新飯能1544号
飯能市立病院入院廃止 十分な説明と住民本位の対応求め
党議員団が市長に申し入れ
17年度に設置された保健・福祉の将来を考える懇談会は、最終報告案として①「予防」の進め方、②保健・福祉における「協働」の進め方、③市立病院のあり方について、10月1日付の広報はんのうに掲載し、市民の意見を求めています。特に、市立病院のあり方については、つぎのように記述しています。
●多額の公費を投入して市立病院に入院機能を残す必要性は乏しい。
●本懇談会では、あくまで現状を前提とし、改善に向けて一歩一歩前進するための方策を探ったが、今後の方向性としては、外来は従来どおりにしっかり残し、往診・訪問着護の充実により地域医療の確保を図ったうえで入院については段階的に縮小し、将来的には廃止する方向性が妥当と考える。
●速やかに具体的な対応を決定し、早期に改革を実行することを望む。
などとしています。
沢辺市長は、9月議会新井市議の一般質問に、「保健と福祉の将来を考える懇談会がここまでの結論(将来入院を廃止する)を出していただいたので、有識者会議では住民説明、職員の配置転換など具体的な問題を議論してもらう場になる」と答弁しています。
自治会長さんも激怒
地元の多くの自治会長さんは、「こんな乱暴なやり方は初めてだ。ホットミーティングの話と全く違う。納得いく説明が必要だ」と怒っています。
こうした状況をふまえ、日本共産党飯能市議団は10日、沢辺市長あてに左記のような申し入れを行いました。
対応した大山助役は、「これは懇談会としての報告で、市としての結論ではない。申し入れの内容はよく分かりました」と答えました。
議員団は、「保健と福祉の将来を考える懇談会が市立病院の入院を廃止するなどという具体的な結論を出すべき性格の会ではないのではないか」と指摘しました。
議員団では「懇談会」に対しても、申し入れを行う予定です。
市長あての申入書
1、「入院をなくして市立病院を診療所にする」という重大な問題を市民・住民に説明もなく、懇談会の結論とするような乱暴なやり方はやめ、市として十分な説明、意向調査など行うこと。
2、有識者会議が検討を始めるにあたっては、懇談会が出した「最終報告」を前提にするのではなく、十分な調査と分析、市民・地域住民の意向調査、影響調査を行い、市民の納得と合意を 大切にして検討をすすめること。
3、「入院の段階的縮小・廃止」という結論先に ありきではなく、いかにしたら経営を健全化できるか、市民のための公立病院としてどのような改善が必要かなどについて、真剣に検討を行うこと。
学習会と病院を良くする会(仮称)結成の呼びかけ
第1回 10月21日(土)午後1時30分~
東吾野公民館ホール
講 師 桂木誠志さん
日本医療労働組合連合会書記次長
テーマ 転換期の公立病院
- 市民に必要とされる病院にするために -あいさつ 自治労連県本部委員長、地元自治会代表
問題提起 飯能市立病院をめぐる状況と
私たちの取り組み
*飯能市立病院を良くする会・結成の呼びかけ
第2回 11月25日(土)午後1時30分~
東吾野公民館ホール
講 師 金川佳弘さん
青森県五所川原市立西北中央病院勤務
西北五地域医療を守る住民の会役員
テーマ 飯能市立病院の分析と再建方向について(仮題)
17年度決算
庶民増税 冷え込む市民生活に追い打ち
平成17年度決算特別委員会(大久保勝委員長、日本共産党から金子敏江委員)が、9月29日から11月7日まで、計5日間開催されます。
現在までに2日間質疑が行われましたが、特に市民にとっては庶民増税が、また地方自治体にとっては「三位一体の改革」で地方交付税が減らされるという、国の悪政がくっきりと数字に表れました。
個人市民税では、給与所得者の所得階層が大きく変化してきていることが分かります。
所得減 大幅に増える
平成12年から17年までの5年間でみると、給与所得者の全体の人数は約2万8300人とほとんど変わりませんが、所得5万以下~200万円未満までの階層が940人増。200万~700万円未満の階層が780人減。700万~2000万円超の階層は140人の減。ただしこの階層の内、700万~1000万円までの階層では、16年と比べて449人から542人と93人の増加となっています。
庶民には一億円超の大増税
17年度の庶民増税としては、新たにサラリーマンの妻に対して均等割りが3000円課税され、17年度は半額課税で全体で890万円(5920人)、配偶者特別控除の廃止で1億810万円(10371人)、併せて1億1700万円の増税となっています。
行き過ぎ 金持ち・ 大企業減税
一方、所得七百万円超の高額所得者へは、税率12%から10%に軽減され、全体で1億500万円、株式譲渡所得についても全体で1400万円の減税となっています。
また、大企業の減税は、1億2600万円で、高額所得者と大企業への減税で、本来市に入ってくるべき税金が国の減税策で2億4500万円の減収となっています。
さらに国から地方自治体への削減額は、これに輪をかけて平成16年から3カ年の「三位一体の改革」の17年度は、地方交付税など4億7000万円の減収となりました。
ところが国は、財政危機をあおる一方で、80兆円を超える金余りがあり、これが株や投機に回っています。国民の暮らしを押しつぶしながら、行き過ぎた金持ち減税と地方財政を圧迫するような税金の使い方は、先進国の中でも特異なものとなっています。
市は、声を大にして地方自治を守れと強力な運動を展開しなければなりません。
九条の会・飯能 1周年記念
松元ヒロ 憲法を語る 憲法を語り、広げよう!
昨年10月1日結成された「九条の会・飯能」は、街頭での宣伝、署名運動や憲法学習会を重ねてきましたが、一周年を向かえた10月8日、世相風刺のコントで全国各地を回っている、松元ヒロ氏のソロライブを開催しました。
午後6時30分に開会され、ライブに入る前に青年や平和活動家など5人の方から、九条改悪に反対するそれぞれの思いが語られました。裁判官として活躍され退官後弁護士をされている、山手町在住の安倍弁護士は、少年時代の戦争体験から「戦争では死にたくないと思ってきた。終戦を迎えた時これで死なずにすむと思った、新しい憲法ができて、これからは戦争のない世の中になるんだ」と当時の思いを語られ、その後は憲法を生かす裁判官として司法に携わってきた経験が話されました。7時30分から始まった松本ヒロさんのライブは、厳しい世相風刺が笑いとともに表現され、会場を魅了していました。憲法君のコントでは日本国憲法の前文がいかに大切なものであるか、胸にすっと落ちる語たりに、さらに大きな運動を誓い閉会となりました。
波紋(コラム)
その人形に出会ったのは志賀高原の入り口の神林温泉にある志賀高原ロマン美術館でのことでした。美術館には食事のついでに寄ったのですが、その程よい大きさの美術館の一隅に、そこだけ縁側のぬくもりを感じさせるような雰囲気で人形が展示してあったのです▼そのなつかしい人形たちが入間市の博物館にやってくると聞いてエッと思いました。〈高橋まゆみ創作人形展ー故郷からのおくりものー〉です。忘れていた大切なものを探しに行きませんかのフレーズも心地よく記憶の底の世界に私たちをいざなってくれます。ちょっと前まではいたであろうじいちゃんやばあちゃんの微笑ましい姿はとても人形とは思えない不思議な世界をつくり出しています▼話は飛びますが世界中の世論に挑戦して核実験を強行した北朝鮮の指導者たちはいったい何を考えているのでしょう。核を持てば人間を支配できると考えたらそれはとんでもない間違いです。何か大切なものを忘れていませんかと人形たちは核の亡者たちにそう問いかけているようにも思えます。