新飯能1541号
老人医療 - 障害者控除の適用で 3割から1割に戻る
高齢者の医療費連続負担増に
吾野在住のNさん(75歳女性)は、86歳の夫と二人暮らしですが、「医療費の自己負担が8月から2割に、10月から3割になる」という市からの通知に驚いて新井たくみ市議に相談がありました。早速、調べて見ると、今年の医療改悪で、70歳以上のお年寄りの現役並所得の基準が100万円以上も下げられたため、今まで一割だった自己負担が2割に、10月からは3割になってしまうことが分かりました。
さらに、気の毒なのは、同じ健康保険証ですから、奥さんの年金収入が少なくても夫婦とも3割負担になってしまうことです。
障害者控除の適用
新井市議とNさんは、介護保険課に行き、Nさんの夫が要介護1に認定されていることから障害者控除の認定を申請し、所沢税務署に更正の請求を行ったところ、所得税・住民税が5万円程度返還されることになりました。同時に、現役並所得基準145万円を下回ったために、老人医療の自己負担の適用も一割に戻ることになりました。
Nさんは、「5つもの病院にかかっているので、自己負担が3割負担と聞いてとてもショックでしたが、一割に戻ってよかった。年寄りは制度のことは分からないので、相談して良かった」と大変喜んでいました。
現役並みの所得基準が引き下げに
所得税・住民税が増税になった上に、8月から基準が見直され、「現役並み」の収入基準が百万円以上も引き下げられたことで、全国では90万人のお年寄りを直撃しています。飯能市では、500人以上が新たに「現役並み」となり、10月から約1000人ものお年寄りが3割負担になることが、9月議会の質疑のなかで明らかになりました。
来年度以降もさらに、増税と負担増が押し寄せます。高齢者の増税と負担増をストップさせる運動を強めなければなりません。
介護保険料 先取りで大幅値上げに
65歳以上の方に介護保険料の通知が届き、「保険料が値上げされた上に通知額より多いのでは」という問い合わせが寄せられています。
担当課に問合わせてみると・ ・ ・ 。こんな仕組みが!
Aさんの場合、通知額は6段階で6万3000円。17年度保険料は、50400円ですから1万2600円の値上げです。ところが、4~9月分の前年の所得が確定していないため、3回は仮徴収ということで2月を基準に前年と同額を徴収します。今年度分は、値上げ分から仮徴収合計額を引いた額を三回分で割り、来年度の仮徴収額も同様な額を徴収しますから、2万5200円もの負担増になってしまうのです。
さらに来年の増税でさらに段階が上がる可能性があるのです。
「障害者控除」の制度
要介護認定の通知時に周知
年金は減っているというのに、市県民税や介護保険料、国民健康保険税が雪だるま式に増える高齢者への大増税。
金子敏江市議は一般質問で、高齢者の税負担を少しでも軽くするために、「要介護認定者」が「障害者控除」を活用して、税の軽減ができることを該当者に徹底して周知するよう求めました。これは、本人が申請しないとできないので、市が直接該当者に対して、制度の周知を求めたものです。
寺田福祉部長は、「要介護認定を受けている人に対して、個別通知は考えていないが、要介護認定の結果を通知する際に、合わせて障害者控除の制度の周知を行うことを検討したい」と答弁しました。 今年四月時点で、要介護認定を受けている人は、約2300人。その内、控除申請をした人は、40人にとどまっています。
区画整理 願いは下水整備と雨水処理
滝沢おさむ市議の一般質問
滝沢市議 住民の皆さんから、「区画整理事業の見直しはわかるが、下水道の整備は具体的にどの様に進めていくのか」との意見、要望がたいへん多くあります。大雨が降れば雨水を処理できなくなり、側溝から溢れ出た水が宅地に侵入したり、掘りごたつから雨水が溢れたり、雑排水を吸い込ませるために、何箇所も場所を変えてきたが、もう掘る場所がない、区画整理が進まないので単独から合併処理浄化槽に変えたが補助金も出ない、この様な実態ですから当然です。度々この問題を質問してきましたが、現在岩沢の南北では換地設計の見直しが行われており、見直しのなかで下水道、雨水処理問題も一緒に考えて行くとの答弁でした。住民の切実な要望を具体的に計画の中に示さなければなりません、改めてこの問題について御伺い致します。
双木建設部参事 現在進めている換地設計の見直しは、下水道が見直し後早期に整備が可能となる方向を視野に入れながら検討しているところです。雨水処理については下水道と一緒に整備をして行くところですが、下水道整備を優先するため当面は区画整理事業の中で暫定的に排水処理を行なって行く必要が有ると考えています。
コンサル任せでなく住民意見の反映を
滝沢 岩沢南北の見直しはそれぞれコンサルに委託して作業を行っていますが、今までも、岩沢北部の審議会では、現在の計画についてコンサル任せで、住民生活をまったく無視した換地計画、換地設計との意見が出されていました。見直しにあたっては、この様な事のないよう、住民の切実な願いが十分反映された計画とすべきと考えますがいかがですか。
参事 現在見直し作業中ですが、コンサルとも度々協議を行っていまして、今後の計画のなかで出来るだけ早い整備が出来る方法となるよう道路整備等を見直しています。
見直し後、最優先で整備を
滝沢 また、下水道審議会でも区画整理地内の下水道整備は最優先の課題としていますが、下水道課としての整備方針について御伺いをいたします。
木村上下水道部長 区画整理地内の下水道計画については、区画整理の道路計画の整備に合わせた計画となっており、区画整理の進捗に大きく影響されるところです。現在区画整理サイドで事業の見直しを行なっていますが、見直し後にその道路計画に沿って、汚水、雨水管渠の変更認可を同時に戴かなければならないことや、阿岩橋の掛け替えに伴い、下水道管の敷設方法の検討も必要です。今後、引き続き区画整理担当とも十分協議をしながら進めて参ります。
障害者自立支援 負担軽減と財政確保を
山田とし子市議の一般質問
山田市議 障害者自立支援法が10月から本格的に実施となるが、4月からの利用料一割負担に加え、舗装具、障害児施設も一割負担となり、障害者、家族の負担ははかりしれない。
◎〈ディサービスに週4日通所のUさん〉障害者年金66600円と工賃1000円程度の収入。親の収入や預貯金等で軽減対象外となり、利用料が送迎バス代含めて24000円。一気に大きな負担増となり、利用日数を増やすのは無理。
◎〈施設入所のKさん〉週、2泊3日の帰宅。8万円強の年金収入で利用料は約5万。ジュース、散髪代の予備費、衣類の購入等でぎりぎりの生活。世帯分離せず親との同居では利用料が月12万円にもなり、年金だけではとても足りない。親が高齢になったり、収入がなくなったら障害者はどうなるのか。一方、利用者が通所、入所をひかえれば減収となる事などから、現在、300近い自治体が利用料の軽減や作業所への補助金交付を決めている。市も独自施策を講ずるべきではないか。
福祉部長 公平な負担が制度改革のねらいである。市独自の軽減は考えていない。
山田 収入の三分の一にもなる負担が公平と言えるのか
福祉部長 細かくはそういうこともでてくるだろうが市としてはこの制度にのっとってやっていきたい。
*山田市議は、地域生活支援事業は市の裁量で出来る事業であり、障害者の立場にたって負担を求めずに実施すべき。また、この制度の問題の根本は応益負担にある。国に向けて応益負担の撤回と制度の見直しを求めるよう強く要望しました。
給食検討委員会の報告を生かせ
山田市議 今年度も保護者会連合会から陳情書が出されているが、平成13年から三ヶ所の保育所を対象に完全給食実施に向けて委員会で検討。12年に報告書が出されている。ところが議会答弁は「財政難」を理由に「検討委員会で検討」「前向きに検討」の繰り返し、一体どういう事か?さらに6年間もほったらかしてきた理由は?
福祉部次長 検討委員会は現場の保育士や調理員など6名の委員が検討してきたが、当時の担当課が「これでは費用がかかりすぎる。実施は無理」という結論だった。
山田市議 施設の改修等も含め、計画的に実施すること。どうしたら子ども達に温かいご飯を食べさせられるか、真剣に検討を重ねてきた関係者の思いが理解できないのか。行政は継続性、計画性が重んぜられる。市長の見解は?
市長 内部での検討が市の事業として立ち上がらなかった。そういうことはままあること。そういうパターンの一つであったということ。と答弁。
*子育て支援をいいながら市は子どもたちを本当に大事だと思っていないことの証ではないでしょうか。
波紋(コラム)
図書館から本が入ったとの連絡がありました。リクエストしてからしばらく経っていたので、もう駄目なのかなとあきらめかけていた矢先のことで、忘れないで本をさがしていてくれたというその仕事ぶりにとてもうれしい思いがしました。前にリクエストした時には、他の街の図書館からわざわざ取り寄せていただいたこともありました。こんな時には思わずありがとうと言いたくなります▼本は「米寿快談」ー俳句・短歌・いのちーという金子兜太、鶴見和子の息もつかせぬ対談です。読むと圧倒されます。おせっかいになるかも知れませんが図書館にあるので興味のある方にはぜひ読んでほしい一冊です▼その中で俳句の季題と関連して、小林一茶が暮らしに役立たないような季題は季題ではない。自分は「景色の罪人」だ。つまり美しい景色が自分にはわからないから雪を美しいとは見ないと書いていることが紹介されています。自民党の安倍晋三新総裁の「美しい国、日本」を一茶なら「百害あって一利なし」とでも喝破するでしょうか。