新飯能1519号
職員の賃下げと成績主義導入
いい仕事ができるだろうか
飯能市は、「給与構造の見直し」として①給与水準を平均4・8%引き下げ②特に中高年層を大幅に引き下げる③同時に、勤務成績を給与に反映させる「査定昇給」制度を導入しました。
この重大な賃金条件の変更が、職員との理解と納得なしに、三月議会に提案され、日本共産党以外の賛成で強行されたことは重大です。
その結果、行政職で最も下げ幅が大きい人は7・2%、3万6000円も下がり。技能職では、15.9%、実に5万8000円もの引き下げになる人もいるというという前代未聞のあまりにもひどいものです。
16年に調整手当を10%から5%に引き下げるなどで、国家公務員を100とする指数でも96に下がり、さらに、今回の改悪で埼玉県下でも最低の水準に。地域格差が一層広がりました。
地域経済にも影響
今回の改定は、公務員だけでなく、地域の民間労働者の賃金まで影響を及ぼし、くらしと地域経済に打撃を与えることは明らかです。
まずは公務員準拠を原則とした民間保育所、農協職員などは直接影響を受けるほか、民間賃金相場にも影響してきます。また生活保護費などについても、飯能市は三級地(所沢一級地、入間、狭山など二級地)ですが、級地の引き上げなどは一層困難になることは明らかです。
上司の顔色伺いばかりで物言わぬ職員に
同時に、定期昇給を事実上廃止し、成績主義による「査定昇給制度」を導入したことで、市民生活よりも市長や上司の顔色を気にするもの言わぬ職員づくりにつながることは明らかです。
不満がいっぱい
職員の間では、沢辺市長のトップダウン、ワンマン体質を批判する声が広がっています。「このままでは市役所がおかしくなってしまう」「一部の人はやる気になっているかもしれないが多くの人は今のやり方に不満だらけ」といいます。
職員から寄せられたアンケートでも「うつ状態の人が多い」「職場が暗くなった」「職員同士の協力が弱まる」など深刻な実態が浮き彫りになっています。
住民とともに歩むべき市職員と市民が反目させられていますが、市民のために良い仕事ができるような条件作りこそ求められているのではないでしょうか。
市内22校で一斉に入学式 新入生62名減に
4月10日飯能市内の小中学校で一斉に入学式が行なわれました。新一年生になった小学生は市内で680人、中学生は790人で、新一年生は昨年より62人少なくなっています。それぞれの思いを胸に、桜が満開の校門をくぐっていました。しかし、市内の小中学生の児童・生徒数は、なだらかではありますが減少傾向にあります。
平成18年度から、飯能市第四次総合振興計画がスタートしました。計画のなかで、飯能市は人口減少の中で、平成27年の人口は8万1400人と予想されるが、活力ある都市づくりを目指して、豊かな自然の中でいきいきと子育てのできる環境と賑わいのある街づくりをすすめ、8万5千人の目標人口を定めました。しかし具体的に子育てを支援する施策、保育所や保育料の問題、学童保育所の充実など問題は山積しています。人口の減少をくい止め「子育てするなら飯能で」を実行に移す事が求められます。
介護保険 - 食事・居住費 全額自己負担で利用困難に
金子とし江市議の一般質問
金子市議 ①昨年10月からの食費・居住費全額自己負担化(食費4万2000円と居住費一万円が負担増)によって、介護施設に入所しているお年寄りやデイサービスを利用しているお年寄りの中で、負担増に耐えられない方々が、経済的な理由で退所に追い込まれている。共産党埼玉県議団の聞き取り調査では、昨年10月1日から12月31日までに、県内の施設で2684人の途中退所があり、その内68人が退所の理由に「経済的な理由」を上げている。飯能市の実態はどうか。
②介護老健施設は、市民税が世帯非課税でない人が多く、入所者の6割以上を占めている。市で実施している低所得者対策をさらに充実することを求める。
現在、サービス利用料の助成範囲が新第二段階(市民税非課税世帯かつ年金収入が八〇万円以下の人は二分の一)、新第三段階(市民税非課税世帯かつ年金収入が80万~193万6千円の人は四分の一)であることから、さらに新第四段階(市民税課税世帯かつ本人非課税193万6千円以下)まで助成範囲の拡大を求める。
③利用料助成金は、毎月申請をすることになっているが、高齢者にとって手続きが大変。助成金の受け取りを、自己負担分から差し引いて、減額されたものを支払うよう改善してほしい。
福祉部長 ①昨年10月から食費・居住費が全額自己負担になったが、そのことで施設を退所したという話は聞いていない。②サービス利用料の助成範囲の拡大については考えていない。③助成金の手続きの簡略化については、利用者が複数のサービスを利用しているため当月の費用を算出し、さらに利用料の助成額を減額して本人に請求するのは困難。
「飯能桜の森計画」の候補地等の見直しを
金子市議 この事業は、市街地周辺の新たな観光資源として「桜」を中心とした森づくりを行うとしているが、候補地(美杉台北側斜面)については、地元から反対意見が出ている。四季を通じて行った動・植物調査で希少動植物も発見されていると聞いている。候補地は変更すべきと考えるがどうか。また、「桜の森委員会」委員の構成について、寄付者とその金融機関の職員、市職員、専門家で構成されているが、寄付者の意向を尊重した「桜」、そこに市からの補助金支出という一連の流れは、市民に理解されるものではない。見直しが必要と考えるが。
商工観光課長 次の理事会で調査結果をふまえていろいろな角度から検討されるものと思う。また委員会の構成については、規約もあり任期もあるのでその中で検討されるものと思う。
波紋(コラム)
首を切られた鶏が庭を走り回ってバタッと倒れて動かなくなってしまう、子どもの頃の記憶です。大きくなった鶏をこうして食べたのです。私の仕事は骨を鉄兜に入れ金づちでくだいてだんごにすることでした。戦争に使った鉄兜がまた家にあったのです。戦争が終わってまた十年ぐらいの頃だったのでしょうか▼「花へんろ」で作者の早坂暁さんは「それにしても、あの時の少年少女たちの戦争に寄せる情熱と興奮は何であったのか」「あんな少年少女たちが全国にあふれたのは、なぜだったのでしょうか、よく考えて見る必要があります」と自問し、「それは何よりも教育だったと思います」と書いています。幼い心に刻み込んだ国家のイメージは簡単に消すことはできない、ほんとうに、教育は恐ろしいと思うと言っています▼鉄兜で鶏の骨を砕いていられる時代でほんとうによかったと思います。それだけに教育基本法改悪で「愛国心」明記で自公が合意したことには怒りを覚えます。愛国心を国が強制するなどということはそれこそ戦前への逆戻りです。