょうか。雪害の少ないことを祈るばかりです▼やっとたどりついたお店で昼食にありついのですがそこにはもうストーブの火が赤々と燃えていました。