新飯能1540号
市立病院 - 入院を段階的に廃止する?
保健・福祉懇談会が最終報告(案)
飯能市の保健・福祉の将来を考える懇談会(御船会長)が、9月7日開かれました。
①市民との「協働」の現状と今後のあり方②予防をとりまく現状③市立病院の現状と今後のあり方などが議論されました。
なかでも最終報告素案では、市立病院の今後のあり方が集中的に議論されましたが、「今後、多額の公費を投入し続けながら、市立病院として入院機能を残す必要性は薄い」「医療職の退職者補充のための採用は停止する」などとして、「退職者数や他部署への配置転換者の数に応じながら、最もコスト改善が図られる病床規模へ段階的に縮小し、将来的に入院機能を廃止する」としています。
ある委員は、「これまでの経営改善の努力は十分と言えるのか。もうしばらく検討が必要ではないか」「この懇談会として、そこまで結論を出すことが必要なのか」などの意見が出されましたが、「入院廃止」の方向が最終報告案として確認されました。
この最終報告を受け、今後、設置される市立病院の在り方を検討する「有識者会議」でさらに具体的な問題が検討されることになります。
懇談会としてふさわしい議題か
そもそもこの懇談会の設置目的は、「少子高齢化社会に対応し、将来にわたり市民生活を支えることができる持続可能な保健・福祉施策の在り方について検討する」というもので、病院の合理化を議題にすることがふさわしいか大いに疑問です。それよりも、報告案にある平成17年市民検診者(8171人)うち、「異常なし」なのはわずか7%であり、93%が「要指導」または「要医療」という現状に飯能市がどう対応していくかが求められているのではないでしょうか。
健康診断有料化で検診者数が2割減少
飯能市は、40歳以上の市民で、職場などで健康診断をしていない市民を対象に市民検診を実施しています。
ところが、今まで無料だった検診が1300円の有料化になりました。
今年の検診の実施状況を九月までで見てみると3656人で、昨年同期より、383人(19%)少なくなっています。昨年の結果から93%が「要指導」または「要医療」という状況からみて、重症化することが予想されます。
検診費用をケチッても、病気がすすんで治療することになれば、市民にとっても、市の国保財政にとっても大きなマイナスになります。10~11月の検診も残されてはいるものの、検証が必要ではないでしょうか。
市立病院の入院廃止問題で緊急アンケートを実施
日本共産党両吾野支部は、市立病院の入院施設を廃止する方向で検討がすすめられているなかで、住民アンケートを実施しました。吾野、東吾野地域を対象に、8月25日のサンケイ、読売、朝日、毎日新聞に1700枚の返信封筒付きアンケートを折り込み、これまでに、250人以上が回答を寄せてくれました。
「無床の診療所への格下げがやむを得ない」と答えた人は4%弱、「とんでもない」と答えた人が91%です。「高齢化が進んでいる山間地では入院施設がなくなったら大変困る」という人が96%でした。
過疎化を助長する
記述していただいた意見では、肺炎で入院したという70代の女性は、15年ほど前に転居してきた方ですが、「他の医大病院にも入院したことがあるがひけをとらないいい病院でした。この地域にこういういい病院があってうれしい」と書いています。また30代の女性は、「父が今月入院しました。先生や看護婦さんに親切にして頂きました。見舞いにも近いので毎日行けました。市立病院に入院できなくなったら本当に困ります」また70代の女性は、「山の中に住む私たちは、この病院が頼りです。車も運転できず、他の病院には行けません。やたらと寂しい地域になってしまいます」と切実に訴えています。
市長は、こうした声に真剣に耳を傾けるべきではないでしょうか。
手作りこんにゃくで美味しい唐揚げいかが
阿須まつり盛大に
10日、阿須まつりが障害者施設の阿須フレンドワークで盛大に行われました。午前10時の開会前から長蛇の列で、始まると同時にお目当てのコーナーにどっと流れ込みました。室内にはバザーや手作りコーナー、喫茶コーナー。外のテントでは、フレンドワークの仲間達が作った手作りこんにゃくが、煮物やさしみ、から揚げになって販売されていました。
保護者や、後援会の皆さんと一緒に、山菜おこわ、野菜、カキ氷、飲み物、的あてなども担当し張り切っていました。
子どもの楽しめる的あてコーナーでは、初めて来たという日高市の親子は「こんなにあたっちゃった!」と大きな袋にぬいぐるみがいっぱい。満足げにテントの下で休んでいました。この日はとても暑く、汗を拭きながらも皆さん満足した様子でした。施設長さんは、「国の制度が変わって四月から運営が大変になった。でも協力してくれる後援会の方や今日来てくれた皆さんのおかげで子ども達に、良いサービスが出来る」と語っていました。
飯能自動車学校のコアラ祭り 市役所で職場回覧?!
交通安全フェスティバル・コアラまつり2006が、飯能自動車学校の主催で9月18日、開催されます。
この催しは、飯能市も後援団体となっており、交通安全運動の一環とはいえ、実質は飯能自動車学校のPRの催しでもあり、市長の経営する企業の宣伝に飯能市が後援をすることにも大きな疑問があります。また、この案内チラシが市役所各職場で職員に回覧されました。職員からも「行き過ぎではないか」との批判の声があがっています。
日本共産党飯能市議団は、「沢辺市長が代表取り締まりの一企業の行事を飯能市が後援し、その案内のチラシを職場回覧するというのはいかがなものか」と申し入れたところ、秘書室長は「誤解を受けないよう回収も検討したが、回覧がほぼ終わっていることと、交通安全対策の一環なので問題はないのではないかと結論になった」と回答しましたが、問題は残りそうです。
波紋(コラム)
もう何日も雨が降り続いているような気がします。赤とピンクの小さなカサが二つ、楽しそうに通りすぎてゆきました。子どもはいいなあと思います。大人には秋雨は冷たく身に沁みます。そういえば鳴き急ぐようにがんばっていた秋蝉の声もめっきり少なくなり、夜ともなれば虫時雨があたりをすっぽりつつんでいます▼子どもはいいなあと書いたら、とんでもないと言われそうな記事が地元の新聞に載っていました。小学校での先生の子どもへの体罰です。担任の教師が指示に従わなかった7人の児童に体罰を加え、そのうち一人に鼓膜が破れるなど全治一ヶ月の怪我を負わせたというのです。こんな事件が近くの学校であったというのは大きな驚きです▼もう一つは小学校の校内暴力が初めて2000件を突破したことが文科省の調査で明らかになったことです。教師への暴力は前年比4割増といいます。どうしたらいいのでしょうか。悪いのは教育基本法だというようなねじ曲げを許さないためにも真剣な論議が求められているのではないでしょうか。